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その日僕に落ちた神様は人生を喰いました〜完〜
作者: にゃは  (総ページ数: 69ページ)
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第八神話「果実の裏側」



「リンゴ?」
「そう、リンゴだ」
「あはは〜リンゴだね」
「リンゴですね」


全員の言葉が一致している理由は1つ。
目の前に超巨大の赤い物体があったのだ。
高層ビル並みの大きさでほんのり甘い香りがしてくる。



「んで、なんでリンゴ?」
驚愕していた皆だが、切り返して天が話を戻す。
それに答えるようにクライズが呟く。

「朝からなんでか日陰になってるな〜と思って外に出てみたらこの様だったぜ」
リンゴがある周辺の家は跡形もなく消えている。
しかし不自然だ…いくら潰されていても普通なら家の破片などが落ちていてもおかしくない。なのにまるで何事もなかったかのようになにもない。


「てか、落ちてきたら気づくだろ」
「音はしなかったぜはずだぜ、ローズも気づいてないんだからよ」
寝てたって可能性はないのか?まぁ置いといて


「とにかく片付けるか」
「ですね、邪魔になりますし」
んじゃ手っ取り早くシヴァの力で…


そう思い手を翳す天だが、
「ん…なに?」
力が通じない?いや…そんなことは…

しかし事実だ。その後はクライズやローズが試してみるが天と同じく力が通じていない。

「困ったな…これじゃどけれないぜ」
落ちてきたかどうかも気になるが…力が通じていないなんて初めてだな。

「あの……私が分析してみます」
知恵の神なら出来るか…
「よし!ロム、頼んだ」



ロムの分析から30分……時刻は11時、もうすぐ昼だ。
ポカポカ暖かい日差しに当たることなく…ずっと日陰にいるのも疲れるな。


「うぅ………これ、どうしたの?」
銀髪の美少女が現れた。銀音だ。
「久しぶりだな、仕事は終わったのか?」
「うん、寂しかった?」
「いや、全然」
首を降りながら応答する天。
「嘘つき…ぽっ」
いや…まぁいいか。


「これは、なんというかリンゴだ」
自分でもわかるほど説明になっていない。
「なるほど…リンゴ」
理解したのかよ!?


「分析終わりました〜」
ロムが汗を脱ぐってこちらに歩いてくる。
結構力を使ったみたいだな、お疲れ様だ。

「で、どうだ?」
クライズが話を聞く。
それに即さまロムが応答する。
「はい、これはリンゴでありリンゴでありません」
はい?全くわからない。

「どういうことだ?」
「えっと、リンゴの成分などを検索してみるとリンゴでしたが、生き物の流血などを調べてみると…このリンゴは生きてます」
蔦もないリンゴが生きてるか…そして突然の出現…神力を封じるなにか…ん?蔦もない……突然の出現に生きてる。……まさか


「少し居てくれよ…」
低い声で地面を強く蹴る。
早い速度で一気にリンゴの真上に上がる。


そこには蔕があるどころかなにもなかった。
「やはりな…このリンゴは逆さまってことだな」

確認を終えた天はクライズ達の元へ戻る。


「皆力を貸してくれ」


さぁ…リンゴよ…いやリンゴの神様よ、覚悟しな!!
「お前を生かしておくほど人間はおとなしくねぇぞ!」

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