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作者: にゃは (総ページ数: 69ページ)
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*22*
目の前の光は果たして希望の光なのか…
それともこれより始まる終わりの光なのか…
「魅咲……お前は」
言葉を最後まで言わなくても伝わっていた。
「うん、私も天くん達と同じだよ。神様が落ちてきたんだよ…」
いや、今はそんなことよりもこの事態をなんとかしなくちゃ…
しかし魅咲は言葉をどぎらせない。
「付喪神(つくもがみ)それが私に落ちてきた神様だよ…そして、この力で私は多くの形のあるものと話をして来たんだ。」
たしか付喪神は物や道具…自然に霊魂が入ったことにより作り出された神…荒らぶる神か…
ものすごい爆風が魅咲を翳して起こる。
「ホロウギルムも限界みたい…天くん!よく聞いて!!」
天は頷くことしか出来なかった。
「私がこの事態を止める」
……つまり、俺は足手まといか…
「で、俺は何をすればいい?」
不安と共に声を重ねる。
「それはね…」
「私を探して」
え?探すって…う!?
目の前が暗くなる…どうやら気絶させられるみたいだ。
魅咲………………
「大好きだよ♪」
なにもない公園で目が覚めた。
「嫌なことを思い出したな…夢があの日そのままとは」
眠っていたようだ。約2時間はたっているだろう。
「帰……るか」
そういって自宅に戻ろうとすると後ろに気配を感じた。
振り替えるとそこには…
「天くん」
魅……咲?
再び暗くなった。
「天!天!ねぇ天!」
ロムの声が耳にはいる。
「良かった…目が覚めたのね」
自宅か?……ちっ!頭が痛い…
「俺はどこにいた?」
妥当な疑問から問いかける。
「公園だよ、倒れていたのをクライズさんが見つけて」
そう、か…なら魅咲は幻なのか?
リビングに向かうとそこには見る顔が勢揃いしていた。
「お!起きたか?」
「天……大丈夫?」
「あはは〜あんなとこで寝てたなんて笑えるね〜」
最後は事実だがいらっとくるな。
「迷惑かけた…飯でも食いにいくか?」
迷いもなく「おぉーーー!」という声が響いた。
少しは遠慮しろ!
「ふぅ〜お腹一杯♪」
「食った食った〜」
「ごちそう…さま」
「あはは〜結構食べたね〜」
……過去に戻りたい…
金はほとんど消えた。
「んで、なんで公園なんかにいた?」
クライズが話を変える。
「散歩だよ散歩」
じっ!と睨んでくるロム……恐らく「30分で戻る」を気にしてるのだろう。口に出さないことはありがたい。
「ロム………」
「なに?」
言うべきなのか…迷うことは…出来ないわけがない。
「いや、なんにもない」
その言葉は建前とは程遠い嘘であった。