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その日僕に落ちた神様は人生を喰いました〜完〜
作者: にゃは  (総ページ数: 69ページ)
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第十二神話「あの絶望を今一度…」




「ほらっ!じっとして」
「う…私がやる!」
「あはは、私に任せてよ」
3人の言い合いは怒鳴り合いとなり、天を巻き込んでいた。
「いってぇ!お前らまともに手当てしてくれよ」
トンネル一見の後、一撃で穴を堀ると、天井が崩れて潰されていた。幸いシヴァが具現化していたので破壊して貰ったが、天だけは右腕を骨折してしまった。



「よー楽しそうだな、天」
クライズの馴れ馴れしいふざけた声が耳に入る。後ろには賢斗が身を潜めていた。


「どうした?なんか用か?」
「全員に言うぞ…残り一ヶ月後、反乱の雨が起こる」
銀音や賢斗はなにを言っているのかわからない顔をしているが、天や、ローズ、ロムはまるで恐怖のどん底に落とされた表情をしていた。
「なぜわかる?」
「カオスから連絡だ、そういっていた」
(罠?いや…それはない。あいつはそういう性格だ)
天は絶望より、期待を膨らませていた。以前は歯が立たなかった…しかし今なら…少しでも戦える。




「一ヶ月という時間を有効に使えよ」
クライズの言葉に重みを感じる。つまり、鍛えるもよし、休むもよし、そして逃げるも…よしってことだ。



「ねぇ、天はどこに行ったの?」
数時間が過ぎると天の姿が消えた。それに気づいたロムはクライズに問いを求める。
「さぁな」と返答されやむを得ず銀音の所に向かった。


「はぁ!」
大地が大きく揺れる。地震かと思うがそれは銀音が起こした一部の振動だった。
「まだまだだよ!」
ローズの声が聞こえる。姿は見えないが訓練だろうか?
ロムは影に姿を潜み、音のみを聞いていた。





その頃、天は釣りをしていた。
「釣れねぇ…」
ただ釣りをしているのは目的ではないようで大きな荷物をまとめて隣に置いている。
(…………!!)
気づいた頃にはもう遅かった。クナイのように尖った鉄の包丁のような物を天の首筋についていた。
「流石ですよ…師匠」
天が師匠と呼ぶ女は笑いだし天を抱き締めた。黄色い髪に時々赤色の髪が重なる女の人…胸部が以上にでかい。


「天、よくきたな〜添い寝しようか?」
「しなくていいよ!津兒 畔(しんに ほとり)、いや師匠!もう一度、俺に修行をしてくれ」
天が津兒 畔と呼ぶ女が師匠のようだ。
「次は逃げるなよ」
昔、この女に弟子入りしたことがあった。あり得ない修行をさせられ体はボロボロになっていた。しかしある日をきっかけに弟子入りを破棄してしまったのだ。


「俺はもう…………誰も傷つけさせたくねぇ!!」
その言葉を聞いて納得したのか首をクイクイさせて、まるで「ついてきな」のように見えた。
(カオス…次は仕留める)

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