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作者: にゃは (総ページ数: 69ページ)
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「ぐぁぁあ!!」
森の奥深く…大木を縄でくくり林にぶらさげり、高速で移動する大木のなかに天はいた。叫びと共に大木が右腹部を直撃し、吹っ飛んでいた。
「立て直せ」
冷酷な声が耳に入る。言葉を放ったのは、天の師匠である畔だった。仁王立ちで林の道のど真ん中にたっている。
(こんの…)
シヴァの力を引き出し、大木を粉々にした。安全な空間が出来、天は座り込んだ。
「はぁ、はぁ…くそったれ…!」
拳を地面に叩き付けて怒鳴り声を挙げる。
「少し休むか…そういえばお前は破壊の力以外にも使えるんだってな」
興味があるのか畔は天を見て笑っていた。
瞬時に襲ってくる無数の大木のなかにまた天はいた。
先程の大木よりかは少し小さいが代わりに数が倍はある。ざっと100ぐらいだ。
(シヴァは使わず…天照を)
「天照!」
金色のオーラが煌めき、天を覆う。天の速度が約2倍になったかのように大木を交わしてゆく。
(これならいける!)
油断したとたん…一本の太刀が飛んできた。天は直感で交わすことが出来たが、無数の大木に襲われ上空へ吹っ飛んだ。
中庭に神力がぶつかり合う。
「銀音ちゃん、まだまだだよー」
「うぅ…はぁ、はぁ」
余裕のローズに対し、銀音はヘトヘトだ。ロムも混じって訓練している。
「ローズさん!行きます」
全線に跳躍し高く上がる。神力を形に変えて、鋭い槍となる。投げようとするがローズの言霊が追撃する。
「消えな」
言葉通りに槍が消えてなくなる。ロムの神力も切れてきた。銀音の息も荒くなり少し休憩をとることになった。
「………………………………」
「さ、食べな」
訓練が終わって飯の時間となった。ボロボロの体には早く栄養をとって休息が必要だ。なのに…
「師匠…これはなんだ?」
「んー?蛇に熊にイノシシだよ」
目の前には言われた通り蛇に熊にイノシシがいた。生で
蛇は蛇というより大蛇だ。
「狩りな」
(マジかよ…神力も残ってないのにきついぜ)
熊の間合いに入って投げ飛ばし木にぶつける。突っ込んできたイノシシは素手で掴んで上空へ投げ飛ばす。ため息をついたとき巨大な尻尾が天を凪ぎ払う。
(やべぇ…ガハァッ!!)
立ち上がるが次々と尻尾の雨が注ぐ。
「このやろぅ、がぁぁぁあ!!【撞讀】」
紫のオーラが迸る。
目が稲妻が走るように煌めく。
怯まず尻尾を振り回す蛇だが天には命中しない。
「よかったな…お前は光があるってよ」
命中しないということは光が少しでもあるということだ。【撞讀】は光では攻撃が当たらない。しかし闇なら攻撃が出来るのだ。
「闇よ光を喰らえ!時鵯の大鏡(じひのおおかがみ)」
終焉の闇が弾けとんだ。