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作者: にゃは (総ページ数: 69ページ)
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第二十七神話「一心一戦」
ついに開戦されるデスゲーム。時間制限ありの神隠しが始まろうとしていた。カオスの時と同等ように、空は黒く覆われていて、朝なのに真夜中に感じた。
「…………あれが…例の竜巻か…?」
学校の屋上。強く風が吹き付けるなか、金髪の男、クライズが天といた。
「あぁ、恐らくな…バアルとフレガってやつらはもうすでに散らばってるだろ…傀儡の神。変化を自由とした神に近い存在だ、慎重にいこう」
天は白いフードパーカーを着て、屋上からふたり町へ飛び降りていった。
【学校……地下】
「うぅ、こんなとこあったんだ…」
銀音が踏み入れた所は学校の地下にある1つ部屋だった。床には魔方陣のようなものがいつくも光輝いていてその上にロムと魅咲がいた。
「あ、銀音さん、こっちに来てください」
ロムが銀音を呼び寄せ、魔方陣の上に乗せる。三人で三角形の陣形を作り、周りを見渡した。
「ここはこの学校を保つ神天地って場所で、神力を持つもの根元となる力で耐久性を保ってるんだよ。私たちはあの竜巻からこの学校への直撃をどうにかするの」
ロムは銀音に説明を始めた。魅咲は事前に聞いていたのかウンウンと頷いていた。
「うぅ、で、どうするの?」
銀音はおどおどしながらロムに問う。
「直撃を回避するのは難しいですが…耐久性を高め、被害を万が一のために準備しときましょう。勿論……………天兄は信じてますけど」
ニコッとロムは迷いなく、天のことを頭に浮かべた。魅咲や銀音もお互いを見ながら安心したように神力を高めていった。
【町中 東部】
朝日が届かない町中。天はクライズと手分けして別れたことを思い出していた。
《天、あいつらはカオスと同等だ…戦闘が始まったら一人じゃ勝てねぇ…まずは連絡しろよ?》
《…あ…あぁ》
天はクライズの言葉に1つの違和感を感じながら二人は二つの方向へ別れていった。
(…………傀儡の神…どう見分ければ…)
学校へと迫り来る竜巻を河原から見つめていた。ゆらゆらと落ちてくる葉。透き通るように見える河の水が天の心を揺さぶっていた。
「なんて顔してるんですか?天」
聞き覚えのある偉そうな声が天の後ろから聞こえた。振り返ってみるとそこには見慣れた顔があった。お互い拳を交えたあいつが…
「颯磨…………」
颯磨だった。しっかりとしたカッターを着て、鋭い目付きで天を見下ろしていた。
「あの……僕もいます」
颯磨の後ろから声が聞こえた。これまた聞き覚えのある声だ。おろっとした弱いトーンの声が記憶をめぐる。
「賢斗!!来てくれたのか?」
「はい、師匠」
グッと両手の手のひらを拳に変えた。
この二人はこの状況では頼もしい…いや。頼もしすぎる存在だろう。天は嬉しくなり少し笑っていた。
「事情を教えてくれますか?」
「あぁ」
三人はそれぞれにやっと笑いながら天は事情を話始めた。