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その日僕に落ちた神様は人生を喰いました〜完〜
作者: にゃは  (総ページ数: 69ページ)
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第二十六神話「篁なる一角…ワンゲーム」





少しの日常が続いていた…いや、不自然の前触れとでも言うべきだろうか…この世界にこの時代に平和などないだろうに…


「今日も雨か…」
校内の1つの教室。天は机に座って窓から空を見ていた。先程の言葉通り…つい5日前までは晴れていた空がいまは黒い雲に覆われている。
「天兄、魅咲さんが読んでるよー」
教室のドアがガラッと開いてロムが顔を出す。
「あぁ、今いくよ…」
机から降りて、ゆっくりとドアの方へ向かった。





1つの竜巻。黒く暗雲の綺羅目時。一言で表せるなら
「暗闇の嵐」だろうか、巨大な竜巻が天達の学校へ向かっていた。そして中では…


「カオスを倒した相手ってどんなだろーな!!」
「兄さん…落ち着いて、乱れるよ」
紫の髪の色をした、兄弟かと思われる二人が茶舞台を囲んでいた。一人は頭に角が1つ。もう一人は2つ角がある。服装は諸にラフだ。黒いオーブをまとっていた。


「フレガ…俺がそんなことで乱れっかよ!!」
フレガと呼ばれた二つの角をもつ男が弟だろうか。一本角はお茶を一気にのみ尽くした。
「とかいって…この前、町を食べちゃったじゃん」
呆れるフレガ…それを聞いた一本角はお茶の入れていたコップを差し出し、まるで入れてこい、と言っているようだった。察したのかコップを受け取りフレガは消えていった。


「ヘヘッ…カオスを倒した奴か…………このバアル様がぐちゃぐちゃにしてやるぜ」
不適に笑うバアルは紫の視線を向けていた。





雨が降るなか…天は屋上にいた。魅咲に呼ばれて来てみれば姿は見あたらず十分が経過していた。
「……………………あいつ…」
「天くーーん…はぁはぁ…間に合っ」
「てねぇよ!呼び出しといて遅れるとかなんだ!?」
階段の方から魅咲が姿を現す。赤いマフラーをして上目使いで天にぺこりと頭を下げた。
「で、なんだ?」




「なるほど…カオスと同類の奴か…………」
「うん、多分だけどあの竜巻」
指差す方向には巨大な竜巻があった。なぜ今更気付くのだろうか…あんなのなら普通に気付くはずなのに。
(1種の幻影…いや、恩暁か…)



「それでね、こんなものが届いたの」
差し出すのは一枚の紙。雨に濡れると思いきや水を弾いていた。これも魔術の1種だろう。
「…………魔法使い…見たいな奴か、」
紙を受け取り天は読み上げる。
【宣告。これより反乱の雨を始める。俺たちは傀儡の神であり、悪魔の兄弟、バアルとフレガだ。さて本題だが1つのゲームをしないか?ルールは簡単。町中にいる俺たちを見つけて一撃を喰らわせればそっちの勝ち。タイムリミットはその学校へ向かっている竜巻だ。ちなみに俺たち以外を攻撃した場合、そちらの負けとする】


「よーするに…かくれんぼか?」
「命をかけた…ね」
二人は走り出してこの事を皆に伝えに急いだ。



「さぁ祭の始まりだ…ヒャハァァア!!」
黒くひどくの方向が鳴り響いた。





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