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*10*
「…………何故、そのようなことを、お聞きになられるのですか……っ?」
アイビーの顔はすうっと青ざめ、言葉尻が少し震えていた。
「__っ、ちょっとした気まぐれだから、気にしなくていいわ」
__初めてだ。こんなに動転したアイビーを見たのは。私はそこまで深刻なことを言ったつもりが無いのに。
「……申し訳ございません。動転してしまって」
アイビーは一度深呼吸して落ち着かせてから、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「ごめんなさい。そんな、真剣に言ったわけじゃないのに、……ねえ、アイビーは私に死んでほしくない?」
一瞬、悲しげに表情を曇らせた。そして、無理やりというのが私でも分かるような微笑みを浮かべた。
「勿論でごさいます。……ですから、どうか、そのような悲しいことは仰らないで下さい」
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