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Ghost-Soldier【完結】
作者: レンクル01  (総ページ数: 58ページ)
関連タグ: ファンタジー シリアス 血描写 
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*12*

  ライデンside

現在兵士の宿舎にいるのは、俺、ネオン、イタルータ、ツバキ。

あのあと学院は一時的な学院閉鎖を決めたらしい。
6人は今回の任務を手伝ってもらったし、女王から御礼が渡されるらしい。
……羨ましい。

あのとき、施設で何が起こったのか説明してもらった。

食人植物を暴走したルーンで操っていた大型機械が破壊され、その力だけで動いていた赤い食人植物は次々と動力を失い倒れたという。
あの赤い食人植物は、組織オリジナルだったらしい。

誰が大型機械を破壊したのか。それはまだ判明していないが、俺達にはわかりきったことだ。
俺達がいた上の階が最上階だったことからもわかる。

あの矛の青年だ。

調査隊の話だと、最上階には破壊された機械と共に、十数人の人間の無惨な死体が確認されたという。

ようするにあの青年は、大型機械の破壊を邪魔したと思われる組織人間を惨殺したのだ。

俺達に与えられた次の任務は、例の組織、LBSの他の場所にある施設の弾圧。
今はそのための作戦会議……のはずだが。

「……」

ツバキは一人うつむいていて、イタルータにもいつものような嫌味たらしい雰囲気はない。

「……なぁツバキ。お前とあいつにいったい何があったんだ……?」

俺はたまらずツバキに声をかける。
ツバキはいつもよりもはるかに沈んだ声で答えた。

「あの子は……セイシュン・グリオニオという人なんです。私とイタルータの……幼馴染みです」
「……」

ツバキは目に涙を溜めていた。イタルータはツバキから目を反らす。

「多分、あの子が……組織の人間をあんなにも殺してしまったのは、私のせいなんです。」
「え?」

突然の告白だった。

「私が……昔……言ってしまったんです、セイシュンに……あんなこと言わなければ、セイシュンがあんなに苦しむこともなかったんです……」

ツバキは、たどたどしく語りだした。
自分とセイシュンの、かつての話。

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