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Ghost-Soldier【完結】
作者: レンクル01  (総ページ数: 58ページ)
関連タグ: ファンタジー シリアス 血描写 
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*15*

  ライデンside

「案外簡単に入れたねー」

呑気に語るネオンを若干無視して、俺達は奥へと進む。
今回も最上階に機械があると考えていいはずだ。

「セイシュン……」

ツバキは両手を握りしめる。イタルータが気まずそうにその様子を見ている。

「大丈夫ですよツバキちゃん。あの人、そう簡単に死ぬような人じゃないと思いますから」

ミカンはツバキの隣で肩を叩く。

「ほー。どうやら科学薬品の勉強にもなりそうだなー」
「……アイリ、お前少し下がってろ」
「ええ!?僕だって戦えるのに……」

アイリは悲しそうな顔をする。

レイドは相変わらずケタケタ笑いながら鎌を回している。

「……レイド、それ俺に当てるんじゃねーぞ」
「ケケッ当たる方が悪いって問題だぜ?」

……こいつは苦手だ。

「おっと、早速お出ましだねー。」

ネオンの視線の先には、今度は茶色をした食人植物が蠢いている。

「うぅ、気持ち悪い……」

ツバキはやはり苦手なようだ。

「……さて、行きますか。」

俺達は一気に食人植物に飛びかかった。








  セイシュンside

「……下の階が騒がしいようですが……」
「安心しろ、茶色の食人植物を配置した。時間稼ぎにはなるだろう。その間に……紫を完成させなければ。」

扉は開かれる。

「出てこい、グリオニオ。」

鎖のついた四肢を引きずって、その部屋から出た。



「グリオニオ、今からお前に手伝ってもらいたいことがある」
「何であろうと手伝う義理はないね。」

冷たく吐き捨てる。

「……そんなこと言っていいのかい?今下の階に、君の友人が来ているんだよ」
「なっ……」
「君がこの実験をしてくれないなら……彼女等にやってもらおうかな」

友人というのは、ツバキとイタルータのことだろうか。
彼女等を巻き込むわけにはいかない。ずっと心に誓ってきたことだ。

「……分かった。」
「それでいいんだグリオニオ。では、早速始めるよ。」

男はモニターをスクロールする。

何かのスイッチを押した瞬間、このフロアの僕以外の人間は更に上空へ上昇し、僕と同じ場所には紫色をした食人植物が現れた。
体は巨大化し、腕の鎌も更に鋭く尖っていた。あらゆるところから茨のようなものが生えていて、単純に言えばこれまでのものとはまるで別物だった。

「実験というのはこの食人植物の戦闘テストだ。君ほどの実力をもった者でないと、このテストは意味を持たない。」

先程の男が解説し、四肢に付いていた枷と握っていた矛のリミッターが外された。

「では……始めるぞ。」

男がアイコンを押すと食人植物は動き出す。
僕は魔武器を解放して、その脚へと斬りかかった。

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