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Ghost-Soldier【完結】
作者: レンクル01  (総ページ数: 58ページ)
関連タグ: ファンタジー シリアス 血描写 
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*33*

  ???




昔々、双子の魔術師がいた。

兄の名はヒート、妹の名はルーン。

この世界の創造神であるフレア・アルバーンが地上を去った後の時代で、初めて現れた優秀な魔術師だった。

しかし、事件は起きた。

兄であるヒートは世界を旅してまわっていた。

そんな中、どこの国にも属していないと言われる小さな集落に辿り着いた。

そこには……集落の中心に位置し、面積の2/3を占めている巨大な図書館があった。

ヒートはもちろん中へと入り、そこにある数々の書物を眺めてまわった。

その書物の中に、ある禁書が眠っていたことなど知りもせずに。


ヒートは図書館を出た後、とある場所へ向かい何かをした。


……え?何かをちゃんと説明しろって?わかったよ。


ヒートは魔力を暴走させて、それを自分の身へと宿らせる禁術を使った。

もちろん、図書館で見つけた禁書に書かれていた術だ。

彼が何故その行動をとったか、今となってはわからないが、恐らく暴走した魔力は通常の魔力よりも遥かにすさまじい力を持っていたからだ。

しかしその暴走した魔力を宿した人間がどうなるか……お前にはもうわかるだろ?

……そう、心壊が起きる。

ヒートはその後、周囲の魔力をどんどん暴走させていった。

それは多くの人間に取り憑き、多くの人間が正気を失っていった。

そして遂に元凶であるヒートは、創造神が産み出した古い魔力を浄化する世界樹を暴走させ、世界中の魔力を暴走させようと考え始めた。

計画を進めていくヒートの前に、妹のルーンが立ちはだかった。

正気を失っているヒートに話が通じる筈もなく、二人はその身体に宿した計り知れない魔力を使って殺し合いを始めたんだ。

通常よりも強い力を持った魔力を宿したヒートの優勢は揺るがなかった。

しかしルーンにも、ある秘策があった。

それは自らの魔力を武器に流し込んで、武器の力、魔術の力を同時に使うということだった。

これが魔武器の原点だね。

果てしなく長い戦いは、ルーンの勝利で幕を閉じた。

ルーンは残った力で暴走した魔力を世界樹に送り、それを浄化させた。

そしてようやく、元の世界を取り戻したってわけだ。

ルーンは生前、最後に世界中の武器の種類ひとつずつに魔力を宿した。

これで、今奴等が使ってる魔武器ができたってわけだな。

しかし、現在世界樹は何故か暴走している。

……お前には理由がわかってるんだろって?そりゃあわかってるよ。

見てたんだからな。

ともかくヒートの思惑を受け継いだ何かが、世界樹を暴走させてるってことだ。

何かを説明しろ?そんなのつまらねぇじゃねえか。

まぁひとつ、ヒントをあげるとするか。

……そんな怖い顔するなって。

『ヒートが宿していた暴走した魔力を受け継いだ人物』ってことだな。

……それだけじゃわからないって?うるせーなもういいじゃねぇか。

仕方ないから、もうひとつやるとしようか。

『ヒートが最後に戦っていた相手はルーン。そして暴走した魔力は宿り主が死んだとき、一番近いところにいた人間に宿ろうとする』。

ってことは、と思うだろ?

ちなみに、両親の魔力を子どもは受け継ぐんだぜ。

……はっ、言ってしまった。

いいや、大ヒントをやろう。

『ヒートとルーンは、蒼い目だった』。

もう終わりだぜ!わかっただろ?

誰が元凶なのか。


じゃあ、そろそろおいとまさせてもらうぜ。

俺?


神様の知り合いとでも言っておくか。

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