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Ghost-Soldier【完結】
作者: レンクル01  (総ページ数: 58ページ)
関連タグ: ファンタジー シリアス 血描写 
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*47*

  ライデンside


「……聞きたいことがありすぎるぞ」
「え?何が?」

ネオンの足元は青く光っている。

「まず、お前はどうして俺の精神世界にいる?それに目の色だって違うし、おまけに頬の切り傷だってないじゃないか。」

服装や体型、顔も髪型も全く一緒なのに、ところどころ違う点がある。

「そうだねー。まずそこから説明した方がいいのかなぁ。でも、私の言いたいことから言わせてもらうよっ」

いつものような口調で、この黒い空間なんて気にしていないようだ。

「……ライデンのバカッ!」
「はぁ!?」

突然怒鳴られた。

「いい!?ライデン、生きる価値のない人間なんているわけがないの!みんな生きるために産まれてきたんだよ!」

ネオンの目は、いつになく真剣だった。
だけど……

「……お前に何がわかるんだよ、全部俺のせいだったんだぞ!?そのせいでみんなが辛い思いをした!レイドだって殺して、イタルータだって狂わせた!全部俺のせいなんだ!……もう、俺のせいで悲しむ人を見たくないんだ……!」
「……ライデン」

ネオンが目を閉じる。

そしてそれと同時に、俺にある映像が流れた。





『こいつを倒すことを優先させろ!』
『わかってる……ライデンのヒートは後から考えよう』

血塗れになっていたセイシュンとヤジータ。その向かい側には、傷ひとつ負っていないアヤの姿があった。


「あの人たち、ライデンのこと信じてるんだよ。君がヒートに負けるわけない、また一緒に戦ってくれるはずだって。」
「……だからなんだっていうんだ、俺が死ねば全て終わるんだぞ!?」

「あのねぇライデン、君の悪いくせだよ。何でもかんでも自分が全てを背負って、仲間に迷惑をかけないようにって。みんなが辛い思いをしたから何?君はその罪を償うために死ぬの?」
「だって……それしか償いできないだろ……」
「だからバカだって言ってるの!」

ネオンはまた怒鳴る。

「君が死んだら、死んだ人達は帰ってくるの?もう戻らない思い出が帰ってくるの?違うでしょ!?君は死んだ人の分だけ生きなきゃいけないの。それに……君が死んで、悲しむ人だってたくさんいるんだよ。君が気付いていないだけでね……」
「……ネオン……」
「アヤを倒せば、今の世界樹はとりあえず普通に戻るんでしょ?君の中のヒートが再び暴れなければ、もうこんなことにはならないでしょ?だったら、そのヒートを君が押さえつけておくしかないんだよ!ヒートは外に出れば、周りの人間にどんどん乗り移っていくからね……」
「だけど、俺の魔力じゃ押さえつけられるわけ……」

「そのために私は来たんだよ」
「……え?」
「さっきアヤが言ってたよね、君がヒートを押さえつけられていた理由。」

「あることをしていたせいで……って言ってたか」
「あることってね、私と一緒にいることなんだよ。」
「……なんでそうなるんだよ?」

突然言われたことが信じられず、目を見開いた。

「な、なんでお前といることでヒートを止められるんだよ」
「そのことも今から説明する。」


「ライデン、君はルーンの子孫であると共に、世界を産み出した創造神、大魔術師・フレア・アルバーンの血も引いてるんだよ。」
「……俺が?」
「その魔力は計り知れないもの。世界中の道具に魔力を宿してもお釣りがくるぐらいのレベルだよ。」

「だけど、そんなものは俺の中にあるわけ……」
「君がその力を使えないのは、私がいるせいだよ。」







「……なんで?」

「私は君が作り出した幻だよ。フレア・アルバーンの魔力を注ぎ込んで作った、幻影だよ。」







「……はぁ?」

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