完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
*52*
「告白してくれた後輩のこと、大事にしてあげて!」
そう叫んだ秋の顔。
彼女の表情は、たぶん一生忘れないだろう。
今日、秋との思い出が詰まった街に、ついにさよならを告げた。
そして、秋とも…。
今まで僕の記憶の中にいた秋が、僕の中から少しずつ消えていく、そんな気がした。もちろん、しばらくは憶えているであろう、ただ…
「忘れる」ってこういうことなんだな、と思う。
僕はそんなことを考えながら、タクシーに乗っていたのだった。
もちろん、タクシーを引き留めてくれた先生には感謝している。
「僕達」には、その時間が必要だった。
これからも美術部として、がんばらなくちゃいけないな。
来週、あの子にあったらなんて言おうか。
とりあえず、にっこりと笑ってみて、それから…
…僕の話は、もうおしまい。
PR