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*6*
ステージ5「森」その一
この話の主人公、関索
「はあ・・・はあ・・・」
何処ともしれない深い森の中、ここで戦いが始まっていた。じわじわ迫るプリム達に関索が両節棍を使い、身軽な体術を駆使して立ち向かった。しかしプリム達の数は多く、次第に追い詰められていった。
「わああ!」
ソードプリムが隙を突いて関索に切りつけた。ダメージを受けた関索はバランスを崩して崖の方へと消えていった・・・。
「ううん・・・」
関索は暗闇の中にいた。しかし、どこからか自分を呼ぶ声が聞こえてきた。その呼びかけに導かれていくと、ぼやけていた視界が晴れてきた。そして、陽の光と温かな草の香りがしてきた。
「あ、起こしちゃってごめんなさい!でも良かった・・・」
同時に、可憐で可愛い大胆な姫鎧を着た、大きい体をした姫武者と目が合った。
「こ、ここは・・・」
「ここは森の中です。すみません、川辺で倒れていたのを放っておけなくて・・・」
「いや、助けてくれたことには感謝する」
「はい、それと少しばかり手当を」
姫武者に言われて、関索は自分の腕に薬草を貼った包帯が巻かれていた。
「礼を言おう。貴方は・・・?」
「この森に暮らす、井伊直虎と言う者です」
「井伊直虎、いい名だね、う・・・!」
関索は起き上がったが傷がいたんで腕に手を当てた。
「ああ、すみません、まだ治ってなくてごめんなさい!はう〜、私なんでこうなんだろ〜・・・」
「いや、貴方が謝ることじゃ・・・」
関索が見ると、直虎はよくごめんなさいとかすみませんと言っている。少しばかり扱いにくく感じた。すると、草むらからガサガサと音がしてきた。
「まさか、こんな所に・・・!」
亜空軍がここまで、関索は身構えた。
「待って、違うんです!大丈夫よ、この人は悪い人じゃないわ。だから安心して」
直虎が優しく宥めるように言うと、草むらから続々と、ポケモン達が現れた。チュリネ、モンメン、クヌギダマ、パチリス、ビッパ、ミミロル、ナゾノクサ、ヒメグマと言ったポケモン達が出てきて、関索を物珍しそうに見た。
「これは、摩訶不思議な・・・」
「可愛いですか?この子達はこの森に暮らしてる子達なのです。小さくて可愛くて、私を気遣ってくれるんです」
「気遣う?それは一体」
「あ、すみません。何でもありません。所で関索様、亜空軍を知っていますか?」
「亜空軍、今、その軍と戦ったのだ。しかし数の強さに敗れ、こうしてなんとか・・・」
「そうですか、遂にこの森にまで・・・」
直虎はチュリネを抱きかかえて悲しい顔をした。
「もし、ここへ来たら、この子達はどうなってしまうの・・・。私は、この子達を守りたい・・・」
「直虎殿・・・。きっと大丈夫だ。私も怪我をしているとはいえ、最後まで全力を尽くす」
関索の言葉に、直虎は救われたかのような安堵の笑みを浮かべた。その時、何かの地響きが聞こえてきた。身構えると、おおあごポケモンのワルビアルが現れた。だが、よく見ると、影虫を纏っている。
「ここは、く・・・!」
関索は立ち向かおうとしたが、怪我の痛みで動くことが出来ないでいた。
「大丈夫です、私一人でも、勝ち抜いてみせます!皆、下がってて!」
直虎はダッシュして跳躍し、ジャンプキックをワルビアルに見舞った。ワルビアルは転がり落ちたが、すぐに起き上がって腕を鳴らして襲いかかった。
「井伊家家訓!必ず先陣を切って戦うべし!」
直虎はワルビアルのひっかきをかわして、戦いに入った・・・。
続く・・・。