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しりとりシリーズ
作者: 彩都  (総ページ数: 51ページ)
関連タグ: しりとり 
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*18*

 『緻密』

 俺は華麗な犯罪者、どんな家も金庫も針金で開けていくぜ!そして俺は万能な犯罪者なのだから!!
 楽な仕事だが、バレたら、怖い職業である(そもそも犯罪行為なので職業ではない)……そして、俺はまた一軒の新たなカモを見つけた、そして、俺はピッキングをした……
 ただの単純作業だが、家の鍵によっては、カードとかもあるから、大変だ、そして、今回は普通のよくある鍵……俺は愛用の針金で、ゆっくりと開ける……『ガチャリ』と、小気味良い音が聞こえる……よし……鍵は開いた様だ……俺は急いで、金品財宝を奪おうと思った……

 ……た……高い物品ばっかじゃねぇか!?何でこんな良い家を早く見つけなかったんだ!?俺はこの家を見つける事に何年遊んでいたんだか……そう思いながら、金銀財宝、時計、指輪、ネックレス、通帳……おっと、これは、暗証番号が通帳に書いていた……忘れっぽい人なのだろう……俺には、最高です!!ん〜と……900万円入ってるじゃん!?これは大金持ちではないが、小金持ちかな!?そう思いながら、懐に通帳を入れる……そして、金目の物を入れていき、袋が満タンになる、よしよし……これで今日の稼ぎは終了だ……
 だが、油断は出来ない、まず、周りに警戒しなくては……そう思いながら、周りを見る……よし、誰も居ないな……俺はその家から、脱出した……

「……ただまぁ、俺は運が良かっただけだよ……合計1800万円も手に入れただけ、これで少しは休めるな……」
 何となく、あの時の家の話をする俺に幼馴染みの空き巣は言った。
「……ただ……まぁ……憑かれなくて良かったね……危険な家だし、あそこは……」
「ハァッ!?何がぁ!?意味わかんねぇ事、言うなよ……」
 よもや、そんな話になるなんて、その時の俺は思っていなかった……あの家が……
「が……頑張ったのは良いが……お前が入った家は、幽霊屋敷なんだよ、お前が金品奪っても、幽霊に憑かれなくて、良かったなっと……まぁ、俺は帰るわ、流石に金は払っとくからさ、御払い受けとけよ……またな……」
 なっ……何だってー!?あの家が幽霊屋敷だったなんて……マジか……?俺はそう思いながら、幼馴染みの言われた通りに御払いを受けた……

 ただ、今は、お金が無くなった……!!まぁ、一年で結構使ってしまった……犯罪者仲間と一緒に飲みに行ったりとかで結構金が……そして、また、あの家とは全く違う街の人も出入りしている場所を選んだ……但し、人が居ない合間を計ってだ。
 大丈夫……そう思いながら、ピッキングをして、中に入る……そして、金銀財宝を袋の中に入れる……ん〜……今回も簡単だった……そして、中に仏壇を見つけた……中に供えられているのは、ジジイと、ババアだった、俺はお爺ちゃんっ子でもあり、お婆ちゃんっ子だったので、手を合わせる事にした……まぁ、犯罪者に手を合わせられる気分はどうなんだろう……?それには不思議以外、何も無いな……
 何気に、饅頭が供えてあったので、指紋が付かない様に、袋を開けて食べた……久し振りに饅頭を食べて、少し嬉しかった……そして、何とか、饅頭も食べ終わり、袋は自分の家で捨てる事にして、俺は、家を出た。

 ただ、今回は金額が少なかった……200万程度だろう……その話をすると、、あた、幼馴染みの空き巣は言う。
「……うーん……そういえば、その家の近くで住職と、神主が交代交代で、何かやってるって話だが……お爺さんとお婆さんの霊がどうとかって……でも、良く、お前は幽霊に憑かれないよな……何をしたんだよ?」
 よもや、そこを聞くとは……俺は仕方無く言った……
「ただ単に、仏壇に手を合わせて、供えられた饅頭食った、それだけだよ……それがどうした?」
 ただ、幼馴染みは、笑いを堪えていた……
「たはー!お前は面白いなぁ……やっぱり、その行為は憑かれるって!アハハハハハ!!」
 ハハハ、とわらう、幼馴染みにキレる俺、好きでそう言う物件に入ってないのに……俺は仕方無く、家に入って、盗む事は止めた……もっと他に稼げる事は無いかな……?

 な……な……無くなった……俺の通帳の中身がゼロに……まさかの、家に入るより、稼ぐ物が無かった……そんな……俺は落胆しながら、外に出た……あぁ……何時の間にか、他人の家を観察していた……これは職業病とでも言うのだろうか……?いや……空き巣や犯罪事に職業もあるものか……そう思いながら、街を歩き回った……

 ただ……明日になって、俺は、また、ピッキングして、中に入る事に……今回も、出入りがある場所を選び、夫、嫁、息子、娘が出た所を選んだ……今度こそは普通であって欲しい……そう思いながら、中に入った。
 ただ、金品はしけている……少ないな……まぁ、100万円になれば良いが……そう思いながら、急いで、外に出た……

 ただ予想金額の半分……50万になった事を幼馴染に話す、すると、また、言う。
「うーん……確か、そこって、一家心中で首吊り自殺した場所でしょ?確かだけどさ……」
 ……さぁ……またハズレくじを引いたのか……そう思いながら、俺は、事故物件を引き当てる能力を手に入れてしまったのだった……ていうか、この能力凄く要らないんだけどぉ!?
 俺はその運命を仕方無く受け止め、その後もピッキングを続けた……

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