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しりとりシリーズ
作者: 彩都  (総ページ数: 51ページ)
関連タグ: しりとり 
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*28*

 『皮膚』

 皮膚といえば、真皮等も含めて、三枚有る、と言われている……だが、僕は違うのだ……何と、四枚目の皮膚があるのだ……それに対して、学会は『この少年は特殊だ』と言って、僕の体を研究素材にした……そして、研究結果は『四枚目の皮膚は確認した、これは本物だ』と……そして、僕は『特別』となったのだ……そして、話は、僕が中学生になった話だ……僕は平穏な生活を欲しがったが、四枚目の皮膚はとても頑丈で、今でもその皮を剥いで、売りに出される……おまけに四枚目を剥いだ所で、普通の肌──つまり表皮だから、痛くも痒くもないが……結構頑丈と言ったが、大人十人が引っ張っても破れないだけで、鋏や包丁とかで切れるので、防弾チョッキや鎧には向いていない……まぁ、そんな事僕には関係ないのだが……そう思いながら、僕は学校へ通う……学校でも、特殊な皮膚で有名な中学生だった、まぁ、それでも良いけどね、皆の注目さえ、取れれば、僕は爽快で心地良かったからだ……そして、僕は恋をしてしまった……二年年上の女性の先輩だ……僕はその人に近付きたいが為に、その人の所属している部活に入ったのだ……その人を見つけたのが、中学の入学説明会だった、あまりにも、僕の好みで、この中学校に入る事を特に希望した……そして、色々な人の伝でその人の所属している部活に嗅ぎつけて、僕が入部したと言う、という話だ……そして、僕が入部しないと五月の部活総合会にて、廃部だったと言う……廃部の条件は四人在籍している事……つまり、その部活は四人だったのだ……まぁ、何とか廃部を救った存在として、少しの間崇められるのだが……まぁ、救ったから良いんだけど……そして、この部活は、『世界征服部』という名前だった……僕は名前に気にせず、女性の先輩の後を追いかける為に入部したから、気にも留めなかったが……名前が名前だったのだ……だが、もう、これは後には引けない……そして仕方無く、僕はずっと居座り続けている……そして、夏……僕らは、『海のビーチを征服する!!』と言った、三年の部長(男)に着いて行った……部員はこんな感じだ……男(三年の部長)、男(二年のイケメン、だが、ホモ)、男(勿論僕)、女(二年の、二年の男の先輩が好きな純情な先輩)、女(この人が僕の片思いしている先輩だ、因みに三年の部長と幼馴染みで、良く一緒に居る)と言う様な感じだ……そして、水着に着替えた僕らが海を満喫する事に……何だって僕らが占拠したからね……そして、泳ぐのに最適な、秘境に僕らは楽しむ事に……勿論僕は、上にパーカーを羽織っている……今日は海に入れないからだ……四枚目の皮膚は『塩水に弱い』という性質を持っている為だ……そして前日に皮膚を剥がしたのだ……おまけに剥がした後は皮膚が敏感になる為、塩水なんて、刺激の強いモノには入れないからだ……そして、水着と言えば、二人の女子の先輩だ……片思い中の先輩は、白ビキニだった、程よい胸の大きさの先輩に僕は釘付けだった……そして、もう一人は下半身ビキニに、上はフリルが付いた水着だった……そして、二人の男の先輩は……ブーメランパンツだった……良くあんな小さい物を穿くなぁ……まず、僕には、普通の海パンを着用する……あんな小さい物は僕には穿けないからだ……そして、時は過ぎて行って……夕日が綺麗になっていた……僕は水平線に沈む夕日を見ながら、片思いの先輩を呼んだ……片思いの先輩はまだ、白ビキニだったが、今はそんなの関係ない……僕は先輩に言った……『スキです……付き合って下さい……』と……先輩の答えは……ノーだった……そして、先輩は泣きながら、走って消えた……こうして僕の初恋は終わったのだ……だけども、それも仕方無い……それから数日、海に居座る僕ら……その数日の間に僕と片思いだった先輩は、目を合わす度に、両方目を逸らした……溜息をしながら、部長は僕に近付いて、話を聞いてきた……僕は泣きながら片思いだった先輩の話、そして、告白の話をした……部長は、優しく相槌をする……それだけでも嬉しかった……そして、一通り話を言って、部長は言った……『アイツは……来年海外に留学するんだ……だから……お前を突き放したんだろう……俺はそうだと思うぞ、お前を悲しませない様に、あえて……な……』と言った……先輩が留学……?それは初耳だった……そんな事も隠していたなんて……僕は、急いで、女子の部屋に向かった……僕は着いていきなり、ドアを蹴破る、そして、先輩に向かって両頬を猫騙しのように叩く……先輩の頬は柔らかかったが、そんなの関係ない、先輩はキョトンと上目遣いで僕を見る……そして、僕は言い放つ……『部長から聞きました、来年、留学だそうですね、だから僕をフったんですか?』『……え……あのバカ……そうだけど……』と、部長に少し怒りながらも先輩は言った、『僕は、土地が離れるからって、別れたくありません、もっと繋がって居たい!そして、僕は貴女が帰ってくる迄待っておきます!初体験も貴女にあげます!僕の色々な初体験……キスやハグや愛を……僕に下さいよ!貴方は何に恐れているんですか!?ただ単に貴女は恐れているだけです!日本から離れると言う恐怖から!だから……貴女一人で抱え込む問題じゃない!後輩を頼ったって良いじゃないですか……』と、言って、自分でも、我に帰った……これは僕の悪い癖……言い過ぎる……これでは、悪影響だなぁ……と思いながら、返答を待つ……『私だって……君の事が好きだよ……でも、留学の話をしたら、分かれる、何て言いそうで怖くて怖くて……』と言う……『僕は貴女が離れても、スキですよ、だから、もう一度言います……付き合って下さい』そう言うと、先輩は言った、泣きながらの爽やかな笑顔で……『はいっ!』と言った……そして、僕と先輩は仲良くなった……そして、時は過ぎて、空港……僕は先輩を見送った……見送る前に先輩はプレゼントを僕にくれた……僕のおでこにキスをしたのだ……『唇は卒業して帰国後ね』と、そう言って離れる……僕は、先輩を引き止めて、逆に手の甲にキスをした……『僕も色々なテクニックを習得してきます、驚かないで下さいね』と言った……先輩も僕も笑った、僕はそして見送った……

 ただ、僕の皮膚は四枚目もある特殊な人間……特殊な人間は普通と結婚して、普通の子が出来るのか……?そんな事を思いながら、四枚目を剥いでいった……少しはお金を貯めないと……そう思いながら、僕は剥いでいく……僕は帰国を待つのみ……夕日はあの時告白した時の様に綺麗だった……

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