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しりとりシリーズ
作者: 彩都  (総ページ数: 51ページ)
関連タグ: しりとり 
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*29*

 『不可能へ』

 我らは研究者、何の研究をしているのかと言うと、『タイムマシン』で、『時を越える』と言う事だ……さて、『タイムマシン』の大まかな説明をしよう、まず、『タイムマシン』は『時間を渡る』事が出来る、夢の機械だ……そして、私達はそれを完成させる為に日々努力しているのだ……そして、幾らかの困難(大まかに言えば、時間を移動する為の時空検索、マッハにも耐えられる様な部屋の構成と物質生成、位置を正確に移動出来るGPS等を『タイムマシン』内に入れたりとかをしたりした)を乗り越えながらも、大きな困難も無かったかの様に思えた……だが、その大きな困難が目の前に現れたのだ……それは、『肉体年齢及び生の時間』だ、結構難しい話に思えるが、大まかに言えば、簡単な話なのだ、つまり、Aと言う人物が、Bの世界の過去に移動して、五年間Bの世界の過去に住んだとする……そして、元のAが住んでいた世界に戻ったとする……さて、Aが80歳で死ぬとして、Aの住んでいた世界では何年生きる事になるか?Aの世界では、75歳で死ぬ事になるだろう?だから、この過去に行った時間の年齢経過を無視しなければ、無限にタイムトラベルする事は出来ないのだ、だから、この時間経過の無視が大変なのである……それを考えながら、私はコーヒーを飲んだ……やはり、頭をスッキリさせるには、コーヒーを飲んだ方がいいな……そう思いながら、コーヒーを一気飲みする……そして、もう一杯お代わりをした……そして、資料に目を通した……だが、良い方法等思い付かない……如何にして人間の肉体を維持出来るか……?
 完全に煮詰まっているな……そう思いながら、後輩と話す事にした……

「大量に時間の要る作業ですねぇ……先輩は凄いですよ、僕らの大学のテストの点数満点で卒業したし……ま、俺みたいな凡人は、先輩の足元のも及びませんがねぇ……」
「えっ?でも、お前は英語以外の教科では、満点を取っていたし、私とほぼ同レベルだろうが、私と同じ位天才はお前以外無いよ……まぁ、英語は本当にダメだな、0点だし……ていうかm何で0点が取れるんだ?私には、予習復習してたら、満点に近い点数は取れるだろう?何故取れないんだか……」
 完全に呆れながら、言う私に後輩は反論した。
「単純に言わないで下さいよ!英語は無いんですよ!日本人ですよ!?私は!普通日本人は日本語だけ覚えていたら良いんです!英語は他の人が覚えたら良いんです!だから、私は英語が苦手なんです!」
「素晴らしい反論と受け取りたいが、私も言おう……英語の文法や綴りが苦手なだけだろ?だったら、反論は早いな、もっと勉強しろ、それが私の反論になるのかな?」
「なっ……確かに苦手ですけど……ですが、難しいでしょう!?あんなの、寝る為の授業じゃないですかぁ!」
 あぁ……後輩は少し泣き始めた……慣れたら、英語は簡単だと言うのに……そう思いながら、カフェオレを飲み、タバコを吸う……そしえt、後輩は言った。
「ただ、苦手なんですけどねぇ……そういえば、先輩、『タイムマシン』の計画はどれだけ進んでるんですか?後は、時間経過だけですか?」
「完全にそれだけなんだよ……後は『タイムマシン』の道具かな……?未知の金属とかを使って、作ったりしなければならないし……その時間経過だけ、終わらせたら、私の仕事はほぼ終わりかな?私は設計の方ではなく、理論系だからな」
「成程、結構進んでるんですね……それは少し安心しましたね……早く私も乗って、英語のテストを私が代わりに受けたいですね……」
「願ったり叶ったりかもしれないが、そんな事したら、永久に過去の世界で生きてもらうぞ?」
「存外、怖い言い方ですね、する訳無いじゃないですか、先輩が死んだ後にしますから、安心して下さい」
「いや、一個も安心出来ない!?いやいやいやいや!一つも安心出来ないよ!私が死ぬにしても、何年先か分からないだろうが!」
「頑張って、過去に戻って、先輩を殺したら、これで、私はWIN−WINになります」
「凄く私に傍迷惑だな!何でだ!?ていうか、そう言う英語は覚えなくてもいいだろ!使い所が限られるから!」
「ラッキーですね、こんな昔の先輩のツッコミを見るのは久し振りです、やはり、とても面白いです先輩」
「今の今迄お前がボケたからだろ!仕方無いから、私がツッコミ役になったんだろ!だったら、ボケるな!」
「なっ!?何て事を言う!?私が居ないと、誰がボケる!?」
「ルールに無いから、ボケるな!」
 等等……後輩とは面白可笑しくボケたら、ツッコむという事を幾らかして、後輩とは別れた……まぁ、面白かったので良いが……

 俄然、作業にやる気が出てきた……ここはこうか……?いや、此処はこうと言う可能性も……この研究にケリを付ける事は出来るのだろうか……それはまだまだ分からない……だが、一つだけ言える事がある……諦めなければ最後があるのだから……そう思いながら、私は研究に没頭した……そして、私は机に向かって、考えていった……『タイムマシン』の完成はまだまだだ……私は完成する日を待って、作業に挑んだ……

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