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しりとりシリーズ
作者: 彩都  (総ページ数: 51ページ)
関連タグ: しりとり 
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 『放火魔』

 俺は放火魔だ……色々な家に新聞紙等を丸めた物に、石油等を掛け(サラダ油等、普通の市販用油でも良いが、基本は石油が好ましい)、それをライター等で、燃やし、家のトイレの近くに投げる……まぁ、家のトイレ程、バレにくい場所は無い……そして、投げて、普通に歩く……無闇に走ったりしないものだ……走ったら走ったで、バレやすいからだ。
 だからと言って、走らない訳にはいかない……つまり、ジョギングする格好で放火魔になれば良いのだ……それなら、走っても、『ジョギングですが?』と言えば、バレない。
 いやだから、と言って、新聞紙、油等を持っていてはいけない……そういう物は放火した後、すぐさまポイ捨てだ、そうでもしないとバレてしまうからだ、そして、こんな解説をしている間に、いい家を見つけた……コレは豪華そうだ……まぁ、俺にとっては普通に燃やせそうな家だが……俺は、物陰に隠れて、油を浸した新聞にライターでも燃やす……因みにライターはタバコを吸える様に置いといてもいい……但し、タバコ、そして、吸殻を入れた袋を持っていなければならないが……まぁ、そこはどうでもいいとして……キラキラと燃えている新聞紙を持って、家の塀を登る……うーん……良い所は……無いなぁ……もう少し移動しよう……そして、移動して良い場所を見つけた……木だ……これを燃やせば良いだろう……そう思いながら、燃えている新聞紙を木に投げる……すると、一気に燃えた……しめしめ……いい気味だぜ……そう思いながら、俺はその場を離れた……

 ただ、その家は誰も居なくて、全焼したらしい……と、新聞で読んでほくそ笑む……こんなに楽しい事は無いなぁ……そう思いながら、他の場所を探そうと、散歩をした……まぁ、この街は何処でも燃やせそうだ……そう思いながら、闊歩する……誰も俺を見ないからいいが……そう思って、路地裏等へ向かう……ここは一気に燃やせそうだ……江戸の大火事並みになりそうだな……そう思いながら、火を用意する……そして、油を浸した新聞紙を燃やす……そして、その燃えた新聞紙を家の戸を開けて、投げ込んだ……そして、家が一気に燃えた……

 大量に燃えて、本当に『江戸の大火事再来かっ!?』等と言う記事が書かれたりもした……まぁ、俺には関係無い話だが……いや、最も関係ある話なんだがな……そう思いながら、コーヒーを啜る……まぁ、放火の快感は覚えても、コーヒーの美味さは何にも言えないなぁ……そう感じながら、トーストを食べた……

 単純に今日は外へ出ようとしたが、何だか知らないが、台風が来ていて、寒い……でも、今日はコーヒーが切れたので、買いに行かなければならない……面倒臭いが、行かなければならない……面倒臭い面倒臭い……そう、心の中で呟きながら、スーパーへ向かった……そして、徳用コーヒー(1kg、500円)を買って、家に帰った……そして、家でまた、コーヒーを飲んだ……今日位は放火を置いていても良いんじゃないかな……?そう思いながら、コーヒーを啜った……

 太陽が照っているから、今日は放火しない、態々暑い時に放火しなくてもいいよね?俺はそう思う、ていうか、こんな暑い時には放火するバカなんて居るのだろうか……すると、目の前に新聞紙を持って、ライターを点けている昭和風の泥棒の格好をした人間がこちらを見ていた……あれは……放火魔!?いやいや!こんな暑い中ですんなよ!全く……俺が放火犯に直に教えたいぜ……放火の極意を……って教えたら、俺が逆に逮捕されるわ!……どうしようか……捕まえるか……でも、捕まえた所で、何か賞貰って、それで俺が放火犯として逮捕されたら、何か恥ずかしいじゃん!ダメじゃん!いやー!何これ!これが矛盾!?これが矛盾か!いやぁ……対応出来ねぇ……すると、その男は逃げた……いや!追いかけないと!そう思いながら、俺は追いかけた……だが、放火犯はデブで鈍間(のろま)だった為、何とか、捕まえる事が出来た……だけど……何で放火なんてしたんだろう……俺はそれを聞いた……すると、その男は言った……放火をするのが、楽しいと……因みに俺は物が燃える姿が綺麗だから、放火をしているだけで、別に逮捕されても良いけど……まだ、放火している家が見たいんだよなぁ……あれに勝てる炎は無いと思う……って話は逸れたが、俺は怒った、そして、叱ったりもした……そして、何とか更生する様になって、警察に自首したらしい……

 今更ながら俺は何をしているんだろう……?ていうか、何放火犯が放火犯に説教してんだか……そう思いながら、俺は暑い外を歩いた……すると、雪が降った……こんな真夏に雪かぁ……季節も壊れているなぁ……と思いながら、俺は、家に帰って、新聞紙とライター、油を持って外へ出る……こんなに寒くなるなら、家を燃やして、キャンプファイヤーだ……そう思いながら、俺は外に出た……さて、今日はどの家を燃やそうか……?

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