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しりとりシリーズ
作者: 彩都  (総ページ数: 51ページ)
関連タグ: しりとり 
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*33*

 『皆、無』

 ……此処は何処だ……僕は目覚めると、真っ暗闇の世界に居た……すると、何処かから、声が聞こえる……『……だ……っちだ……こっちだ……少年よ……』と聞こえる……僕は声のする方へ歩いていく……だけれども、全然届かない……すると、痺れを切らしたか、分からないが、相手の声が近付いていく……そして、僕の目の前に神々しい胡坐をかいた女の人──おまけに巨乳で、金髪……そして、スタイルも良いが、胡坐の所為で品が無い様に見える……こんな思った事は言えないなぁ……とか思っていた──すると、突然神々しい女性が言った……
「……魂消(たまげ)た言い方だ……おまけに巨乳で、金髪……そして、スタイルも良いが、胡坐の所為で品が無い様に見える……こんな思った事は言えないなぁ……ってめぇ……私になんて言い草だ……本当ならば、お前を殺してる所だったが……お前が死ねば、世界は終わる……まぁ、お前をこの世界に呼んだ理由はただ一つなんだ……」
 大丈夫かなぁ……この人……と、思いながら、話を聞いた。
「大量殺人鬼として、地獄に逝かせたいぜ……まぁ、私は、神様、お前らで言う、ゼウスでいいわ……そして、最近、私は人間になりつつある……それは何故だと思う?」
「うーん……?それは知りません、だから教えて下さい」
「いやいやいやいや……何で、そこだけ素直なんだよ……まぁ、良いけどさ……因みに此処は天国に近い場所……という認識で良い、そして、お前は死んだ」
「……大丈夫じゃない!僕が死んだ!?何で!?生き返らせて下さいよ!僕はまだ生きたいです!だから死者蘇生して!」
「……ていうか、死者蘇生はさせるから、私の願いを叶えろって話なんだが……まぁ、良い……貴様に言う、現世、つまり、お前が生きている世界で、私の評判を良くしろ!そして、ある程度溜まったら、お前を完全に復活させる!猶予は100日間!その間に私の評判を良くしろ!いいな!?」
「なっ……!?何だってぇぇぇぇぇ!!!!!?????自分がアンタの評判を上げるぅぅぅ!?どうやって!?」
「適当で良いんだよ、『ゼウスって優しいよね』、とかさ……まぁ、頑張れ」
「劣等感でしか生きていない僕にそれは酷な気がするなぁ……」
 諦めながらそう言うと、下に引き込まれる感覚が……僕はその感覚に抗えなかった……そして、僕は布団の中で目覚める……此処は……病院か……そう思いながら、立ち上がる……腹部に激痛が走る……何でか、と思ったが、答えは簡単だった、腹部に包帯が巻かれていた……そして、左斜め上から右斜め下に迄、謎の膨らみ──多分ガーゼだろう──があった……多分、僕はここの部分を切られて、気絶か、失神か知らないけど、出血多量で救急車に乗って、治療を受けた後、此処の病室で死んだんだろう……だけど、ゼウス様……かな?その人が……いや、その神が、僕の寿命を100日間延ばして、僕に頼み事をした……そして、その頼み事が『ゼウス様の評判を上げる』事……ていうか、神の評判が下がる事で人間に近付くのか……ふむふむ……と思っていると、すぐ、耳の隣から声が聞こえた。
「単純に飲み込みがはえぇじゃねぇか……感心だ」
 誰っ!?と思ったら、宙に浮いているゼウス様だった……上半身ビキニの下半身デニムの、ゼウス様が居た……えっ……?どうして……?
「ていうか、単純だ、お前を監視する為だよ……もしも、ある事無い事言ったら、すぐ消去してやる、分かったか?」
「完全に逃げれないですねぇ……そして、もう一つ目的がありますねぇ……」
「えぇー……私の依頼より大事な事?それって何だ?」
「だから、僕が此処に居る理由です……僕は誰に攻撃されて、死んだんでしょう……?それを探さないと……」
 と、言った瞬間、ゼウス様は笑って、僕に向かって言った。
「ただの怪我だったか……もう少し和らげておけば良かった……」
「……た……逮捕されなかったのか……そして……僕を殺したのって……まさかね……ゼウス様……?」
「丸丸〜♪正解だ」
「……誰かと思えば、貴様か!僕はアンタの手の平の上で転がされてただけか!?」
「完全にそうだなぁ……正解だ」
 大丈夫か、この人!?僕を殺した挙句……自分の用事を押し付けやがって……僕は、もうダメかもしれない……

 一日目 退院&情報収集

「う〜ん……どうやって行動するか……?」
 完全に腹部の傷をゼウス様に治してもらって、退院する事が出来た……ま、情報収集といえば、図書館かな……?そう思いながら、僕は自転車で街の図書館へ行った……

「……大量過ぎる……何で、こんなに聖書や神様関連の本があるんだ……?」
 ダるい……ダルい……そう思いながら、一冊でも、多くの情報を手に入れる為に読んでいく……そして、数時間で、一冊を読みきった……さて、こんなに情報は少ないが、良い情報は入った……だけど、悪い情報が多々……さて、どうするか……時間は少ない……すると、スーツ姿の男性が、僕に向かって、仕込み刀で攻撃してきた、僕は、後ろからゼウス様に引っ張ってもらい、何とか助かる……あれは誰だ……?
「誰って……ベルゼブブ……別名『蠅の王』……まさか、私の計画を邪魔する為に……!」
「ニコニコしてしまいますよ……貴方みたいな少年が、流布だなぁんて……それを止めさせて頂きます……」
 素早い、刀捌きで、僕の体は……!?……ん……?此処は……?病院……何で僕はまた寝ているんだ……?すると、神様が言った……
「単純だ……五日使用する代わりに、時間を巻き戻す……『その時は無い(タイムパラドックス)』を使わせて貰った……つまり、この力は未来を有る程度分かる……だから、退院しても、その図書館は使えない……残ってるのは、九十四日……」
「畜生……記憶はあっても、時間が無くなっていく……この能力はあまり使えないな……それなら急ごう!早くゼウスの評判を上げる為に!」
 ニッ、と笑いながら、僕は病室から出る……僕は何とか、九十五日後も、生きる事は出来るだろうか……?それは誰にも……いや、ゼウス様以外知らないだろう……

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