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【完結】「秘密」〜奔走注意報!となりの生徒会!〜
作者: すずの  (総ページ数: 39ページ)
関連タグ: 推理 恋愛 生徒会 
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10~ 20~ 30~

*4*

 惣志郎に関する私の最近の悩みの種と言えば、彼がモテはじめ、私のところに様々な女子が恋の相談を持ちかけて来ることである。理由は、一番彼のことをよく知っていそうだから、だそうだ。まあ、確かにクラスは違えど、出身中学校と所属部活動は一緒だし、そのおかげでなぜか私まで、事件の功労者として表彰されるし、よくよく考えてみれば、何かと接点が多いことに気付く。最初は、同じ中学出身だったなんて、知らなかった私だったが、彼の事件に対する異常なまでの興味、そしてそれを絶対に解決へと導く力に興味を持ち、今では何故か探偵助手のような体をなしている。
 しかし、私としては迷惑でしかなく、どうにかしてほしいものだと頭を悩ませている。彼に早く告白すればいいじゃない、と雑に投げてしまいたいところだが、恋多き乙女たちにそんなひどいことを言える勇気を持ち合わせているはずもなく、かといって、「惣志郎は、こういうことをすれば喜ぶ」と、うっかり情報を渡してしまうと「実は猫又くんと付き合ってるの!?」と誤解されかねない。本当に困ったものだ。
 ちなみに私達の下にもう一人、生徒会には役職がある。
 第一学年、生徒会雑務 新島紗綾香。
 どうしてこうも生徒会の人間はひと癖もふた癖もある人物ばかりなのか、ため息をつきたくなる。紗綾香ちゃんは、惣志郎と同じ、好奇心が強く事件には首を突っ込みたがり。故に、将来がとても不安である。まるで彼女の親にでもなったみたいだ、とんでもない事件に巻き込まれないか心配。
 私なんて、自然と事件が寄って来てしまう吸引体質だから、自分の思いとは裏腹に、確実に裏目に出てしまう。
 神様が、私に「逃げられないんだよ、事件からは」と迫ってくるのが夢に出てきそうである。
 そんな事件吸引体質を紗綾香ちゃんには受け継いで欲しくない。

 さて、少しお喋りが過ぎたようである。
 私達生徒会のお話はこれでお終い。あれ? 私、来部愛華の自己紹介は? って? まあ、中学柔道の全国大会経験者であり、高校生活は運動とは一切関係のなく華やかに送ろうと意気込んでいる「普通の」女子高生と思っていれば大丈夫である。
 まあ、他にも重要な人物として園芸部長の河岸竜という奴もいるが、そいつはまた登場した時でいいだろう。どうやら、前作は彼が出てこなかった分、今作は気合いたっぷりらしい。
 それでは話を進める事にしよう。

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