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*15*
「会話イベント リンク、鮑三娘」
「ねえねえリンク、どこ行くの?」
リンクの廻りを鮑三娘がちょこまかしていた。
「言っただろう、氷界軍を倒すために旅をしていると」
「そうだったね、ちょっとはしゃぎすぎちゃった」
「そんなに旅が嬉しいのか?」
「うん、あたし、あの森でずっと一人ぼっちだったから。仲良く話し合える人もいなくてね、誰かと一緒に冒険できるのが夢だったってゆーか、今そうなのよね」
「そうなのか・・・」
「そうそう、あれれ、リンク、これなーに?」
鮑三娘がリンクの弓をひょいと取った。
「おい、それは俺の弓」
「弓、そう言えばあたしの元にいた世界でもあったっけ?ねえねえ、使ってもいい」
「弓の使い方を知ってるのか?」
「あったりまえだし、こう見えても武器の扱い方は知ってるのよ」
数分後、
「はあ・・・」
「あれれ、こんなはずじゃなかったけどなあ・・・?」
色んな所で矢が散乱していた。鮑三娘のやり方があまりに下手過ぎて四方八方に矢を飛ばしてしまったのだ。
「うーん、あたしって下手くそなのかな?」
「そう言うレベルじゃないぞ、見てろ」
リンクが弓を取って空に向かって矢を飛ばした。空には二人を狙ったボーマンダがいて矢傷を受けて逃げていった。
「こうするんだ」
「うわあ〜、リンク凄い〜」
鮑三娘は目をキラキラさせてときめいた。
「リンク凄い、とっても凄い。それ見てたらあたし、もう少しは上手になりたいな、だから・・・」
「何だ?」
「弓の勉強、させてくれないかな?」
「いいぞ」
「わーい、ありがとう」
そして、弓の稽古、
「う、うーん・・・」
「そう持つんじゃないだろ。右手は顎の下、左腕は背中と矢とを平行にしてだ、右側をサイトにする。後は精神を高めて一点に集中して放つんだ」
鮑三娘は言われた通りにして矢をリンクが用意した的に当てた。見事真ん中に命中した。
「わあ、やった、初めてなのに上手に出来ちゃった!」
「やるな、初めてにしては上出来だ」
「ありがとう、リンク。リンクと一緒だと楽しいことが一杯ありそうだね」
鮑三娘が太陽のような笑顔をした。
「あ、ああ、お前がまた頼むなら俺はいつでも・・・」
「あれー、もしかしてあたしの可愛さに照れちゃった?」
「な、お前は何言って・・・!」
「冗談、あれ、リンク、向こうで誰かが戦ってる!」
「何、もしや氷界軍が、行くぞ!」
「うん、リンク!」