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作者: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 70ページ)
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*67*
月面。
宇宙の果てから次々と地球に向かって迫り来るベガ星連合軍。
数多くの円盤が地球に飛来し、地球を破壊しようと攻撃を開始していた。
その攻撃を阻止すべく、甲児達はベガ星連合軍を迎え撃つ。
たくっちスノー「あのどでかいのが親玉か?」
大介「あれは……キング・オブ・ベガ、間違いない、ベガ大王があの中に乗っている……」
甲児「あの親玉をぶっ潰せば!」
鉄也「……いや待て、少し様子がおかしいぞ」
ベガ星人が乗る巨大な戦艦のような機体が月面へ迫っていくが、どうにも動きが不規則になっていく。
たくっちスノー「ペーパードライバーの運転みたいな動きしてんな」
大介「なんのつもりだ……?」
逸早く異変に気付いたのは隼人だった。
隼人「下がれ!!爆発するぞ!!」
甲児「爆発!?一体どういうことだよ!」
隼人「説明は後だ!急いで月の裏まで回れ!あの数だ、巻き込まれるぞ!」
甲児達が慌てて後退していく中、突然、戦艦型の機体の腹部から大きな火柱が上がった。
そして同時に、戦艦型と周囲の敵メカが一斉に爆発を起こす。
それはまるで連鎖するように次々に起きていき、敵の軍団を巻き込んでいった。
竜馬「うおおおっ!!」
……
たくっちスノー「な……なんだ!?自爆!?なんで!?」
大介「まさか、今のは囮…!?だが確かにレーダーはベガ星人の反応が…」
竜馬「その話はいい……あの異星人共の大規模な連鎖爆発のせいでさらに月の大部分が吹っ飛んだ、このまま重力圏に入れば残骸がスペースデブリとして落下する」
鉄也「イチナナ式やゲッターD2があちこちに配備している以上、被害はある程度抑えられるが……やってくれたな」
大介「だが、誰がこんなことを……」
鉄也「もう可能性はひとつだけだ……」
「なんだ、くたばってなかったのか」
鉄也「ヘルマジン!」
突如現れたヘルマジンは、余裕綽々といった様子でその場に立っていた。
ヘルマジンの周囲に散らばる残骸を見回し、彼は笑みを浮かべる。
ヘルマジン「まあいいさ、俺がここでお前らをまとめて始末すれば問題はない……」
鉄也「貴様…あのベガ星雲の艦隊は
ヘルマジン「俺が自爆装置を取り付けて全部爆発させた!そうとも知らないベガ大王とその他大勢は宇宙の藻屑……」
甲児「お前は何なんだ!ベガ星の味方じゃなかったのか!」
ヘルマジン「味方?いや違う、なんであんな宇宙人と、俺が?」
たくっちスノー「ならなんで協力して………」
ヘルマジン「単純だ、ベガ星雲の数多の惑星と地球、両方とも木っ端微塵に吹っ飛ぶところが見たかったから」
ヘルマジン「だから両方が共倒れするように、でっかい爆発を用意したんだが………生き延びちまったか」
たくっちスノー「こいつ……ふざけた人工知能してやがる……」
大介「意図が見えてこない………目的はなんだ!」
ヘルマジン「目的?そうか、目的か……」
ヘルマジン「そんなものない、ベガ星雲も地球も消えろと思ったから消した」
ヘルマジン「使い手によって神にも悪魔にもなれるマジンガー……俺はグレートマジンガーとして人工知能にインプットされて、思った」
ヘルマジン「どうして神様が人を助ける側にならなくちゃならない?」
ヘルマジン「俺は全てにとっての恐怖………『悪魔の神』になるんだよ!!」
たくっちスノー「こいつは何を言ってるんだ?」
鉄也「狂ってるな…こんな奴を野放しにはできない!」
甲児「行くぞみんな!あいつを止める!」
大介「ああ、これ以上好き勝手にさせるわけにはいかない!」
鉄也「各機発進!一気に片付けるぞ!」
たくっちスノー「了解!」
ヘルマジン「言っておくが俺のこの体は既に量産型グレートマジンガー以上だが?」
鉄也「サンダーブレークッ!!」
ヘルマジン「出たな…グレートマジンガーの十八番、ならこっちは……」
ヘルマジン「カタストロフボルト!!」
ヘルマジンの肩から電撃が放たれ、サンダーブレークを相殺する。
鉄也(押し負けるか……なら)
ヘルマジンはそのまま腕を振り上げ、鉄也目掛けて振り下ろす。
ヘルマジン「こっちも見たいだろ……?ギロチンナックル!!」
鉄也「くっ!!」
鉄也は咄嵯に飛び退き、なんとかそれをかわす。
甲児「ならこのマジンカイザーの性能ならどうだ!!くらえっ!!光子力ビーム!!」
ヘルマジン「そう来るなら……反光子力ビーム!!」
甲児「出力が同じ!?それに反光子力だと!?」
ヘルマジン「俺は悪魔の神となり、全てに恐れられて全てを滅ぼす存在!」
ヘルマジン「その為にまずは神と言われる貴様からだ!マジンカイザー!!」
竜馬「させるかよ!」
たくっちスノー「ゲッタートマホークッ!」
ヘルマジン「………」
ヘルマジンは左手でトマホークを掴み取ると、そのまま握り潰してしまった。
竜馬「パワーは互角……いや、それ以上か!」
鉄也(奴の弱点は……?)
たくっちスノー「ベガ星雲ってのはあんなのまで作れるのか?」
大介「いや……ベガ星には僕らフリード星人の超科学を手にしているが、その技術力を遥かに超えている…」
ヘルマジン「当然だ、俺の全ては宇宙の範疇を超えた圧倒的な技術で作られている」
ヘルマジン「待っていろ、お前達を破壊した暁には10秒で地球を木っ端微塵にする、その次はフリード星、ルビー星……地球の銀河系とベガ星雲の全ての惑星を粉微塵に変えてやる」
たくっちスノー「くっそ……こいつ本当に手強いぞ!」
甲児「………こうなったらアレを使う!」
竜馬「!」
たくっちスノー「アレか!」
鉄也「全員避難しろ!巻き込まれるぞ!」
甲児「うおおおおおおお!!!」
ヘルマジン「ん?」
甲児はマジンカイザーの胸部を開き、そこから赤い光が溢れ出す。
それはまるで太陽の輝きのように煌々と燃え上がり、やがて全身へと広がっていった。
そしてマジンガーの身体は光に包まれ、次第に巨大化して変形していく。
甲児「輝くゼウスの名のもとに!!全てを原子に打ち砕け!!」
竜馬「こいつは……」
たくっちスノー「ああ、甲児はマジンカイザーにある程度改造を施してアレを継承させたのさ」
ヘルマジン「ああ……?」
大介「なんだあれは……」
大介「巨大な右腕……!?」
甲児「ビィィッグバァァァン!!!パァァァンチ!!!」
巨大なロケットパンチその物に変形したマジンカイザーが、右腕を飛ばす。
凄まじいスピードで飛ぶ拳が、ヘルマジンへ迫る。
しかしヘルマジンは余裕の表情を浮かべながらそれをかわし、そのまま右手で受け止めた。
ヘルマジンの眼前に迫ったマジンカイザーの右腕が爆発を起こすが、それでも動かない。
大介「止まった……!!」
甲児「いいや!!ここまで想定内だよ!」
ヘルマジン「ッ!!」
甲児「ここまで接近したならもう回避不可能だ!!」
マジンカイザーは再び即座に元の姿に変形し、ヘルマジンのボディを掴みかかる。
甲児「マジンパワー解放!!光子力エネルギーフルチャージ!!」
甲児「ヘルマジンッ!!お前が悪魔の神と言うならば!!マジンカイザーは神を超えて悪魔を滅ぼす!!」
甲児「俺は悪魔の神を倒す者、兜甲児だ!!」
甲児「くらえっ!!カイザーノヴァッ!!!」
マジンカイザーは掴みかかったまま、さらに両腕を伸ばす。
両肩から伸びた腕がヘルマジンを挟み込み、締め上げる。
ヘルマジンの体が軋む音が響く中、マジンカイザーはさらに力を入れていく。
ヘルマジン「ぐっ……お……おお……!!」
甲児「このままバラバラにしてやる ぜ!!」
たくっちスノー「おおっ!やるなあ!」
ヘルマジン「俺は悪魔の神ヘルマジンだ……」
ヘルマジン「こんなところで……」
だが、更に背後から大量のロケットパンチが飛んでくる!!
甲児「マジンガーZERO!」
ZERO『マジンガーと兜甲児がこんな紛い物に敗北するということは……』
ZERO『あってはならんのだ!!』
ヘルマジン「グウウウウウ」
甲児「やるぞZERO!!全力だ!!」
【カイザーノヴァ+ロケットパンチ百連発!!!】
…………
大介「反応が消えた………吹き飛んだのか?」
たくっちスノー「多分、な………ま、なにはともあれ」
たくっちスノー「これで宇宙からの脅威は何とか全部去った……と思いたいな」
こうして、ベガ星雲との戦いは終わりを告げ……
……………
甲児「本当に行っちゃうのか、大介」
大介「ああ、結果はどうあれベガ大王はいなくなった……一度星から逃げた僕が責任を持ってフリード星を再興しなくてはならない」
大介「こっちの父さんにも話はつけてきた、君にも色々と世話になったよ」
甲児「また暇が出来たら地球にも遊びに来いよ」
大介「ああ、僕にとってこの地球はもう1つの故郷になった、宇門大介として少しでも生きられたことを誇りに思うよ」
大介はグレンダイザーに乗り、1人フリード星へ旅立っていった………
甲児「いやー……結果的にメカザウルスや恐竜帝国も絶滅したし、ようやく平和になれた!」
甲児「これでやっと光子力の研究に戻れる……」
鉄也「…………」
甲児「どうしたんだ、鉄也さん」
鉄也「ヘルマジン……量産型グレートマジンガーから生まれ、悪魔の神と名乗り始めた未知のマジンガー」
甲児「そういえば、あいつは何なのか結局分からないままだったな」
鉄也「いや……」
鉄也「あれで終わったようには思えない…」
鉄也は、ヘルマジンの消えていった空を見つめていた。
鉄也(奴は一体何だったのか?どうして生まれたのか?)
鉄也(この戦いは……まだ終わっていないのかもしれない)
………
竜馬「たくっちスノーはどうした?」
隼人「あいつはもういない、最近は1人で放浪して飛び回っているそうだからな」
隼人「………」
竜馬「お前も分かるか」
隼人「ああ…この戦いが終わったようには思えない」
隼人「ネオドラゴンもマジンガーZEROもあれから姿を見せていない、あの二大がまだ警戒するということは何かがある」
竜馬「それで今になっても開発、開発か……今度はなんだ?」
隼人「ゲッターアーク、前にゲッターエビルがお前のクローンを乗せて動かしたと言われるモノだ」
隼人「だが、断言すると俺に扱えるものではない、あるいはお前すらもな」
竜馬「そんなもの誰を乗せることを想定しているんだ」
隼人「さあな、後から産まれてくる申し子か、あるいは……」
隼人「何にせよ、ゲッターの進化の果ては俺達の想像や思考を遥かに凌駕している、だが……俺はそれを見届けてみたいと思っている」
竜馬「……」
隼人「ゲッターの行く末を…いや、違うな……」
隼人「これはただの興味本位だ」
隼人「俺達は……いや、俺はゲッターと共にどこまで行けるのか見てみたい、そして追いつく」
竜馬「隼人、この世界のことは任せる」
竜馬「俺は一度、たくっちスノーの居た組織に居座る事にする」
竜馬「ヘルマジンがあの程度でくたばるとは思えない、そいつを調べるならあいつの関係者と接近する方が都合がいい」
隼人「この世界もだいぶ発展した、お前が居なくても多少は持ち堪えられる」
隼人「行ってこい、竜馬」
竜馬「ああ」
…………
たくっちスノー(ヘルマジンは……間違いなくアレを使って作られている、でなけりゃあんな知能は得られない)
たくっちスノー(まだだ、もっと、もっと仲間が必要だ………この時空には、敵が多すぎる……)
【マジンガーVSゲッター】
完全にEND