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*4*
【プロローグ】
………
逃走中が始まる数時間前、クロノス社の逃走中会議室にて………
月村
「では、逃走中を再開となります」
たくっちスノー
「いえーーい!!」
月村
「今回の逃走中を行うまでに数多くのシステムの見直しや改善策を見てきました。」
月村
「制限時間の変更、新システムの採用や新たな舞台や企業の交渉、優秀な人員……」
月村
「そして何より………」
月村
「何故かいつも逃走中と同じ舞台で起きる事件」
たくっちスノー
「…………」
月村
「いえ、逃走中と同タイミングで事件が起きること自体は今に始まったことではありませんが………時空に出てからは逃走中その物を揺るがすような事も起こりましたからね。」
月村
「流石にこれは我々としても見過ごせません」
たくっちスノー
「そこで新しく設立したのが逃走中を守るための逃走者を兼ねた『逃走中防衛担当』ってわけですね!」
月村
「たくっちスノーには逃走中の監視を続けながら護衛担当をしてもらいます」
たくっちスノー
「了解!俺の力の見せどころですね!」
月村
「それと……貴方だけに任せる訳にもいかないので今回から逃走中を行うに当たって貴方に部下をつけます、勿論部下たちも逃走者として参加してもらうことに」
たくっちスノー
「へー……俺も遂に新人教育する時代とはね………」
月村
「入ってください」
月村が声をかけると……
「いええええええええい!!」
ピンク髪の女の子が勢いよくテンション高めに飛び出してきた
たくっちスノー
「うおっ!?」
「おい!!」
げ
ん
こ
つ
後ろから青い髪の青年がピンク髪を捕まえて、割と強めの拳を頭にぶつける。
「なんでお前はいつも広いところに来ると走りたがるんだ!!」
「だって走るところでしょここ?」
「走るのはもう少し後!……はっ!」
………
「す、すみません……ウチのコレが……」
たくっちスノー
「おもしれーじゃん、なかなか元気あるし」
「どうも!」
「コラ!」
月村
「………では改めて、自己紹介を」
「はい、派遣社員としてこのクロノス社、並びに逃走中のサポートをさせていただきます……ビトウ・アサルです」
たくっちスノー
「は……派遣社員!?それをいきなり実戦投入ですか!?」
月村
「彼はプログラミング技術が高く、運動神経もあるので万能にこなせると判断しましたが………ひとまずはこういう形で。」
たくっちスノー
「で?その隣のおもしれー女は?」
「オモシレーオンナです」
アサル
「………ヨツバ・カノコ、なんというか………その、えっと」
アサル
「僕の妹です」
たくっちスノー
「まあいいか、よろしく」
カノコ
「カノはいつでも走れるけど、これからどうするのかな?」
たくっちスノー
「あー……数時間後に予定とか計画を話すからちょっと待ってて」
たくっちスノー
「いいか?2人とも……俺たちの目的は逃走中を守ること、物騒な世間に立ち向かってこのゲームを安全に遂行することだ!」
アサル
「了解、それで僕は何をすれば?」
たくっちスノー
「プログラミングが出来るんだよな?システム面で問題でもあれば報告と、出来るなら手直し頼む」
アサル
「分かりました」
カノコ
「カノは?」
たくっちスノー
「走っとけ!」
カノコ
「りょ!」
月村
(………実は【あと一人】頼んでおきましたが)
月村
(彼の頼みもありますし、まだ黙っておきましょう)
…………
アサル
(僕の名前はビトウ・アサル)
アサル
(あの月にあるという大手企業、『クロノス社』に派遣した。)
アサル
(カノについて問題はあるが、逃走中を守るため……そして安定した地位とそれなりのお金の為、1日頑張る……)
アサル
(と、僕はこうして一般的なサラリーマンを演じる)
アサル
(これは表向きの姿、僕の目的は………)
アサル
(このクロノス社で研究されているハンターを初めとしたアンドロイドデータ、及び……マガイモノ成分の研究資料を手に入れること)
アサル
(そう……僕は本当は派遣社員ではない、技術を盗むために依頼された【企業スパイ】だ。)
アサル
(カノも実際は妹でもなんでもない、僕と同じ企業スパイの……仲間と言うのもあれだが、そういう物だ。)
アサル
(僕は月村サトシや、あのたくっちスノーという上司を欺きながら……目的のブツを何としても手に入れる!)
だがアサルは知らない
この逃走中を守るということの大変さと、戦ってるものの過酷さと
なんか、もうそれどころじゃないということを。