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*8*
ゆらぎ
「冥界は冥王様がいて、私達1人1人の情報をまとめあげてるの、天国行きに相応しいか判断するために」
きつね
「まるで伝承の閻魔大王ね……」
ゆらぎ
「………幽霊もしっかり寝る、それが冥王様のお達し」
ゆらぎ
「なのに………最近は寝ることを放棄して夜中から朝まで騒ぎ立てる幽霊の集まりができたの」
ゆらぎ
「それがあの……ヨフカスナイトクラブ、あかりが昨日会った彼はクラブのリーダー、ヨフカスよ」
きつね
「お前、ヨフカスに話しかけられた時おかしくなってたぞ?」
あかり
「そうだったんだ」
ゆらぎ
「幽霊の言葉は現世の人間を自由に動かせる暗示みたいなものでね……彼はそれを使いこなしてるみたい」
きつね
「それで暇潰しに誰か見かけては夜中連れ出して夜中騒いでるわけね」
ゆらぎ
「私はそれを止める為に、冥王様からグッドトーカーを託されてここに来たの!」
ゆらぎ
「でも、まさかそれを……生きている人間の、それも妹に使われるなんて思わなかった」
きつね
「ああするしかないっておもったんだ、許して」
あかり
「うーーん、つまり深夜にお化けが騒いでいるのを止めに来たってこと?」
ゆらぎ
「そうね、現世の人間に悪影響だし………寝ないことは冥界では重罪だから」
きつね
「死者にも罪って概念あるんだ」
ゆらぎ
「あります」
きつね
「ふーーん、死んで罪を償うってのは迷信かぁ………」
あかり
「………ねぇねぇ姉ぇ!冥界って他に何があるの?仕事以外で!」
ゆらぎ
「えっ!?仕事以外!?えーーーーーーと………冥王様の言葉を朝礼みたいに聞いたりとか、日向ぼっこしたりとか、 夢日記書いたりとか………」
きつね
「あのー、ゆらぎさん寝てばっかっすね」
あかり
「ゆらぎ姉暇さえあれば寝てるから」
ゆらぎ
「だって寝る時が1番落ち着くんですもの!」
きつね
「へぇー………」
あかり
「あっ、でもね!姉ぇは滅茶苦茶頼りになって、滅茶苦茶凄い人だったんだよ!」
きつね
「…………そんな人でも、簡単に死んじまうから俺は運命が嫌いだ」
あかり
「え?」
きつね
「なんでもないわ」