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作者: メタルメイドウィン ◆B/lbdM7F.E (総ページ数: 63ページ)
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*25*
マリー
「アタシは家だと、何者でもなかった」
マリー
「好かれることはなかったし、特別嫌われてるわけじゃない、本当に『どうでもいい』子だと気付いたのは最近だった」
マリー
「見栄えの為に服装だけは整って、死なれたら困るから飯を出す」
マリー
「それ以外は何もしてくれない、親はアタシのことをなんとも思ってないんだ」
空束
「考えすぎだ」
天夢
「そう言ってやらないでよ……なんで、そう思った?」
マリー
「………あたしの事を、何も覚えてなかったからだ」
天夢
「何も覚えてなかった?」
マリー
「生まれて5年かそこらは経っている、それなのに誕生日も、好きな食べ物も、アタシの居た学校も覚えてない」
マリー
「あたしの何もかもが、家族の記憶にない、決め手になったのは………ここに来る直前」
マリー
「アタシはたまたま聞いたんだ、唯一聞いた、アタシの名前、親の言葉」
マリー
「あの娘、どうしてマリーって名前なんだっけってさ、別にどうでもいいやってさ」
天夢
「……………」
マリー
「結局アタシは存在意義すら感じられない、親にとって真のいらない子だったんだ」
マリー
「いらないってのはさ、いなくなってほしいじゃなくて」
マリー
「いなくても困らないって事なんだよ」
バイオ
「…………」
マリー
「その点ここはいい」
マリー
「昔っからアタシを人間扱いしてくれるのはPCのチャットサイトの奴らだけだった」
マリー
「キラキラネームが幸いして、本名でも難なく溶け込めたし、気のいいヤツらが多かった」
マリー
「あのマスターアマゾネスの集団も、顔も名前も知らないアタシをああやって受け入れたんだ」
マリー
「結構住み心地いいんだよ、ここは」
天夢
「……………分かった」
マリー
「お前らに協力はしてやる、暗滅教ってのをぶっ倒すのも面白そうだから参加する」
マリー
「だが帰る気はさらさらない」
バイオ
「ふーむ………これは困った所ね………」
天夢
「分かった、マリー………俺と勝負だ」
天夢
「お前が勝ったら好きにしていい、俺が勝ったら」
マリー
「いいよ、何も言うな」
マリー
「勝つのはアタシなんだからさ」