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ざくざくアクターズZ!(完結)
作者: ロストメイドウィン ◆B/lbdM7F.E  (総ページ数: 58ページ)
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10~ 20~ 30~ 40~ 50~

*50*

翌朝、exeは朝一晩で海の家へと向かい、バイトの準備を始めた

Sonic.exe
「....」

『元の世界に帰りたいと思ったことは?』

ウズが聞いたあの質問が、頭から離れなかった

考えれば考えるほど、あの世界の事が頭に入ってきた。

ウズシオーネ
「あれ?昨日の...」

Sonic.exe
「exeだ。」

ウズシオーネ
「exeさん、まだ朝の4時ですけど...まだ開店しなくてもいいんですよ?」

Sonic.exe
「いや、これでいい...お前こそかなり早起きだな」

ウズシオーネ
「はい~!ホテルと銭湯とお好み焼き屋の準備はこの時間に行わないと開店に間に合いませんから!」

Sonic.exe
「銭湯!?お前そんなのもやってたのか!?」

ウズシオーネ
「ええ、そうですけど...」

Sonic.exe
「....お前という奴は。」

ウズシオーネ
「..あの、お給料に関しては」

Sonic.exe
「日給でいい、少なくとも一週間はやるつもりだからな」

ウズシオーネ
「はぁ...では引き続きここをお願いしますね」

Sonic.exe
「あ、ちょっと聞いていいか?」

ウズシオーネ
「はい、どうかしましたか?」

Sonic.exe
「お前、ハグレだろ?元の世界に帰ろうって思ったことは?」

ウズシオーネ
「あ~...そうですね、帰りたいって思ったときもありますけど、今ここでハグレ王国で過ごすのも楽しいですし、このままで良いかな~って考えてます」

Sonic.exe
「そうか...ありがとう」

ウズシオーネ
「exeさんは帰ろうって思ったことは?」

Sonic.exe
「無いな、あの世界よりハグレ王国の方がずっと楽しい」

ウズシオーネ
「...あ!ではそろそろ失礼しますね。」

Sonic.exe
「ああ。」

この後も、exeは海の家でバイトを続けた

客はたくっちスノーがちょっかいをかけてくるか、もしくはデーリッチが気を使って何か買ってくれるかのどちらかぐらいだったが、exeは不満を漏らさなかった。

そして....深夜、exeは定期的に『ウズ』に会うようになった。


Sonic.exe
「よう。」

ウズシオーネ(ウズ)
「どう?シオーネは。」

Sonic.exe
「今日も変わらずだ、少しは楽になったと思いたいが...」

ウズはシオーネと会話することが出来ないので交換日記をしていたのだが、それでも分からないことが多いのでバイトをやっているexeに伝言係を任せていたのだ

Sonic.exe
「...しかしここの奴等は不思議だな」

ウズシオーネ(ウズ)
「どうして?」

Sonic.exe
「俺のこの顔、一目見るだけで大騒ぎになる恐ろしい顔しているぞ、だが奴等は特に気にしてないようだが」

exeの顔は牙が鋭く目が黒に染まり赤い血を涙のように流す...正に怪物のような顔をしており、実は内心そのことを気にしているのだ。


ウズシオーネ(ウズ)
「...それなら、貴方はシオーネのあの足を気持ち悪いと思ったことはある?」

Sonic.exe
「...ないな」

ウズシオーネ(ウズ)
「そういうことじゃないかしら」

Sonic.exe
「なるほど...」

『個性』、黒影のメイドウィンが度々言っていた言葉。

欠点があることは決して悪いことではない、虫にも魚にも、怪物にも宇宙人にも...そしてマガイモノにも、それぞれの良いところがあり悪いところがある。

それはその人自身の個性だから大事にしろ...彼はそんな事を言っていた

Sonic.exe
「...それでウズ、お前にも聞いておきたいんだが。」

ウズシオーネ(ウズ)
「なに?」

Sonic.exe
「生き物は死んだら、そこで終わりだよな?」

Sonic.exe
「死んだ奴が明日になったらまた生きてるなんて、ありえないよな?」

ウズシオーネ(ウズ)
「....ありえないわね、実を言うと私だって一度死んでるけど、シオーネの体に私の人格が入ったのかはどうしてか分からないし。」

Sonic.exe
「やはり俺の方が間違っていたか....」

ウズシオーネ(ウズ)
「...最近貴方がその質問を色んな人にしているって聞くけど」

exeはハグレ王国のあらゆる人物に同じ質問をした...答えはどれも同じだった。

ただ、シオーネにだけはこの質問をしなかった、気を使わせたら悪いと思ったからだ。

Sonic.exe
「ああ....」

ウズシオーネ(ウズ)
「どういうこと?まさか...貴方の世界って」

Sonic.exe
「...まぁ、そういうことだ」

ウズシオーネ(ウズ)
「でもなんで突然に?」

Sonic.exe
「....夢で時々、俺の世界に来ることがある、はっきり言ってつまらない世界だよ」

ウズシオーネ(ウズ)
「そう...もう時間だし、詳しいことは明日にでも教えてもらうわ、それじゃおやすみ」

Sonic.exe
「ああ...また明日に」

明日...exeが海の家のバイトを始めてちょうど一週間になる。

いずれ...シオーネやデーリッチに話さないといけないだろう、自身の正体を、己の境遇を。


....

ウズシオーネ
「今日もお疲れ様ですー!」

七日目の海の家バイト...相変わらず客は来ないが、ようやくこの状況にもなれてきた

Sonic.exe
「...はぁ、次から銭湯のバイトに代えようかな。」

ウズシオーネ
「あ、そういえばそろそろここに来て一週間ですね...?お給料渡しておきますね。」

Sonic.exe
「ああ....」

ウズシオーネが手渡す封筒を開け、給料を確認する。

...紙が四枚、まぁ一週間ぼーっとしてるだけなら妥当だろうと考えたその時である、exeはあることに気が付いたのだ

Sonic.exe
「0が...四個だと....?」

四万円、一週間海の家で待機しているだけで四万円である、いくらなんでも多すぎる

Sonic.exe
「ウズシオーネ、これは....」

ウズシオーネ
「あ、いえ!気にしないでください、これはほんの気持ちです!」

Sonic.exe
「気持ち?」


ウズシオーネは海の家の引き戸を開け、笑顔を見せながらこう呟いた


ウズシオーネ
「ウズちゃんの話し相手になってくれて....」

Sonic.exe
「....!」

ウズシオーネは明日への準備のため海の家を出ていった



Sonic.exe
「あいつめ...」


その日の夜、exeはまたウズに会いに行った。


...しかし、今夜は何故かたくっちスノーとデーリッチもいたが。


Sonic.exe
「何故お前らが居る」

たくっちスノー
「散歩してる時、花粉を嗅ぐと目が覚めるというギラギラ草の花粉をモロに浴びてな」

デーリッチ
「そのせいでなんか全然寝れる気がしないでち!」

Sonic.exe
「今何時だと思ってやがる...」

exeはため息を吐きながら椅子へと腰掛ける、しばらくするとウズの足のうちの1つがexeの背中を付く

ウズシオーネ(ウズ)
「ねぇ、教えてくれない?貴方の世界のこと。」

Sonic.exe
「....デーリッチの目の前だぞ?あまり刺激的な話は」

たくっちスノー
「今のガキんちょってグロ耐性あるのかしらんけど大丈夫でしょ?そういう話をしなければ」

Sonic.exe
「...まぁ、うまく話してみるか?」

デーリッチ
「ん?お話ししてくれるんでちか?」



Sonic.exe
「デーリッチ、お前もハグレの王なら聞いてほしい、俺の世界の話を。」

デーリッチ
「.....」

Sonic.exe
「どこから話すか、俺がTにスカウトされたのは一年も前のことだった...」

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