コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

彼と私と弟(完結しました。)
日時: 2010/05/17 21:29
名前: 実姫 (ID: 2vs8PEO6)

あんまり上手く書けないかもしれませんが、読んでいただけたら幸いです。

・荒らし等をしに来た人は今直ぐ回れ右してください。

もしよければコメントしていただけたら嬉しいです。
________________________________

プロロ—グ>>1
登場人物 >>3

第1話  >>7      第16話  >>30
第2話  >>8      第17話  >>31  
第3話  >>9      第18話  >>32
第4話  >>12     第19話  >>33
第5話  >>13     第20話  >>34
第6話  >>14     第21話  >>35
第7話  >>15
第8話  >>16
第9話  >>18
第10話  >>19
第11話  >>20
第12話  >>21
第13話  >>25
第14話  >>27
第15話  >>28

イタリア編
第1話  >>36       第16話  >>52
第2話  >>37       第17話  >>53
第3話  >>38       第18話  >>56
第4話  >>39       第19話  >>57
第5話  >>40       第20話  >>60   
第6話  >>41       第21話  >>61 
第7話  >>42       第22話  >>62 
第8話  >>43       第23話  >>63  

第9話  >>45       最終話  >>64
第10話  >>46
第11話  >>47 
第12話  >>48
第13話  >>49
第14話  >>50
第15話  >>51


皆様へ
今まで見ていて下さった方もそうでない方もありがとうございました。
これからはこのおはなしのその後などを書きたいと思ってますが書けたら他の小説も書いて行きたいと思っています。
今まで応援して下さった皆様。本当に感謝しています。


            2010・5・17   作者より

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13



Re: 彼と私と弟(よかったらコメント欲しいです。 ( No.30 )
日時: 2010/04/03 14:42
名前: 実姫 (ID: MQ1NqBYl)

第16話
—別れの理由—

本当は別れたくなんかなかった。
ずっと一緒に過ごしたかった。

ずっとずっと一緒にいたかった。

でも・・・それはもう願えない。
イタリアに留学。

私の夢だった留学が決まってしまった。
あと1ヶ月しか日本にいられない・・・。

最後の別れが辛いから・・・
遠距離恋愛なんかできっこないもの・・・。

優平には心配かけたくないから。
だから・・・

「ごめんね」の一言しか言わなかった。
それ以上の事を言ったら、イタリア行きの決心が鈍る。


本当は一緒に日本で過ごしたい。
もし願ってもいいのなら一緒にイタリアに行きたい。

でも優平には優平の夢がある。
だから・・・。

別れたんだ。
許して・・・優平。

大樹にもこの事はちゃんと伝えるから・・・

優平・・・大樹・・・

ごめんね・・・。

Re: 彼と私と弟(よかったらコメント欲しいです。 ( No.31 )
日時: 2010/04/03 19:43
名前: 実姫 (ID: MQ1NqBYl)

第17話
—大樹への告白—

日本での木曜の夜。
あの図書室以来優平とは話していない。
それに目も合わせていない。
今日も話さないだろう

大樹はいつものように私の傍で猫のようにすりすりと私に甘えていた。
帰り際まだ甘えて私の傍にいた大樹に
「ねぇ、大樹。別れてもいい?」
「嫌だよ。俺、実咲の事好きだもん。なんで?」
「ちょっと遠くに行かなくちゃいけないの。」
「そのあとまた付き合ってくれる?」
「駄目かも知れない。遠くできっと婚約するから・・・。ごめんね」
私は大樹の頭を撫でながらそう言った。
大樹の目には微かに涙が浮かんでいた。

「ごめんね。きっと来週この意味が分かるから。」
私はそう言ってホールを出た。

来週には優平も分かるはず。


本当にごめんなさい。

Re: 彼と私と弟(よかったらコメント欲しいです。 ( No.32 )
日時: 2010/04/03 19:56
名前: 実姫 (ID: MQ1NqBYl)

第18話
—さよならの時—

「今日で留学することになりました。今まで本当にありがとう。」
私は学校のクラスメートに別れを言っていた。
放課後には先生と部活の人に・・・か。
優平にもばれちゃうや・・・。

「忘れないでよ!20歳に遊びに行くから!」
「住所、手紙で教えなさいよ!」
みんなは優しくでも決心が鈍らないようにすっきりと別れさせてくれた。

「ありがとう。」
私は自分のカメラでみんなと写真を撮った。


放課後・・・

「先生方には本当にご迷惑おかけしました。今までお世話になりました。」
私は深くお辞儀をすると部室へ顧問の先生と共に向かった。

「えーと、今日で実咲は部活をやめる。」
顧問がそう言った時、
「何でですか?」
「こいつどうかしたんすか?」
という先輩の声が聞こえてきた。

「実咲から説明してもらう。」
そう言って顧問は先輩たちの裏についた。
私の前には優平がいた。
すごく怒っているような顔をしていた。

「今日で部活をやめます。理由は・・・。」
私はそこで言えなくなってしまった。
「早く言えよ。」
優平の低くて怒った声がした。
「理由は・・・留学です。イタリアで5年間過ごします。向こうの専門学校で本格的に学んできます。今年1年勉強したら向こうの国立劇場でコンサートをして世界を回る予定です。」
私が言い終わると

「何だよ・・・そう言う事かよ・・・」
という優平の声が聞こえた。
「いつ日本に来るの?」
先輩の1人がそう言った。
「たぶん来年の6月ぐらいだと思います。たまにここにも顔出そうと思いますし。」
「コンサートがひと段落したらだろ!」
先輩は「ガハハッ」っと豪快に笑うと私の肩を叩いて
「頑張れよ。」
と言ってくれた。

優平は・・・
ずっと目をそらして怒っていた。

言わなかった私が悪いんだ・・・。

私は先輩たちにお礼を言うと教室を出た。

少し自分の教室でいたかった。

最後の時はもうすぐだ・・・。

Re: 彼と私と弟(よかったらコメント欲しいです。 ( No.33 )
日時: 2010/04/04 11:44
名前: 実姫 (ID: MQ1NqBYl)

第19話
—別れと出会い—

トントン・・・
私が1人教室に要ると誰かがドアをノックした。

「はい?誰・・・?」
私が返事をすると、

「お前・・・。」
優平が話しながら歩いてきた。

「何で言わなかった?留学する事・・・。俺何も知らずにお前と別れたんだぞ!あれからどんだけ俺が考えたと思ってんだよ。」
優平はうっすらと目に涙が浮かんでいるようだった。

「ごめん・・・。」
私は謝る事しかできなかった。

「大樹、泣いてたぞ。『実咲が遠くに行くなんて嫌だ』ってずっと家で泣いてたんだぞ!」
私はその一言に驚いた。
泣いていたなんて・・・知らなかった。

「なぁ、俺達やり直せないのか?遠距離じゃ駄目なのか?」
優平は私の肩をつかんで言った。
「分かんないの・・・もしかしたら向こうで婚約するかもしれないから・・・。」
私は目をそらしてそう言った。

「だったら先に俺と婚約しておけばいいだろ!!」
優平は目をそらしていた私の目をしっかりと見てそう言った。

(そうだ・・・先に婚約してしまえばよかったんだ、何で気がつかなかったんだろう。)

「そうだよね・・・やり直せるよね・・・。ホントにごめんね。」
私がそう言った時目から涙があふれていた。

「泣くぐらいなら別れなんか言うなよ・・・。」
優平はそう言って私の事を抱きしめた。
私の肩にじんわりと何かがしみた。

「泣いてるの・・・?」
私は優平に思わず問いかけた。

「・・・。そんなことねぇ。」
優平は強がっているらしく、泣いているとは言わなかった。
でも、肩に広がる涙は止まる事は無かった。

「ごめんね。ありがとう。」
私はそう言って出会った時の事を思い出した。

「俺こそ・・・ごめん。イタリア、行って来い。」
そう言って優平は私の背中を押した。

「空港まで明日、ついてきなさいよね!」
私はそう強く言って教室を出た。

もう一回やり直すんだ。

出会ったあの日に戻って・・・

Re: 彼と私と弟(よかったらコメント欲しいです。 ( No.34 )
日時: 2010/04/06 18:58
名前: 実姫 (ID: MQ1NqBYl)

第20話
—出発前—

とうとうこの日が来てしまった。
でも後悔も何もない。

後は向こうで勉強して帰ってくるだけ。

「実咲!」
遠くから手を振ってやって来るのは優平だった。
「優平!来てくれたんだね!」
私は向かってくる優平に歩み寄った。

「当たり前だろ。余計なのもいるけど・・・」
「えっ・・・?」
私はびっくりしながら優平の後ろから走って来る子を見た。

「実咲!!」
それは大樹だった。

「大樹!ごめんね。こんなことになるの言わなくて・・・。」
私はいつものように抱きついてきた大樹を抱きしめてそう言った。

「うぅん。俺の事心配してくれたんだよね!俺が悲しまないように・・・。」
大樹は私の体に顔をうずめながらそう言った。

「大樹、そろそろ離れてくれよ」
優平の低くて怒った声が大樹の頭に降りかかった。

「えぇー嫌だ—」
大樹は私にしがみついてそう言った。

「殺していい?コイツ殺していい?」
優平は大樹の頭をつかみながらそう私に聞いてきた。

「それは駄目・・かな?」
私がそう答えると、
「じゃあ、引き離すか」
と言って、大樹を私から引き離した。

「そろそろ時間・・・か。」
時計は10時になっていた。
あと30分しかいられないのか・・・。

私はあと少しの時間を笑顔で過ごそうと心に決めた。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13



この掲示板は過去ログ化されています。