コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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Random every day!! 更新ストップ
日時: 2010/10/06 16:43
名前: 勿忘草 (ID: TtH9.zpr)

                 




 
                 Random every day!!

          行き当たりばったりな毎日、過ごしてみませんか??




更新はストップ中です




【Contents】

 >>001 ご挨拶

 >>003 Prologue

 >>009 竜南中学校3年E組の皆さん。
 >>011 その他、竜南中学校の皆さん。
 >>033 竜南中学校の先生たち。

 >>012 000 不穏な、お願いのような命令

 >>022 001 遅刻、遅刻ー!!!・・・・・・って、なんでアンタはそんなに呑気なんですか。
 >>025 002 ごめんなさいって、言わなきゃ駄目? 
 >>028 003 気がつけば喧嘩は始まっている。
 >>037 004 風紀委員は部活も真面目に。
 >>039 005 喧嘩にもルールは必要です。
 >>043 006 凸凹コンビ、ちょっとだけ気が合う。

 ANOTHER STORY >>046 000 初めまして

 【修学旅行編!!】
 >>050 007 先生、冗談のようなそんなミスはいけませんよ
 >>056 008 苦し紛れと気まぐれは天敵  







それでは、どうぞごゆっくりv

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Re: Random every day!! ( No.25 )
日時: 2010/08/20 11:14
名前: 勿忘草 (ID: TtH9.zpr)



002 ごめんなさいって、言わなきゃ駄目?




「よくも、やってくれたな。 お前」

突き刺さるような、彼の視線。
凍り付くような、その言葉。

「え、えと、」

先程までの勢いは何処へやら。
郁奈はすっかり、いつもの郁奈に戻っている。
不良とは到底関わりなく、まして注意をするなど以ての外な、ただの普通中学生の郁奈に。


「今日は委員会決めるぞ、3校時目に」


そんな2人の険悪な雰囲気はお構いなしに、森川の話は進む。
所々、お調子者がツッコミを入れてみたり茶化してみたし、いつも通りの教室。
郁奈の隣を除いては。
全て、いつも通りなのに。

「下らねぇ、巫山戯んな。 なんで俺がこんなトコロで座ってなきゃなんねぇんだ」
「それはさ、中学生なんだしさ、普通のこと、なんじゃないかなぁ・・・・・・」
「あ゛?!」
「否、えと、」

小さなツッコミも、その眼力を前にしてはなんの力も持たないらしい。
郁奈はしゅん、と顔を成夏から背けた。




——やばいやばいやばい、もうこれ暗殺どころじゃないかもしれない。



——埋められる。 殺された後、どっかの山奥に埋められる!!!



心中で白骨化した自分を想像する。

新聞の見出しに、大きく【山奥で白骨化死体発見!!】とか出て。
“およそ30年前に行方不明となった越智郁奈さん(当時14歳)の遺体だと思われる”・・・・・・とか、書かれて。
家族も親戚も、友達も、皆テレビのインタビューとか受けて。
犯人で在る、隣の席の男は「そんなヤツもいましたね」、とか知らんふりして。
事件は迷宮入り・・・・・・。


——いやいやいや!! おかしい、それはない、ないと思いたい、ナイナイ無い!!




誰かが、この時の郁奈を観察していたなら、さぞ可笑しかっただろう。
百面相、とは正にこのこと。

「はーい、それじゃぁHMを終わりまーす」

森川の気の抜けた声で、郁奈の意識は現実へ戻される。
決して、埋められることはないだろうが、確実に怒りを買ってしまった現実へ。

「きおつけー、礼!」

学級委員長代理、の豊田が号令を掛け、朝のHMが終了する。
ふー、と郁奈は安堵のため息。




「おい」




訂正。
不安のため息。

「は、はい」
「ちょっと来い、お前」
「え、何で」
「ナンデ、だと? 何でもいいだろーが、さっさとしろ、」
「ぇぇぇええええぇ?!」

朝とは全く逆の状況が起こっていることに、郁奈は気がつく。
今度は郁奈の手首を、成夏が強引に掴み、引っ張る。
行き先は何処か、なんて、恐ろしくて聞けない。


「なになに、」「越智さんが連れて行かれた」「誰に、」
「福田」
「嘘、福田?!」「何で越智?」
「郁奈はそーゆータイプじゃない筈」「分かんないぜ?」「案外・・・・・・」
「じゃ、何したんだよ、越智」「知らね」


そんな、クラスメイトのざわめきが遠くで聞こえる。

——おおぉい!! 助けろよ、誰か、助けろぉぉぉ!!

郁奈のココロの叫びは、やはり外へ聞こえる筈もなく、ズルズルと郁奈は教室の外へ。
大人しくて真面目だけどさほど地味ではない、という印象の郁奈と、不良福田。
異色のコンビは、人通りの少ない北館の音楽室前へ。


「おい、」


壁に背中を付け、肩を竦めて立っている郁奈。
成夏は目の前。

「な、なに」
「俺に何か言うことはねぇか」
「は?」

郁奈は、今日初めてのきょとん、とした顔。

「何かねぇか、つってんだよ」
「え、特に」

何、なんだ。
言うこと、コイツに、福田に、言うこと・・・・・・



———ないよ?



「特に、ない、けど」



ガンッ



福田の拳が、郁奈の頭の隣に叩き付けられる。
下手をすれば、壁に穴が開くいきおいで。

「?!」
「謝罪」
「?」

謝罪、の意味が解らなかった訳ではない。
何故謝罪なのか、が解らなかったのだ。

「は?」
「俺を面倒な、学校に入れた罪だ」
「はぁ?!」

そんな罪、在ってたまるか。
つまり、成夏は謝れ、と言っているのだ。
ごめんなさいは、と言っているのだ。
サボりを邪魔した郁奈に、ごめんなさい、を求めているのだ。
郁奈は呆れ3分の1、脅え3分の1、そして、怒り3分の2。
あれ、オーバーしちゃった??





「へぇ、」





刹那。
彼女の左手は、成夏の頬にぶつかる。
否、郁奈はぶつけたのだ。
平手打ちを、喰らわせたのだ。
彼女が1番、苦手で嫌いで厄介で、恐れている人物に。

「?!」

今度は、成夏がきょとん。
さほど痛くはないが、明らかに衝撃が右頬に走る。
何が起こったのか理解する間もなく、郁奈が口を開いた。

「よくも、ぬけぬけとそんなこと言えるね」
「あ?」

成夏も、隙あらばやり返そうと考えたが、郁奈はそれを与えない。

「感謝、して欲しいくらいなのに」
「何だと?」
「だってそうじゃない、中3の4月に、完全に脱線している彼方を、私は戻そうとしてるんだから」

成夏は完全に不機嫌な顔。
郁奈はようやく、自分の性格を理解し始める。



——あぁ、私。





——怒ると、別人みたくなるんだ。





「余計なお世話、だ」

そんなことは、言われなくとも理解している。

「そうよ、ただのお節介。 先生の」
「?」
「私は頼まれたの、森川先生に。 だから、アンタを戻す」
「ハッ、優等生ぶってんのか? テメぇ」

郁奈は鼻で笑う。

「んな訳、ないじゃん。 断れなかったから、してるだけ」
「それが優等生、ってもんだろーが」
「優等生が、撃ったりするかな」

成夏は舌打ち。
そして、

「良いだろう」

不気味に不敵に、嗤う。



「受けて立ってやる。 ゼッテー、俺は戻らねぇし、変わらねぇ」



なんだか、妙な展開だ。
郁奈は心中でそう思いながら、クスリ、と笑みを溢す。

「覚悟、しなよ」


自分は——、この妙な展開を楽しんでいる。


「お前如きに、俺は揺れねぇ」

成夏の姿は、窓の外に消えた。
飛び降りたのだ、2階の窓から。
裏庭に。

「言った・・・・・・」

どれくらいの間、彼女はそこに座っていただろう。
たぶん、ただの1分ほどだ。
次の授業に遅れては、成夏に示しが付かない。
だが、その1分は、凄く長く感じられた。

「なんてことに、なったんだろ・・・・・・」

中学3年生。
この、中学生活で最も重要な年を——、“余計なこと”で終わらせなければならなくなった。

「私、なんて性格してんだろ」

自虐的に、呟く。



「しょーがない、のかなぁ」



郁奈はそれだけ呟き、立ち上がりそのまま歩き出した。
廊下を曲がったその角で、何人ものクラスメイトに盗み聞きされていたことに気がつくのは、もう少し先。
そして、英雄とたたえられるのも、もう少し先の話。

Re: Random every day!! ( No.26 )
日時: 2010/08/20 12:06
名前: 友桃 ◆NsLg9LxcnY (ID: 7hab4OUo)


郁奈ちゃん、かっこい……!!!!wwww
かっこよすぎて鳥肌が……っ←←


……来てそうそうすみませんでした><
面白すぎてつい…っ!!笑
なんか気づいたら話にのめりこんでました^^笑
勿忘草さんの小説はすごすぎですwww

次の更新待ってます♪

Re: Random every day!! ( No.27 )
日時: 2010/08/20 15:24
名前: 勿忘草 (ID: TtH9.zpr)

>花桃サマ

 ありがとうございますー!!
 そう言っていただけて、とても光栄ですvv

 構わないですよぅ^^
 感想コメは凄く嬉しいのでw
 そんな、勿忘草には勿体ないお言葉・・・!!
 
 花桃サンの小説にも、またお伺いしたいと思います^^
 お互い頑張りましょーb

Re: Random every day!! ( No.28 )
日時: 2010/08/21 17:06
名前: 勿忘草 (ID: TtH9.zpr)

 

 003 気がつけば喧嘩は始まっている。




——疲れた。

それが今の郁奈の心情。
福田と別れた後、廊下でクラスメイト数名と出くわし(とうより、待ち伏せされていた)、
“見かけによらず、結構やるな!!”と称えられた。
僅か3日で、ちょっとした有名人に成り上がってしまったのだ。

「・・・・・・、ありえない」

郁奈があんな風に感情的になるのは、怒ったときだけだ。
自分の何かを、傷つけられた時だ。
先程の成夏は、郁奈の“義務”に傷をつけた。
いつもいつも、皆が見た“郁奈”で居られるとは限らない。

——皆、すぐに飽きるよね、こんな事件[コト]すぐに忘れるよね。

少しだけ寂しい気もしたが、郁奈は皆の記憶が早めに薄れることを願った。



「おーっし、委員決めるぞー、まずは学級委員な」



そうこうしている間に、3校時目が来たようだ。
森川が、綺麗とも汚いとも言い難い字で、黒板に書く委員を書いていく。
書き終えると、1人1枚髪を配る。
どうやら、学級委員は選挙で決める様だ。
クラス中がざわめき、「誰にする?」、という様な会話が聞こえてきた。
郁奈はふいに、重川有紗を見た。
有紗もまた、郁奈を見ている。


「(誰にする?)」


口パクで、有紗は郁奈に尋ねる。


「(だれでもいいや、しげちゃんにする)」


郁奈も口パクで答えると、有紗は納得いかない、という表情。



——重川有紗



彼女は、このクラスで唯一の郁奈の“仲良しなトモダチ”で在り、郁奈の所属する美術部の部長である。
何も気にせず自分の意見が言える、腐れ縁だ。
郁奈に言わせれば、
“我が強くて意地っ張りでそのくせ泣き虫で、人の話をろくに聞かない”、扱いづらいタイプなのだが。
整った顔立ちと、明るく楽しい性格が良い感じにカバーしている様だ。




そんな彼女は、何故か人に支持される。




「ん、それじゃぁ、学級委員は山中と、重川な」

森川は決定事項を黒板に書く。

「えぇ、ウチ?! マジで?!」
「重川、キャラじゃねぇだろ!!」
「なんで俺・・・・・・」

有紗の周りが、にわかに騒がしくなる。
“キャラじゃない”、1人の男子がそう叫んだが、郁奈はそうは思わない。

——ほら、やっぱり。

なんだか、誇らしげな気分だ。
愛されキャラな有紗は、皆から信頼を得ているようだ。
自分の意見を率直に言って、それでも皆が付いてくる。
そんな有紗が、少しだけ羨ましい。

(私はどーしよっかなぁ・・・・・・)

今朝、風紀委員に立候補しようとココロに決めたが、少しだけその決心は揺らいでいる。
どうしようもなく、不安なのだ。
成夏に喧嘩を売って、妙な展開になった。
それはもう、仕方のないコトで在り、気にしていないのだが——
頭に血が上った時、
自分は、誰彼構わず、手を挙げてしまうかも知れない。


——暴力女だと思われるのだ後免じゃ


郁奈はため息を付いて、伏せった。
しばらくして森川が、大きな声を出す。

「風紀委員決めっぞ!! 立候補でも推薦でも、スキにしろー、学級委員」

そんな丸投げなセリフで、森川は全て学級委員に任せる。
少しばかり緊張の顔色で、有紗と山中が黒板の前に立つ。
山中は有紗に、「俺が司会するから、書記やって」、と呟いて、有紗は「おぉ、」と言って頷いた。


「そんじゃ、風紀委員、立候補でもなんでもいーから、手ぇ挙げて」


郁奈は伏せっていた身体を起こし、前の2人を見る。

——なんだか、山中って人、先生とにてるなぁ

呑気そうなトコロとか、気怠そうなトコロとか。
普段、どんな目で森川を見ているのだろうか。
そんなことを考えているうちに、1人の手がスッと上がった。

——あ、やばい、先超された。

郁奈はそう思った瞬間、




「推薦なんですけど、女子は越智さんが良いと思います」




——はいぃぃぃぃ?!

クラス中から、納得の声が聞こえてきた。

「適役だな」「ってか、アイツしかいないってゆーか」「他に誰やるんだよ、」「男子誰?」
「福田?」「そりゃねぇだろ」「殺される殺される」

口々に聞こえる、あんな声やそんな声。
自分の話題なのに、1人取り残される郁奈。

「賛成ばっかだな。 女子決定ってことで」

山中は本人に確認することもせず、「書いて」と有紗に頼む。
なんの違和感もなく、決まっていく。
本人を残して。


「ちょちょちょちょ、待って、おかしい、なんっかおかしいよ?!」


ようやく言葉を発する郁奈。
全員の視線が注がれた。
今気がついたが、森川は何故かご機嫌だ。

「異義?」

山中が尋ねる。

「否、なんて言うか、その、」
「何」

貫くような視線が、怖かったり。
見下ろすようなその視線は、何故か貫禄があった。

——さすが、竜南喧嘩№1。

郁奈はココロの中で呟く。
山中は視線で相手倒すって聞いた。
そんな視線に耐えつつ、郁奈は口を再度開いた。



「・・・・・・何で、私?」



どうやら、凄く愚問だったようだ。
勇気を振り絞った質問だったのに、皆爆笑。

「ちょ、越智さん、」

前の席の安住由理子が、笑いながら振り返る。
“安住”と“越智”で、出席番号順だとかなり離れているが、森川の場合、初日にスキな席を選ぶ。
由理子は可愛らしい顔で笑っている。

「な、何?」

郁奈は、遠慮がちに訊く。
彼女と話すのは、初めてだったりする。

「“何で私?”って、もうアンタしかいないでしょ」

それがどうしてか解らんないんだけど、と突っ込みそうになったが、由理子の言葉は続く。


「ナルくんに喧嘩売ったんだからさ、不良の面倒見なくちゃ」


——ナルくん? あぁ、福田か、

由理子の言葉を認識するまで、少し時間が掛かったが、そんなことはどうでもいい。
その言葉で、全ての謎が解けた。

「あ、そーゆーこと・・・・・・」

一気に力が抜ける。

「良い? 越智」

山中に再度問われる。
今度は、頷くしかなかった。


「んじゃ、次ー」


郁奈は机に伏せる。

——なんか今日、すっごい疲れた。

男子の風紀委員は、豊田だそうだ。
郁奈にとってはどうでも良かった。
頭に、福田の顔と台詞がリピートされる。
あの時、自分は喧嘩を売っていたのだ。


——喧嘩、もう始まってるんだ。





——私と福田の喧嘩、始まってるんだ。





そんなことを、改めて確認し、大きなため息を漏らした。

Re: Random every day!! ( No.29 )
日時: 2010/08/20 16:03
名前: 菜波./*゜ ◆ZPJ6YbExoo (ID: smzRGBhk)
参照:          元  春 透    ...(ω)


 − 勿忘草さん

こんにちわb
000話から読ませていただきました(^ω^ゞ
とてもタイトルと内容がベストマッチと言えるほどに合っていて
とても素敵です。頑張ってください!
それでは、(^ω^)

嗚呼、あとお節介で無ければよいのですが、
トリップをお付けになられては?すみませんでした
今度こそ、それでは


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