コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 闇夜の舞踏はすぐ傍に
- 日時: 2010/11/26 21:57
- 名前: 風無鳥 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)
(気付かないどこかで、運命は踊っていた。)
◆ お知らせ!
・改名いたしました。「夢久」です。全然無垢じゃないですが改めてよろしくお願いします
◆ ご挨拶!
初めまして、またはこんにちは。
いつもは二次板で活動させていただいております夢久(元風無鳥)です。今回はコメディ・ライトで書かせていただきます。
原作無しは初めてなので上手く書けるか心配ですが、どうかあたたかい目と広い心で見守ってやってくださいませ。そしてコメントしてくだされば歓喜の舞を踊りまくることでしょう。
アドバイスなどもばんばん受け付けております。ただ辛口でおっしゃられると結構へこみますのでどうかやんわりと……。
◆ 言いたいこととか!
・ライトノベル風な学園+ファンタジー基本コメディ、と自分の中で分類しております。だいたいが主人公視点だろうなあ、と。作中にでてくる単語はだいたいがドイツ語かフランス語です
・参照百突破、有難う御座います。これからも頑張ります!
◆ あってんしょん!
・荒らし中傷暴言目的の方はバックプリーズ。また来た場合はスルーです
・風無鳥きらーいな方もバックプリーズ
・目が腐る駄文です。観覧はご注意を
・更新は不定期だったり
◆ メニュー!
プロローグ.未来の行く手は闇の中 >>1
*第一章.黒羽の来訪
1.至近距離にいるお嬢様 >>4>>5>>6>>7>>8
2.異変の呼び声は甘く >>17>>23>>24>>29>>31>>32>>37
3.悪夢の中には小さな光 >>41>>42-43>>46>>55>>59-660
◆ お客様!
・ゲコっちさん
・紫奔さん
・吹麗夢さん
・summitさん
・こけこっこさん
・津名美さん
・麿ん堂さん
◇ 作者プロフィール!
名前:夢久
年齢:十一歳です小六です
性別:♀
住居:東京のどこかにのほほんと暮らしております
◇ スレッド作成日!/2010.10.14
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- 3 ‐ 04 ( No.51 )
- 日時: 2010/11/02 12:04
- 名前: 風無鳥 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)
◆ 3 ‐ 04
いつも聞いていた、気の強そうな声が響く。不思議と、焦って速まっていた鼓動が治まってくる。任せられる、大丈夫だ、そんな根拠のない安心感が湧いてくる。
一瞬白く光ったかと思うと、その色彩を俺の網膜に焼きつけたまま地の底から何かが突き抜けた。全てを破壊するような頼もしくもあるが危険な音が鳴り響き、その音の正体——巨大な黒い雷鳴が空気までもを壊す、そんな感覚がするほど凄まじい勢いで空へと昇っていく。押し潰されそうなほどの威圧感を放つ雷鳴は周りの空気を震撼させ、数秒間経つと溶けていくように擦れていった。だがまだ威圧感は残っていて、焼け焦げたような臭いが——
「……焼け焦げてる、じゃねーか」
黒い雷鳴は威圧感と共に焼け跡まで残していったようだ。雷鳴の周りの地面は完璧に焼け爛れている。そして雷鳴の噴き出たところは真っ暗な闇がいつまでも続く大穴になっていた。
どういうことだよこれ。
何が起きたんだ。誰か説明してくれよ。どんな天才な奴だって、いきなり黒い雷が地面から飛び出して地面が焼け焦げていたなんて光景、簡単には理解できないだろう。だから俺が自力で理解することは不可能だ。
そう、不可能だから、紫音、教えてくれないか。お前の指輪が俺の目を焼くほどに激しく輝いているわけを。
「……玲、今の見た?」
「ああ見たよ。紫音も見たんだろ?」
「あのね、なんだか凄く体が痛いの。風邪で高熱の時みたいに」
雷鳴の後を見つめながら、意思がこもっていないような、抜け殻のような声で紫音が言葉を紡ぎだす。会話が噛み合っていない気がするけれど、それよりも俺の脳には直感的な危険信号が鳴り響いた。
言葉をかけようとする前に、ぐらり、と紫音の体がよろめく。もつれた細く長い足はよく見ると小刻みに震えている。いや、足だけではなく体全体が。気のせいか、苦しそうに歪められた顔は赤みがかっていた。
それらのことが何を意味するかなんて俺でもわかる。俺が何をすればいいのかだってわかる。
だけど、どうやら思考どおりに体は動かないようで、
「——紫音ッ」
受け止めようとする前に、熱のこもった息を吐き出しながら紫音は地面へと崩れ落ちた。
**
ぱちり。
紫音の目が勢いよく開かれた。まだ状況を掴めていなさそうな赤い瞳。——あれ? 赤?
違和感を感じてもう一度よく見てみる。赤だ。いつもの赤。……さっきまで紫色だったよな。
「と、いうことは」
もしかして、と紫音のまだ小刻みに震えている手を見る。白い指にはまった赤い指輪。いつのまにか、さっきの輝きは失われていた。
なんとなく想像はつく。紫音が今高熱で倒れていること、さっきの黒い雷鳴。その時は指輪の光が燃えるようだったのに対し、今はしん、と鎮まっている。それをあわせたら、なんとなくはわかる。間違っているかもしれないけど。
魔力……みたいなもんを使いきったんだろう。それか、さっきルーニャが言っていたあの言葉。『紫音様の体が耐えきれません』あの黒い雷鳴は紫音が使った魔法で。それは紫音の体まで削るようなものだとか。
こんなところだよな、と思っていると、戸惑いを表している紫音の形のよい口が動いた。
「ルゥは? ルゥはどこ?」
泣きそうな紫音の言葉にハッとする。——そうだよ、ルーニャは? そう、さっきルーニャが敵の攻撃を喰らって、血を吐いて、それで、紫音がああなって……。あの雷鳴が、もしもルーニャにあたっていたら。
無事なのか。無事じゃなかったら? だったら、どうすれば。
後ろを見ればすぐわかることだ。でも見たくなかった。もしも俺の嫌な想像があたっていたら、きっと紫音は泣き崩れるだろうから。見たくない。紫音の泣く姿を見たくはない。
紫音は首を動かすのが辛いようで、潤んだ目で俺に訴えかけている。「早く教えて」と。俺だって知りたい。だけど、だけどさ? ……大丈夫。大丈夫なはず、ルーニャなら。
迷いの渦から抜け出そうと必死でもがく。と、
「紫音様ッ! 後ろに——」
「ルゥ!?」
それの最大の手助けが俺の耳に届いた。ルーニャの声だ! やっぱり、大丈夫だったじゃないか。無駄な不安を抱かなきゃよかった。
でもルーニャは今なんて? 後ろ?
ルーニャの方に振り向こうとした首をいったん回転させ、紫音の後ろ——すなわち俺の正面をもう一度よく見る。
「え、なんで、まだ」
そこには全ての根源、チェーニが目をぎらつかせてこっちを狙っていた。
+
紫音ちゃんがね! ははは!
- Re: 闇夜の舞踏はすぐ傍に ( No.52 )
- 日時: 2010/11/02 12:07
- 名前: 風無鳥 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)
>>ゲコちゃん
wwwwチェーニ山自重wwwww
はっはっは、今の私はゲコちゃんと紫奔様とあの子のおかげでフィーバーしていると言っても過言ではない!←
ルゥたんもゲコちゃんの神様とかw神多いwwwそんなに猫好きだっけ……? まあ嬉しいけど。
大活躍した後すぐに……ね!
ま、更新したんでそのへんは自分の目でどぞー。
- Re: 闇夜の舞踏はすぐ傍に ( No.53 )
- 日時: 2010/11/07 15:32
- 名前: ゲコゲコ ◆1v6bsvyZ9E (ID: KkC9kEBB)
こんちわ!
あ〜猫が好きっていうか、ルゥちゃんが可愛すぎてですな。神になってしまったという事ですな
ルゥちゃん、助かったか。よかったです!
紫苑ちゃん……頑張れ!!!!!
- Re: 闇夜の舞踏はすぐ傍に ( No.54 )
- 日時: 2010/11/12 18:09
- 名前: 風無鳥 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)
>>ゲコ
ああ、成程ルゥの力ですか。うん、ルゥはとことん可愛くするつもりですから!
では久々に更新。します今から。
あ、ちなみに紫音だよ! 紫苑じゃないよ!
- 3 ‐ 05 ( No.55 )
- 日時: 2010/11/12 18:09
- 名前: 風無鳥 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)
◆ 3 ‐ 05
まだ生きていやがったのかよ。しつこい野郎だ。
そんな苛々の募る思いが沸々と湧いてくる。
紫音が熱をだしてまで使ったあんな魔法でも倒せなかった? なんでだよ。あの威力なら、倒せるとばかり思っていたのに……そういえば、ルーニャが何か言っていた気が。核、だっけ?
ごちゃごちゃになってきた記憶の中を探ることに熱中していると、ある大変なことに気がついた。いや、気がついてしまった。
紫音は今熱をだして倒れている。
ルーニャは怪我をして倒れている。
俺はまったくもって元気。
でも、俺には奴を倒せる力なんてない。
……さて、どうしようか。
俺はどんなに力を込めても何もおきないし、やっぱり魔法みたいなものは使えない。俺は普通の人間のままだ。それに、チェーニの倒し方もよくわかっていない。これは……もしや絶体絶命と言うんじゃないか?
チェーニの炎のような目がぼう、と赤く光った。俺に第六感が「来る」と伝えている。……逃げることはできる。俺一人、逃げることなら。でも——
チェーニに殺されるより、二人を見捨てて生きる方が俺は絶対に嫌だ。
だから、俺に出来る唯一のことをしよう。どうなるかなんて容易に想像はつく。俺はもっと普通の人生を最後まで送りたかったけど、今更取り返せやしない。それならもういいんだ。
震えている体。心の奥底では俺は怯えていることがわかる。そんな体をなんとか動かして、紫音の前に立った。
きっと奴は俺を切り裂いた後紫音のことも殺すだろう。それじゃ結局同じかもしれない。でも、俺にとっては全然違う。
本当は気づいていた。俺は紫音がいたからこの生活を送れていた。うざったい、っていうのが嘘なわけじゃないけど、紫音が隣にいてくれることを望んでいた。それが当たり前だともどこかで思っていて。
その〝当たり前〟はこんなにも簡単に崩れてしまう。運命ってよくわからないものだ。そう、よくわからないから、こんな俺だってこういうことできるんだ。
「……れ、い?」
不安そうなか細い声が下から聞こえる。赤い瞳は、いつもとは違い簡単に涙を流していた。小さい口が震えながら、何かを必死に呟いている。
こんな奴のために、俺らしくもないことするなんて——なんか、馬鹿みたいだな、俺。まあそんなことはまた今度考えればいい。死んだ、後で。
未練がないわけない。俺だってもっと色々したかったけど。それは紫音がいなくちゃ何の意味も持たないんだ。
チェーニが飛んだ。黒い物体が視界の中で大きくなってくる。
おわりだ、な。
「……ばか、ばかあ」
そんな声で、目が覚めた。
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