コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 雪の降る町 【完】
- 日時: 2012/02/12 21:08
- 名前: リオ (ID: IRDFwr.p)
初めましての人がほとんどだと思います
リオです♪
小説初挑戦&のろまで短気なので、更新は亀以上に遅いです…
気長に応援していただけるとありがたいです
登場人物
・濱里有咲 Hamazato Arisa
主人公。恵美奈の幼なじみで親友。
友達思いだか、ネガティブ思考になることが多い。
・平瀬恵美奈 Hirase Emina
有咲の幼なじみ。三歳の頃にこの町に引っ越してくる前
に、厳しい過去を経験してきた。
・高橋美咲 Takahasi Misaki
有咲と恵美奈の友達。拓海の元カノ。
友達思いで、周りの事を考えるのが上手い。
・渡辺拓海 Watanabe Takumi
美咲の元カレ。恵美奈への浮気が原因で別れる。
有咲や恵美奈とも友達。
無愛想だが、暖かい心を持っている。
お客様
ちくわ大明神様、みつ様、るいーじ様、恋歌様、スポンジ・ボブ様
Thank You!!
2011.2.12 修正完了
- Re: 雪の降る町 ( No.1 )
- 日時: 2012/02/08 21:09
- 名前: リオ (ID: IRDFwr.p)
プロローグ
窓の外では雪が散らついている。
誰の姿も見えない、田舎の町。
こんな小さな小さな町で、
私はどれだけ後悔したんだろう。
私はどれだけ涙を流したんだろう。
あなたと共につくりあげた沢山の思い出と、大きな夢を胸に。
- Re: 雪の降る町 ( No.2 )
- 日時: 2012/02/12 13:58
- 名前: リオ (ID: IRDFwr.p)
一月
雪がふっている。外はとても寒い。
ここは田舎の町。
私は濱里有咲。
中学二年の私は学校帰り。電車を降りて、寒いこの町を歩いている。
後ろから足音が聞こえてきた。誰だか、振り返らなくてもわかっている。
「有咲」
「…恵美奈」
彼女は平瀬恵美奈。私の幼なじみであり、親友でもある。私達はもうかれこれ10年以上、一緒にいた。彼女の事について、知らない事はなにもないと言いきれる自信がある。
「何してるの?」
恵美奈が尋ねた。
「何って…学校帰りだけど」
「あ…そっか。ウチ、先帰ってるね」
焦ったように言うと、そそくさと歩いていってしまった。
やっぱり、最近恵美奈の様子がおかしいのは気のせいだろうか。
いや…気のせいじゃない。
私にはわかる。十年以上も一緒にいた私達だから。
でも……どうして?
わからない。何もわからない。親友なのに、わからないなんて悔しすぎる。
ずっと一緒にいたのに。
恵美奈は私に教えていない事があるんじゃないの…?
雪の中、思いを巡らせながら家に帰った。
- Re: 雪の降る町 ( No.3 )
- 日時: 2012/02/09 18:00
- 名前: リオ (ID: IRDFwr.p)
そういえば、昨日もそうだった。
休み時間になればいつも私の教室に来る恵美奈が、来なかった。
私が恵美奈の教室に行ったら、いつもみたいに寄って来てくれたのに。
私に会いたくないの?私と話したくないの?
やっぱり…私に何か隠している事があるの?
ドウイウコト………
考えるのに疲れて、私はそのまま眠りについた。
夢の中…
これはいつの事だろう。全く覚えていない。
だけど、これは夢じゃない。現実だ。私の記憶だ。
でも、私自身の記憶じゃない。
誰かに埋め込まれたような……。
ここは、病院?あそこにいるのは誰?
あ………
_____死。
泣いてるのは…幼い頃の恵美奈だ。っていうことは…恵美奈のお母さん?
いや、違う。
あれは、私の知ってる恵美奈のお母さんじゃない。
じゃあ……誰?
ふっと目が覚めた。
汗びっしょりで、体は震えていた。
- Re: 雪の降る町 ( No.4 )
- 日時: 2012/02/09 18:04
- 名前: リオ (ID: IRDFwr.p)
なんだろう。嫌な予感がする。
さっきの夢は何?誰の記憶…?
…あ、そうだ。恵美奈の記憶だ。
恵美奈の、私も知らないくらいの、遠い昔の記憶…。
いったい、何が起こったの?
私はずっとこの町に住んでいるけれど、恵美奈は三歳の頃に引っ越してきた。
だから、恵美奈の幼い頃の事は知らない。
どうせ十年以上も前の事、覚えてはいないだろう、とずっと思ってきた。
でも…
もし覚えていたら。
もし過去になにかあって、その事がトラウマになっているのなら、
この夢に何か、関係しているかもしれない。
恵美奈は私に何も言ってくれなかった。
相談してくれなかった。
私は今まで、なんのために恵美奈のそばにいたの…?
ずっと一緒にいたのに。私、そんなに信頼されてないのかな…。
胸騒ぎがする。
私は部屋の窓のそばに向かう。
私達の家は隣同士になっているから、ここからなら恵美奈の部屋が見える。
昔はよく、ここで大声でおしゃべりしたっけ…。
もう、何年も前の事だけど。
懐かしいな…。
勢いよく窓を開けた。
胸騒ぎ的中。
- Re: 雪の降る町 ( No.5 )
- 日時: 2012/02/09 18:09
- 名前: リオ (ID: IRDFwr.p)
あれから私は何をしていたんだろう。
何を見て何を思い、何を感じていたんだろう。
あれからもう、3日がたった。
それまで私は学校にも行かず、1人で物思いにふけっていた。
あの日、恵美奈は自殺した。
いや、正確に言うと、自殺しようとした。
私が窓を開けた瞬間、落ちていくのが見えた。
恵美奈が…。
幸い、命に別状はなくて、恵美奈は今も病院のベッドで寝息をたてている。
本当ならもう目を覚ましていてもおかしくない。
どうして?
どうして恵美奈は自殺なんかしようとしたの?
どうして私は恵美奈を守ってあげられなかったの?
私は…
また、何もできなかった。
恵美奈のために、何もできなかった。
恵美奈を、助けてあげられなかった。
守って、あげられなかった…。
恵美奈の事はなんでも知ってる気になっちゃって、本当は、
何も、知らなかった。
だから、こんな事になってしまった。
気づいてあげられなかった。
誰よりもそばにいたのに。
私は、誰よりも愚かだった。
恵美奈、
こんなバカな私が幼なじみで、
……ゴメン