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目指せ! 一流魔法使い☆
日時: 2012/05/26 18:42
名前: 果実 ◆i0yxwOSY66 (ID: GiW8wj2s)
参照: http://id9.fm-p.jp/392/nanaco07/

はじめまして、怡執です♪
私が初めて書かせていただく『目指せ! 一流魔法使い☆』はファンタジー小説になりますが、
マナーを守れない方(>>22)や果実のめちゃくちゃな文章が許せない方はUターンを推奨します。
それから、恋愛小説ではありませんのであしからずご了承ください。

※投稿の順番を間違えてしまったので、目次から読む事を推奨します。


              目次

第1幕“魔法と僕はイコールでつながるだろうか?”
 
【 序章 】  
  >>1

【 第1章 魔法検定 】 登場人物&身分についての説明 >>8
>>2 >>4 >>5 >>9 >>10

【 断章1 】 
  >>11

【 第2章 ほんとう 】 登場人物 >>13
>>12 >>14 >>15 >>16 >>17 >>23 >>24 
>>25 >>26 >>27 >>29 >>30 >>33 >>34

【 断章2 】 
  >>35

【 第3章 発動 】 登場人物 >>37
>>40 >>38 >>42 >>43 >>47 >>48 >>49 >>50  >>51
>>52 >>53 >>55 >>56 >>57 >>58 >>59 >>60  >>66 
>>67 >>70 >>71 >>72 >>73 >>77 >>78 >>79  >>80

【 断章3 】
  >>81

【 第4章 タカラモノ 】 登場人物 >>82
>>83 >>85 >>86 >>87


    お知らせ 
>>3  >>39 >>41 >>43 >>61
>>74 >>84
 




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Re: 目指せ! 一流魔法使い☆ ( No.23 )
日時: 2012/03/23 21:31
名前: 果実 ◆i0yxwOSY66 (ID: 5bYoqzku)

「だれか‥‥‥‥」
シーナ達は下敷きになっている小さな子どもに駆け寄り、
瓦礫を取り除こうとする。
「瓦礫、今除けるから待っ————」

シルヴィアの声を遮ったのは、彼女の背後から聞こえた、
があああ!という何かの雄叫びだった。
「ひぃっ」
シルヴィアの声を遮り、子どもに悲鳴をあげさせた、雄叫びの主は、

「ぐるるるるる」

5mもある、大きな犬だった。

「炎犬!?」

「炎犬?」
「暗く人気ひとけの無い場所を住処とする大型犬よ。
縄張り意識が高くて、住処に訪れた者すべてを焼き殺す獰猛な性格をしているの」

「焼き殺す? 火を使うんですか?」
シルヴィアは首を横に振った。
「使う、というよりも、
火——いえ、炎の呼び名が相応しいかもしれないわね——を“吐く”と言った方が
正しいかもしれないわ」
「吐くぅ?炎をぉ?」
「ええ。 ‥‥‥‥‥厄介な事に、あの犬はどうやら、」

「がぁうぅぅ!」
飛び掛かってくる炎犬をかわし、シルヴィアは言った。

「あの犬はどうやら、わたし達を縄張り荒らしだと勘違いしているみたいね」

Re: 目指せ! 一流魔法使い☆ ( No.24 )
日時: 2012/03/24 21:04
名前: 果実 ◆i0yxwOSY66 (ID: LGpjJ/hw)

いきなり炎犬が、炎を吐いた。
シルヴィアは間一髪でそれをかわし、
「‥‥‥‥‥‥とりあえず」
と呟く。

「足止めしておきましょう」
炎犬の周囲に、氷の輪ができる。
…が、すぐに炎犬の吐く炎で溶かされる。

「相性が悪いみたいね‥‥‥仕方がないわ、気絶させましょう」
氷で包もうとするものの、かわされてしまう。
しかし、シルヴィアはあきらめず炎犬に氷を包もうとし続ける。



炎犬の吐く炎をかわす事に意識を集中させてしまったのか、

「シルヴィアさんっ」

炎犬の鋭い爪が、シルヴィアを切った。

Re: 目指せ! 一流魔法使い☆ ( No.25 )
日時: 2012/03/28 22:09
名前: 果実 ◆i0yxwOSY66 (ID: 5o4jXN6y)

シルヴィアは体から血を噴き、倒れた。
「シルヴィアさん!」
シーナはそう叫び、シルヴィアに駆け寄ろうとした。
倒れたシルヴィアに、炎犬が前足を振り上げ、攻撃しようとした、その瞬間———

「っ危ない!」

光が、辺り一面を包んだ。











しばらく経ってから、レイチェルはゆっくりと瞼を開く。

彼女の瞳に映ったのは、
「きゅん」
小さな犬と、
「‥‥‥‥‥‥?」
茫然とした様子の、[無傷]のシルヴィアと、
仰向けに倒れているシーナの姿だった。

レイチェルはシーナの許に行き、シーナの顔を覗き込んだ。
傷を負い苦しげに気絶しているのではなく、
まるで寝ているかのように安らかな顔をしている。

「僕、見たよ!」

瓦礫から抜け出す事ができたのだろうか——子どもは言った。
「桃色髪のお姉ちゃんがね、雷をシルヴィアさんとあの犬と僕に落としたんだ。
そうしたらシルヴィアさんの傷が治って、あの犬は子犬になって、僕の上の瓦礫が消えたの!」

Re: 目指せ! 一流魔法使い☆ ( No.26 )
日時: 2012/03/30 22:17
名前: 果実 ◆i0yxwOSY66 (ID: .3z5wMXL)

魔法相談所フラーレ町支局の仮眠室——
気絶したまま起きないシーナをベッドに寝かせ、
シルヴィアはフレ遺跡で起きた事について調べに行った。

レイチェルはシーナの横たわるベッドの傍に置いてある椅子に座っていた。
その目は虚ろで、視線は宙を彷徨っていた。
悲しみから来た訳ではない。ショックだった訳でもない。
ただ、意味の分からない感情に悩まされていた。


“お姉さま”と慕ってきた人が命の危機に瀕したというのに、
わたしはただ立ち尽くす事しかできなかった————何も、できなかった。

役立たず。
無意味な人。

わたしは様々な人からそういう人だと思われたまま、生きていくのかもしれない。
少なくとも————シーナには、がっかりされただろう。
高飛車な態度をとってきたのに、
それに伴う実力なんて、勇気なんて、わたしには無いと分かったのだろうから。

‥‥‥‥ただ我侭なだけで、心の中は弱い。

そんなわたしを、好いてくれる人なんている訳も無く。

幼い頃、母が家出をした。
誰も彼女の消息を知らず、未だに母は家に帰ってこない。
わたしは寂しかったけれど、
それを他人に見せる事はプライドがゆるせなかった。

高飛車な態度で寂しくないフリをして、いつも心を偽った。
『わたくしは庶民とは違いますのよ!』
だけど、友達は変わらず優しくしてくれた。
『そうですね』

わたしは嬉しかった。

なのに。

友達はわたしがティペット伯爵——否、[権力者]の娘だから仲良くしてくれていた。
わたしを[レイチェル]として見てくれていなかった。

それどころか、影でわたしを罵っていたのだ。

『ホント、我侭でメーワクだよね』
『でも、仲良くしなきゃ。 [令嬢]なんだからさ』

『レイチェル様に権力が無かったらただのダメ人間だよね』
『それ言えてるかも』


友達だと思っていた人達の裏切りや、
父が多忙を理由にわたしにかまってくれなかった事で
わたしはますます寂しくなって、母に会いたくなった。

多くの人はわたしが母に会いたいなんて思っていないと考えているだろう。
憤りや憎しみを感じていると考えているだろう。

確かにわたしは、家族を置いていった母に憤りや憎しみを全く感じなかった訳ではない。
ただ、その感情よりも、『会いたい』気持ちの方が強かった。 

母に会って何を言うのか、何をどうするのか、自分でも分からなかった。
でも、とにかく、わたしは母に会いたくて、幼いながらもその方法を考えていた。

ある時、一流の魔法使いが大勢の人々を助けたという噂を聞いた。
わたしは、

『一流の魔法使いになったら噂が流れ、母に見つけてもらえるかもしれない』
『一流の魔法使いになったら父にかまってもらえるかもしれない』
『一流の魔法使いになったらほんとうの友達ができるかもしれない』

と思うようになり、魔法使いを志した。
幸い、わたしには魔法が使える可能性があると、王国の検査で分かった。
そして、旅に出る事になったのだ。


だけど、大切な人が傷付いているのに何もできないわたしは、
魔法使いになれないかもしれない。
いや、魔法使いになってはいけないのかもしれない。
魔法使いになった所で、わたしじゃ周囲に迷惑をかける事しかできないのだから。

Re: 目指せ! 一流魔法使い☆ ( No.27 )
日時: 2012/03/31 15:47
名前: 果実 ◆i0yxwOSY66 (ID: VnjWzITU)

『もしシーナが一流の魔法使いになったら、あたしと一緒に旅に出ような!』


シーナは跳ね起き、きょろきょろと辺りを見回す。
しばらくしてから、ここがフラーレ町の魔法相談所だと気が付き、

「さっきまで遺跡にいたんじゃなかったっけ」

と首を傾げた。
「だけど、」と目を細める。

「久しぶりに見たな————あの夢」
幼い頃の夢。なんで今見たのだろうか、と考え、

「あああああああああああああああああっ!!」

盛大に叫んだ。
「そうだっ、シルヴィアさんが炎犬に命を奪われそうになって、それで、」
再び、首を傾げる。
「それで‥‥‥‥」

あの時、脳裏に
『もしシーナが一流の魔法使いになったら、あたしと一緒に旅に出ような!』
という声が聞こえて、眩い光に包まれて、気が付いたらここのベッドで寝ていた。

——何があったんだろう?
身体が熱くなって、自分の中の[何か]が弾けるような、そんな感覚があったのだけど。

と、考えていると、
「シーナちゃんっ」
ばん、とシルヴィアが部屋に入ってきた。
「起きたのね? よかった。
‥‥‥‥実はね、あなたに関しての事で、超重要発表があるの」


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