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野球に恋した少女 【参照300突破!感謝です☆】
日時: 2013/10/05 19:08
名前: 凛璃 (ID: 4pC6k30f)

    

   『ここで選手の交代をお知らせします。七番、・・・に代わりまして、代打──』

    「厳姫宮ぁ!?」「誰だよそれ!!」「ノーアウト満塁の逆転サヨナラのチャンスなんだぞ!」

場内がざわめいた。無理も無い。ベンチから出てきたのは、聞いたこともない、そして────

     
       「じょ・・・、女子!?」


     九回ウラ、逆転サヨナラのチャンスでブーイングに包まれながら打席に立ったその少女の打球は──────





    『───伸びて、伸びて、入るか!?    ────・・・入ったああぁ!!サヨナラ満塁ホームランです!!!!』



   

    ───────これが、後に数々の伝説を作っていく、プロ野球史上初の女子プレイヤー、





    厳姫宮彩花─────いつくひめのみや あやか───────の、

    



       伝説の幕開けだった。

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Re: 野球に恋した少女(3) ( No.2 )
日時: 2013/07/19 10:56
名前: 凛璃 (ID: 7I10YEue)

       
 

 歓声に包まれた球場。ヒーローインタビューが行われる。

 「・・・はじめまして。この度入団しました厳姫宮といいます。」


 聡明な瞳のその少女は、戸惑い、はにかみながらそう言った。




 ────────私、男の子だったらな。
  
 大好きな野球。あこがれの世界。なのに────私はできない。
 いじましく好きな選手のマネをしてバットを振って、友達やお父さんとキャッチボールをするくらい。



 そう思っていたのに。

 「・・・君、野球やってるの?」

 最初は私に話し掛けているんじゃないと思った。突然、河原で野球好き友達と野球ごっこしてたら声をかけられた。

 「え?」普通にボール投げてただけなのに。
 「今まで野球とかやったことあるの?」
 「いえ、全然・・・。やらせてもらえなかったから。」





 これが、私のこれからの人生を変える出来事だなんて、思っていなかった。


 それなのに。









Re: 野球に恋した少女 ( No.3 )
日時: 2013/05/13 19:06
名前: 凛璃 (ID: 9/mZECQN)



     *作者から*

 みなさんどこの球団がお好きですか??

 明日から交流戦♪

 楽しみです☆
 
 でわ。。。

Re: 野球に恋した少女(4) ( No.4 )
日時: 2013/05/13 20:49
名前: 凛璃 (ID: 9/mZECQN)


 「今まで野球とかやったことあるの?」
 「いえ、全然・・・。やらせてもらえなかったから。」
 
 その言葉に、彼は自分の耳を疑った。

 まったくの初心者だというのか。それにしては・・・。
 綺麗すぎるフォームだった。体の回転を上手く使い、力んだ様子は全く無い。
 それなのに彼女が投げる球はとても伸びやかで、そして、

 ──────なんて変化だ。
 キャッチャー役の子がキャッチする直前に、きつく速くかかる回転は───

 スライダーか。

 「入団テストを受けてくれないか」

 気がつくと彼はそう言っていた。
 誰よりも、彼自身が驚いていた。
 プロ野球のスカウトをやって数年。何人もの高校球児や社会人野球選手を見てき た自分。
 
 その自分が、たまたま見かけただけの素人に、

 ──────よりによって女子に、こんなことを言うなんて。

 こんなのは馬鹿げてる。どこかで冷静にもう一人の自分が言っている。

 それでも。

 ここまで自分を惹きつけた彼女。

 理由はわからない。

 それでも、
 ────────彼女の可能性を、そしてそれを感じた自分自身を、彼は信じたかった のだ。


Re: 野球に恋した少女 【追っても無駄だと思っていたのに。】 ( No.5 )
日時: 2013/05/14 19:02
名前: あるのん ◆Q1iqZnWgTo (ID: YxL1EeSq)

初めまして!
野球、という題名につられてやってきた者です^^
私も野球好きなんで、楽しみにしています!
私も男だったら野球やりたかったなぁ〜…笑

ちなみに私の好きな球団は現在パ・リーグ最下位独走中の日ハムファンです笑

Re: 野球に恋した少女 【追っても無駄だと思っていたのに。】 ( No.6 )
日時: 2013/07/19 21:01
名前: 凛璃 (ID: 7I10YEue)

 現場は騒然としていた。プロ野球界で女子が通用するはずがない。そう言った首脳陣たちだったが、スカウトの熱意におされ、試しに・・・と一軍練習中のグランドの端でボールを投げさせたのだ。

 すると、
 「──────146キロぉ!?」

 綺麗なフォームから投げられるボールは、周囲の予想を遥かに超え───

 「ってか、なんで素人なのに硬球投げられるんだ」
 「あ、監督。なんでも父親が元高校球児で、小さい頃からよくキャッチボールしてたらしいです」
 「小さい頃から!?」
 なんつー危険なことを・・・。
 「これだけ実力があって今まで野球経験は無しか・・・」
 ふう、と息を吐いた。
 「どう思う」
 
 監督の三好は、ピッチングコーチに尋ねた。
 「信じられませんけど・・・。これなら通用するでしょう」

 だよな。
 身体は細いものの、フォームは文句のつけようがない。球速があそこまででるのは、身体の回転を上手く使えている証拠だ。

 身長172センチ、15歳、か───────。
 厳姫宮彩花。
 
 使える、か─────?

 そんな三好の思いは、彩花のバッティングを見て、確かな物となっていく。


 


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