コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

平成平安陰陽録【参照100超え!】【コメント大歓迎です!】
日時: 2014/01/19 22:51
名前: 岸柚美 (ID: X9g0Xy3m)

久しぶりに書きたくなったので書かせていただきます。

平安ものって憧れてたんですよ。

駄文かと思いますってかそのとおりなんですが、宜しくお願いします。

コメントも大大大歓迎してます!

今小説を読んで思ったことをぜひぜひ書いていってみてください。

なるべくコメントしてくださった人の小説へお邪魔してコメントを残そうと思います(当小説内でもお礼コメントを書かせていただきます)


★来ていただいた神様★

キャベツ様

NAMELESS様

namika様

もわのー様

てんまる様

ちるちる様

獅子柴様



では、楽しんでいってくださいね〜〜〜!

Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11



Re: 平安陰陽物語 ( No.5 )
日時: 2014/01/05 11:27
名前: 岸柚美 (ID: 6QQsLeeZ)

1−3




「晴彦—!朝よ!起きなさい!」

晴彦は、のそり、と起き上がると、制服に着替えて下に降りた。

あれからはや5日。

ずっとごろごろして過ごしたが…。はあ………。

リビングに行くと、目玉焼きとベーコンが乗ったトーストと、コーンスープが置かれてあった。

それを、座るのが面倒くさいので、たって食べる。

「こら、晴彦!立ったままで食べないの。」

全部あっという間に平らげると、鞄を持って玄関に向かった。

「晴彦、本当に大丈夫なの?学校、つらくない?母さん一緒に行こうか?」

母さんが後ろからついてきて、心配そうに尋ねる。

またここに過保護な性格が浮き彫りになってるよ…。

「いいよ、小学生かよ。大丈夫だって。行ってきます」

家の扉を閉めて、通学路じゃないほうに向かって歩いていく。

「……なんてな。」

そのまま土手のほうに向かって歩いていった。


「ったく。かったりー……。」

河原のそばにある土手の芝生の上に寝転がって、晴彦は空を眺めた。

後ろを自転車が通っていくが、とがめられることはない。

学校に行くことは乗り気ではない。

が、前みたいに親に迷惑はかけたくないがために一応家は出てきた。

…うわ。ちょっと待てよ俺。あんな親のことを心配してるってか。

げんなりとして、思わず起き上った。

時計を見ると、もうもう8時を回っていた。

いまさら言っても遅れるだけだし。さぼっちゃえ。

ふう、と息を吐き、川に向かって石を投げた。

坂のすぐ下が川になっている。結構深いため、ぼちゃんと深い音がする。

さて、ずっとここにいるにはちょっと無理があるしな。

町のほうに行ってみるか。

立ち上がった時、何かに引っ張られるように足が滑った。

「うあっ!?」

鞄が手から離れ、そのまま坂を転がっていく。

そして、


ダッパ———ン!


勢いよく川の中に落ちてしまった。

Re: 平成平安陰陽録【コメント大歓迎です!】 ( No.6 )
日時: 2014/01/05 12:21
名前: 岸柚美 (ID: 6QQsLeeZ)

1−4


川に落ちた晴彦は、まずもがいた。

あれ!?こんなにこの川って深いものだったか!?

自分の体をすっぽり覆ってしまっている。

その時だった。ぎゅるっと音がしたかと思うと、川底(?)に向かって水が吸い込まれていっている。

「うああああああああ!!」

息が苦しくなってきた。

やべえ、死ぬかも俺。

これも、学校をさぼろうとした罰なのか?神様。

意識がもうろうとする中、急に前が明るくなった。

「あだっ!?」

上から落ちたかと思うと川の石にしたたかにしりを打ち付け、晴彦は悶えた。

今、自分は深い河の中にいなかったか!?いや、それ以前に空から落ちた!?

ふとあたりを見渡してみると、先ほどと景色が違うのがわかった。

自分のすぐ後ろは、森になっている。

それ以前に、車や自転車の音がしない。人の声もしない。

なんだここは?俺、どうしちゃったんだ?

いろいろ混乱していると、森の中から人が出てきた。

人影が徐々にはっきりしてくる。

そのものの服装を見て、晴彦は絶句した。

その人は初老の老人だった。白髪交じりの長髪を…髷にして烏帽子の中に入れている。

服は狩衣と狩袴。そう、この者は、平安装束を身にまとっているのだ。

「坊主、なぜそんなところにいるんだ?というより、なんだその恰好は。珍しいな。」

気さくに話しかけてくるものの、晴彦はただいま絶賛混乱中だった。

な、なんだこいつ。コスプレイヤーか!?や、それにしては自然すぎるし…。

「なるほど…。主、水難の相が当たったのか。」

「す、水難!?」

「こんなところにいてもあれだ。わしの屋敷に連れて行ってやろう。」

そのままざぶざぶと川の中に入っていき、晴彦の手を引くとそのまま牛車のほうへ手を引っ張っていった。

今の時代に牛車か!?本格的だな〜…。

晴彦は完全にコスプレイヤーと認識していた。

さあっと視界が晴れた。その景色を見て、晴彦はまたも絶句した。

それは、ビルが立ち並ぶ京都の町ではない。約1000年前の、あの都平安京ではないか。

資格の囲いに囲まれて、中を牛車やら人やらが行き来している。

そして規則正しく並んだ屋敷には、蹴鞠をしている貴族がいる。

「ちょ、あの、えっと…。」

「安倍晴明。晴明でいいぞ。」

「晴明!?」

なおも晴彦は仰天し、老人の顔を凝視した。

安倍晴明といえば、平安時代にいた稀代の陰陽師で有名だ。

それと出会えるなんて…。というか、こんなに気さくだったのか、晴明。

「お、ついたな。」

しばらく放心していたため、あっという間についたように思える。

牛車から降りると、前には広々とした道が広がり、左横には安倍邸があった。

「……でかっ!」

「さ、いくぞ。お前の名は何という?」

「安倍晴彦です。」

「晴彦…。」

じっと晴彦の顔を覗き込む晴明。

「なんですか?」

「そうか…。お前が…。」

晴彦は頭の中が?マークでいっぱいだ。

「そのまあでは風邪をひく。中へ入って、着替えを持ってこさせるから着替えろ。」

にかっと晴明は笑うと、さっそうと中に入っていった。

——————————————————————————————————————————— 

「お着替えです。」

女房の一人が着替えを持って現れた。

当然だろうな。それは緑色の狩衣と水色の一重、そして紺の狩袴だった。

当時の人の中では、背が高いほうであった晴彦は、大人の服がちょうどいい。

着袴は済ませたか?とか、元服は済ませたか?とか聞かれても、なんて話したらいいか晴彦にはわからない。

とにかく狩衣と狩袴を着るが、うまく形が整わない。

どうなってんだ、これ?

それを、苦笑しながら晴明が見ていた。

「おまえ、やっぱりあちらの世界のものか。」

「あちらの世界?」

晴彦の着物を整えてあげると、その場にどっと座った。

円座を譲ろうとしたが、そこまで老いてはおらんよ、と晴明は遠慮する。

「お前の星の並びはなあ、安倍家伝来の並び方なんだよ。わしは陰陽師だ。星を読めば過去も未来もわかる。そん所そこらの陰陽師は2日3日の未来しか予測できないが、わしは無限だ。占ってみたら、見えたよ。」

「じゃあ、俺のことも…。」

「ああ。平安京が滅んでいることも、鉄の乗り物が並んでいることもな。まあ、こんなことは帝にはいえんがな。お前はわしの子孫にあたる。そして、星の並びがわしとそっくりなのだよ。だから時空に乱れが起きた。」

「で、俺がこっちに来たと。」

「多分な。おまえ、まだ元服してないのか?」

「こっちでは二十歳になんないと元服…もとい成人式は出られないんだ。俺はまだ14歳。」

「そうか。そこまではみておらんかったが…。まあいい。14て言ったらもう成人してるからな。官位は給わずとも、烏帽子ぐらいはいいだろうて。ほれ。かぶってみろ」

烏帽子をけとり、かぶってみる。

「柔らかっ!あれ?曲がる…。」

烏帽子は素材が柔らかい。くにゃん、へにょんと曲がり、イメージ通りぴんっとはならない。

これも、笑いをこらえた晴明がいそいそと直してくれた。

「一人で着られたらいいな。」

「っていうか、俺帰りたいんだけど。」

「さっき見てみたが、入り口はもう閉ざされているぞ。」

「ええ——————!!?」

晴彦の絶叫が安倍邸を揺らした。

Re: 平成平安陰陽録【コメント大歓迎です!】 ( No.7 )
日時: 2014/01/05 22:07
名前: 岸柚美 (ID: 6QQsLeeZ)

1−4



——その方法が見つかるまで、うちであずかろう。占ってみるから外で遊んどいで。

「…………って言われてもなあ。」

スニーカーも濡れてしまったので、これも晴明のを借りることに。

周りには、着物を着た人たちが歩いている。ああ、ここは平安時代なんだなあ、と改めて実感した。

「…にしても、あったかいなあ、ここは。」

平安京は、盆地の中にあるため、熱がこもる。

寝殿造りも、この熱をしのぐために設計されたものなのである。

何もわからずに歩いていくと、一つの山の上にたどり着いた。

「ありゃ。どこだ?ここは。」

土地勘が全くないため、これから安倍邸に戻ろうとも、どこにあるかてんで見当もつかない。

5日前にここに来たばかりだ。現在の街並みも全く知らないのに、過去のものなんて知る由もない。

ずんずん登っていくと、視界が開けた。そこは都が一望できる丘だった。

「うおお、すっげえ!ここ、あっちにもあるかなあ?」

桜が咲き乱れるこの季節だ。都の景色は見事なものだった。

「…誰かいるの?」

鳥のさえずりに交じって、少女の声がした。

ふと横を見ると、少女が座り込んでいるのが目に映った。

思わず、晴彦の心臓が波打った。

少女の面差しは、桜の精霊のように美しかった。

まだ幼さも残る顔。自分より一つ2つ下であろうか。

パッチリとした黒目がちの瞳に、長い睫。

ほおは桜色に染まり、唇は小さな花弁のようにちょこんとついている。

思春期真っ盛りの少年だ。こんなかわいらしい少女を見たら、ときめかないわけがない。

「私の特等席かと思ったら、知ってた人もいたのね。」

ふふ、と目元をほころばせて笑う。

またも心臓が波打ったが、悟られるのは恥ずかしいので必死に押し殺す。

「い、いや、俺はここに来たのは初めてで…。きれいだなぁ、ここ。君もよく見つけたね。」

「綾子よ。こっちに来て一緒に見ない?ここ、昔から私よく来てるの。秋が一番きれいなのよ。」

ぽんぽんと隣の地面をたたく綾子という少女。

じゃあ、言葉に甘えて…。と少し離れて腰を下ろした。

さあ、と暖かい風が肌を優しくなでていく。

排気ガスがないため、どこにいても山の中にいるような空気だ。

その時だった。

≪つ〜き〜の〜こ〜…………≫

ぞわっと神経が逆立つ。

振り向くと、どす黒い気がこちらに迫ってきているのがわかる。

冷汗が滝のように流れ落ちる。

こんなに気分になったのは、初めてだし、もう2度と味わいたくない。

≪みぃ〜つぅ〜けぇ〜たぁぁぁ〜〜〜〜………!≫

声にならない悲鳴が漏れる。

おぞましい姿をした蛇の妖。黒いうろこからは、赤紫の液体が噴出している。

「きゃああああっ!」

綾子が思わず立ち上がった。

≪この娘かぁぁぁ〜〜〜〜!≫

「やぶへびっ!!?いこう!逃げるぞ!」

足を懸命に奮い立たせて、晴彦は綾子の手をひっつかんで丘を下っていく。

≪逃がさない〜〜〜〜〜…………!≫




ドガアアアアァァァァ—————ン!!!!



すさまじい気が妖から放たれる。

衝撃波に吹き飛ばされ、二人は坂を転がり落ちた。

「大丈夫か!?」

「ええ、なんとか。」

頭をぶつけたため、くらくらするが頭を振ってやり過ごす。

綾子のほうは、尻から落ちたため少々の腰痛で済んだようだ。

ものすごいスピードで妖が丘を下って来る。

立ち上がろうにも、目が回って身動きが取れない。

それは綾子も一緒のようだ。

≪つ〜か〜ま〜え〜たァァァァ〜〜〜〜!!!≫

にたあっと笑った一つ目の妖は、口をがっぱりとあけて二人に迫ってくる。

「ちっくしょお………。やめろ……。やめろおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

晴彦が思わず叫んだ。その瞬間、



バリバリバリィィィィッッ!!!!!



光の膜が二人を覆い、妖の攻撃を退ける。

「な、なんだ、これ………。」

異変に気付いたのか、丘のほうにまで晴明が駆けつけてくるのが見えた。

凄まじい気だ。ふと、ここは安部邸のすぐ近くだというコトが判明した。

向こうのほうに、桔梗紋の提灯が見える。

「オン!」

符を構えて晴明が吼える。

「アビラウンケンシャラクタン!!」

符が空気に解けたかと思うと、炎の刃となって妖に襲い掛かった。

「晴彦!(風牙)と叫んでくれ!!」

「ふ、風牙!?」

そのときだった。

キイイィィィィン!!

と空気が震えたかと思うと、風の刃が妖にとどめを刺した。

≪ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!≫

妖は、黒い霧になって空気に解けていった。



——————————————————————————————————————————————————


2日後




「お前は、符がなくても陰陽術が使えるようだな」

「陰陽術…。」

「ああ、さすがはわしの子孫だ。」

にっこりと晴明が笑う。

二人は牛車の中に入っていた。

御所に近づいていて、一層家も豪華になってきている。

「どこに向かってるの?」

「まあ、いいじゃないか。」

二人がたどり着いたのは、物凄く広い豪邸だった。

「うっわあ………。」

という声しか出てこない。

「姫に謁見したいのだが。」

「わかりました。こちらへ。」

女房が二人を御殿へ案内していく。

東対屋にある個室に誘導された二人は、御簾の前に座った。

「綾子姫。安倍晴明にござりまする。」

「まあ、晴明様!?」

どこかで聞いたことのある少女のはじけた声。

御簾が跳ね上がる。目の前にいたのは、あのとき丘の上で知り合った少女ではないか。

「お久しぶりです。藤原綾子です。あら、そちらの子は、晴明様のところの方だったの?」

藤原といえば…………。あの左大臣家の、摂関家の、最高権力者の血筋の!!!!!!?????

「ま、マジでええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!???」

晴彦の絶叫が都中に響いたという。

Re: 平成平安陰陽録【コメント大歓迎です!】 ( No.8 )
日時: 2014/01/06 16:18
名前: きしゆずみ (ID: 6QQsLeeZ)

登場人物


安倍晴彦  

14歳

符を使わなくても印をくめば陰陽術をつかえる。

安倍晴明の子孫。平成生まれ

優しく、根は明るい子供だったが、「ある事件」をきっかけにひねくれた性格になってしまった。

腕時計と月長石の念珠を常に身につけている。





安倍晴明

59歳(年と時代があってないかもだけどスルー)

稀代の大陰陽師

狐の化生と人間のハーフ。

むちゃ気さく。

護符を何枚かと水晶の念珠を所持している。

Re: 平成平安陰陽録【コメント大歓迎です!】 ( No.9 )
日時: 2014/01/05 22:31
名前: NAMELESS (ID: 3iXrSoY/)

おもしろい!


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11



この掲示板は過去ログ化されています。