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平成平安陰陽録【参照100超え!】【コメント大歓迎です!】
日時: 2014/01/19 22:51
名前: 岸柚美 (ID: X9g0Xy3m)

久しぶりに書きたくなったので書かせていただきます。

平安ものって憧れてたんですよ。

駄文かと思いますってかそのとおりなんですが、宜しくお願いします。

コメントも大大大歓迎してます!

今小説を読んで思ったことをぜひぜひ書いていってみてください。

なるべくコメントしてくださった人の小説へお邪魔してコメントを残そうと思います(当小説内でもお礼コメントを書かせていただきます)


★来ていただいた神様★

キャベツ様

NAMELESS様

namika様

もわのー様

てんまる様

ちるちる様

獅子柴様



では、楽しんでいってくださいね〜〜〜!

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Re: 平成平安陰陽録【コメント大歓迎です!】 ( No.10 )
日時: 2014/01/06 15:13
名前: 岸柚美 (ID: 6QQsLeeZ)

NAMELESS様


面白いといっていただけてうれしいです!

頑張ります!ありがとうございます!

Re: 平成平安陰陽録【コメント大歓迎です!】 ( No.11 )
日時: 2014/01/06 16:16
名前: 岸柚美 (ID: 6QQsLeeZ)

第2話 藤原綾子




「今日もよろしくお願いしますね」

綾子がにっこりと晴明に笑いかけた。

「任せてくださいまし。」

晴明は自信たっぷりにそういうと、廊下に出ていって印を組んだ。

「オンアビラウンケンソワカ!!」

ピンっと空気が張り詰めた。先ほどから気になっていたのだが、東対屋は微弱な霊力が漂っていると思っていた。

それは薄い膜から、こちらに近づくにつれて強力なものになっていっている。

それが今、さらに強度を増して作られていた。

(なるほど…。これは晴明が作ったんだな……)

「さあ綾子姫。これでいいでしょう。前よりも強力に組んでおきましたゆえ。」

「いつもありがとうございます。」

「いつも…?いつもこんなことをしているのか?」

晴彦は晴明のほうを見ていった。

晴明は薄く笑ったまま、晴彦のほうに向きなおる。

「彼女は、左大臣藤原道長殿の一の姫なのだよ。」

「み、道長の!?」

「知ってるのか。」

「知ってるも何も、こっちの世界でも有名だよ藤原家は。でも、一の姫ってことは長女だよな?こっちでは、一の姫は彰子(しょうし)っていう女性だって聞いてるけど…。」

「やはりか…。」

「はい?」

急に表情を曇らせた晴明を、晴彦は怪訝な顔で見つめる。

しかし、すぐに笑みを取り戻すと、綾子に向き直っていった。

「姫。道杉様とお話がございますゆえ、わたくしはここで。あとは、この晴彦とお話をしていてくださりませ。綾子姫と同い年ですので、良い話し相手になるかと存じまする。」

「わかりました。ありがとうございました、晴明様。」

晴明は一礼すると、本殿のほうに足早に去って行った。

綾子は、満面の笑みで晴彦に向きなおる。話し相手がよっぽどほしかったんだろう。頭であれこれ考えてるんだろうなあ、ということがよく分かる。

「晴彦っていうのね?よろしくね。」

「ああ、よろしく…お願いします、綾子姫。」

さすがの晴彦でも左大臣の実の娘には敬語を使おうと思った。声明をマネていうと、急に綾子の表情が曇った。

「もうっ!私は綾子よ!姫って呼ばないで!同い年でしょう?お友達ならそんなもの付けなくていいはずだわ。」

すごい剣幕で綾子が怒った。

怒った顔もかわいいなあ、と思たが、すぐにその気持ちは抹消した。

「そうだね。俺もそっちのほうが使いやすいよ。ごめん。」

頭を掻くと、綾子はまた笑みを取り戻し、「いいのよ。こっちこそ急に怒ったりしてごめんね。」とまた笑った。

「でも、一の姫なら東三条殿にいるはずだろ?なんでこんなところにいるんだよ?」

「東三条には、妹の彰子しょうこがいるわ。彼女が一の姫ってことになっているの。」

「…複雑なことでもあるんだ?」

ふと下から顔を除くと、少し笑みが消えていた。

着物の端を少しつかんで、その指がわずかに震えている。

「私ね…かぐや姫の呪いがかかっているの。」

「かぐや姫の、呪い!?」

かぐや姫と言ったら、あの竹取物語に出てくる月の姫だ。

おとぎ話の国のものの呪いが、なぜあるのか。

「あれはおとぎ話なんかじゃないの。かぐや姫は月の姫。そして…、元は罪人だから。」

「罪人なんだ!?」

「そう。帝に献上した不老不死の薬が呪いの始まりといわれているの。」

綾子は淡々と話し始めた。

「当時の藤原の当主は、不死の薬がほしくてたまらなくて、こっそり飲んでしまったの。残りは駿河の国の富士山で燃やされてるけど…。その薬は月のもの以外の人が飲むと、邪気を体の中で生んでしまうの。500年前の当時の当主は、それによって妖に食い殺されてしまった…。そして、今度は私の番。これを見て…。」

すっと、着物の裾をめくっていく。二の腕のところに、まがまがしいあざがあった。

それは炎と月が合体したような形の、赤黒いもの。

「これは、呪いのしるし。これが、邪気に近づくと炎が燃え広がるように体中に広がっていくの。そして、体中を覆ってしまった時、邪気の塊となって死ぬ。」

「じゃあ、2日前のもやばかったんじゃあ。」

「うん。私はもともと霊力が高くて、見鬼の才が人よりも数十倍強いの。だから妖に狙われるんですって。それが東三条に来たら、藤原家が滅亡する可能性が高くなる。だから、お父様は左大臣藤原家から私を追い出し、戸籍も書き換えて、彰子を一の姫にしたの。そのことを知っているのは、彰子と、私の両親と、今私がお世話になっている叔父上の藤原道杉様。晴明様には、いつもこうして結界を張ってもらっているのよ。」

ふふ、と綾子は笑った。ふと、晴彦はこんな素朴な疑問が込み上げてきた。

「でも一応藤原のお姫様なんだろ?何であんなところにおつきの女房なしで。っていうか、扇も持ってなかったよね。貴族の女性なのに。」

「お姫様って言わないで!こんな家に毎日毎日いるのも体がなまるのよ。よく脱出しては、街で買い物したりとか、あの丘に行ったりしてるわ。私霊力が強いって言ったでしょ?遠いところの邪気も感じ取れるから大丈夫なのっ。」

ふう、と肩をぐるぐる回すお姫様。こんなお姫様見たことないなあ。

「御簾とか使わなくてもいいのか?女房に何かといわれそうで怖い。」

「なんで御簾や几帳越しにしないといけないのよ。面倒だわ。それに、晴彦は大丈夫よ。だって、晴明様のところの方なんですもの。私も聞きたいんだけど、なんであなたはそんなに髪が短いの?」

えっ!と晴彦は戸惑った。

これは言っていいことなんだろうか…。信じてもらえないんだろうけど…。

「えっと……。趣味で!」

「本当のことを言って。嘘言ってるでしょう。口固いから大丈夫よ。絶対に言いふらしたりなんてしないわ。」

み、見破られている…………。

観念した晴彦は、綾子を信じてすべてを話した。

「そう、あなたはここの人ではないのね?」

「そーゆーこと。だから、髪の毛だって個々の人とは文化が違くなってるから短いってわけ。」

「ふううううん…。」

綾子はしばらく考えた後、パッと表情を変えていった。

「すごいすごい!ねえ、そちらの世界では、女性も人お前に出たり、働いたりしているの?」

「うん。ここみたいに差別も偏見もないよ。むしろ女性のほうが強いくらいだ。」

「へえええ。いいなあ。私もそこに生まれてくればよかった!」

「綾子が!?」

「清少納言の枕草子!あそこの意見とおんなじよ!箱入り娘なんかより、働く女性のほうがよっぽど奥ゆかしいわ!」

本をつかんでうっとりと目を閉じる綾子。

そのしぐさが妙にかわいくて、晴彦は少し下を向く。

「あ、もうこんな時間か。」

腕時計をしてきたままだということを思い出した。

これは防水式のため、特に壊れてなかったのでいつもつけている。

申やら午やらいわれても、こっちは何もわからない。

「晴明様が出てきたわ。」

「じゃあ、俺一緒に帰るな。」

すっと立ち上がり、妻戸を押して外に出ようとすると、「待って!」と声がかかった。

「どうしたんだよ?」

「この間の御礼!持ってって!」

綾子が持っていたものは月長石ムーンストーンが連なった念珠だった。

「どうしたの、これ。」

「近衛兵に頼んで、こっそり掘り場所へ連れてってもらったの。少し持って帰って、これで腕輪とか首飾りとか作ったのよ。きれいでしょ?晴明様が念を込めてくださったもので、2つあるから晴彦にも。陰陽師には欠かせないものだから。」

なんてアクティブなお姫様だ…。

ご厚意に甘えて、もらうことにした。

「ありがとう。大事にするよ。」

にっこりと綾子がほほ笑む。

また心臓が波打った。

「じ、じゃあ、俺っ、帰るな!!」

「また一緒にお話ししましょうね」

手を振って見送ってくれた綾子の顔が、なぜか離れなかった。

Re: 平成平安陰陽録【第2話更新】【コメント大歓迎です!】 ( No.12 )
日時: 2014/01/06 17:21
名前: 岸柚美 (ID: 6QQsLeeZ)

2−2




「晴明!もう終わったのか?」

晴彦は、門へ向かう晴明にやっとのことで追いついた。

「もうばててるのか?」

「あったりまえだ!あそこからここまで200メートルっ!走ってきたんだぞ!」

この家は、身分も貴族でいえば中の上くらいだ。

それでもここまで来るのに結構時間がかかる。東三条殿はこれよりウン十倍広いというから驚きだ。

「メートル?わかんないが、あれくらいでばててるようじゃ、いかんな。」

「何が?」

「陰陽術を使えるんだ。伸ばしておきたいだろ?それに、こんな無才爺さんよりも、お前のようにぴちぴちした若い奴のほうが綾子姫も喜ぶじゃろうて。」

にやり、と晴明が意地悪そうに笑う。

「だ、だから何?」

綾子の名を聞いて、先ほどもらった念珠のことを思い出す。

あの笑顔やしぐさがどうにも頭あら離れないのはなんでだ?

そんな晴彦の意図は晴彦以外見たらわかる。

「綾子姫をお前にまかそうと思うのだが。」

「綾子っっっ………!姫を?」

公衆の面前で、綾子のことを呼び捨てにしそうになった。

周りには女房や近衛兵やらがいる。

バレたらやばいことになるのは必至だ。

「何で、姫を俺に?」

「それは…中で話そう。」

乗ってきた牛車に乗り込み、窓を閉めた晴明の顔は、いつになく真剣だった。

「お前があちらの世界に帰れる方法を占ってみたんだが、どうも妖が関係しているらしい。」

「妖が?」

「そうだ。お前が時空をゆがめ、かぐやの後継とまであってしまった。いろんなことが重なって、108の魑魅魍魎が解き放たれてしまったのだよ。」

はるか昔に都中の陰陽師総出で封じ込めた108の魑魅魍魎。

500年に一度、かぐや姫の呪いを持つものと、それを救うものが現れるという。

救うものは、毎度毎度、へんてこな服を着て現れては、108の月の怪物を倒し、かぐやの呪いを解いて帰るというものだ。

因みにこれは、占いで出たのは魑魅魍魎だけで、あとは参考文献【かぐやの呪い】を参照。

「というわけだから、帰ったらいろいろ試したいことがある。」

「………わかった。」

108の月の化け物…。

どんなものかは知らないが、本当に自分は元の世界に帰れるのか?

と、自分がいた世界を思い出してみる。

「……なんだかなぁ………。」

戻りたいのは戻りたいが、戻ってからがまたキツいだろう。

あんなことがあって、学校になんていけれるか…?

晴彦は、一人念珠を握りしめて考え込んでいた。

Re: 平成平安陰陽録【第2話更新】【コメント大歓迎です!】 ( No.13 )
日時: 2014/01/06 18:07
名前: もわのー (ID: iuL7JTm0)

おおお、面白い!!平安もの大好き!!
晴明さんナイスキャラですねw
「ある事件」とは...続きが気になります。
更新頑張ってください♪

Re: 平成平安陰陽録【第2話更新】【コメント大歓迎です!】 ( No.14 )
日時: 2014/01/06 23:38
名前: きしゆずみ (ID: 6QQsLeeZ)

もわのー様


平安もの好きなんですか!同士(笑)!

晴明のイメージはくそったれな狸爺です。

ある事件のの事はもう少し先ことになるので楽しみにしておいてください(≧▽≦)


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