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ジャムのように甘く優しい恋物語【番外編募集!】
日時: 2015/06/14 08:28
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

おいしそうなキャラの名前に定評があるモンブラン博士です(笑)初の恋愛物を書くことにしました。
まだまだ未熟だとは思いますが、精いっぱい書きますので、応援よろしくお願いします!

お客様
五線譜P(紗悠)さん 高坂桜さん
ねむねこさん 蛍光灯さん
妖怪カルピス男さん愛欄さん
かぼちゃさん雪兎さん
甘楽さん 風死さん
高坂桜さんひよこさん
イフリートさん 朝色さん
意地悪マジシャンさん 姫鎖蘭さん
金目鯛さん

登場人物紹介>>19
読者様投稿キャラ紹介>>48
キャラのイメージ声優>>45
番外編>>67

プロローグ>>3

第1回>>4第16回>>35
第2回>>5第17回>>36
第3回>>6第18回>>37
第4回>>9第19回>>38
第5回>>10第20回>>49
第6回>>11
第7回>>14
第8回>>15第21回>>77
第9回>>18第22回>>78
第10回>>20第23回>>81
第11回>>23第24回>>84
第12回>>28
第13回>>29
第14回>>30
第15回>>31

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Re: ジャムのように甘く優しい恋物語 ( No.27 )
日時: 2014/10/02 05:33
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

五線譜P(紗悠)さんへ
ありがとうございます!五線譜P(紗悠)さんもがんばってください。ご声援ありがとうございます!

Re: ジャムのように甘く優しい恋物語 ( No.28 )
日時: 2014/10/02 08:38
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

ハニーside

私は徹くんの行方が気になったので、彼を追いかけようと、走ってはいけないと注意書きのある廊下を走り始めた。そのとき、バンッ!と誰かと正面衝突してしまった。

いたたたたた…

「あの、ぶつかって、ごめんね」

起き上がって、ぶつかった人の顔を見て、私は息を飲んだ。
その男の子は、美形と言われているフレンチくんやヨハネスくんよりも更に綺麗な子だった。
糸のようになめらかで、サラサラとした細い金髪のおかっぱの髪。
青いコバルトブルーの切れ長の瞳、優しくて愛くるしい笑顔からこぼれる白い歯、まるでお人形のように長い逆さまつ毛、すっと整った鼻に薄い唇と細い顎、女の子のように細身で華奢な体躯にブレザーを着たその姿は、まるで天使のようだった。

「けがはない?」
「は…はい…」
「よかった。えっと、初めまして。2組のハニーさんだよね。僕は5組のアップル=ガブリエル。よろしくね」
「うん。こちらこそ、よろしくね!」
「どうしたの、顔が赤くなっているみたいだけど…」

やだ。私ってば、彼の顔を見すぎて赤くなっちゃってたんだ。

「ううん、なんでもない。大丈夫だよ。ありがとね」
「よかった。そろそろ休み時間が終わっちゃうから、教室に戻ったほうがいいみたいだね」
「そうだね」

彼の言葉に急いでそれぞれの教室に戻ったけど、しばらく彼の爽やかで優しい笑顔を忘れられなかった。

もしかして、彼が絶大な人気のある美少年って噂の「アムール」なの?

Re: ジャムのように甘く優しい恋物語 ( No.29 )
日時: 2014/10/02 11:01
名前: モンブラン博士 (ID: CMSJHimU)

フレンチside

屋外に上がって、外の景色を眺めながら、僕はジュースを飲む。
屋外に上がっちゃいけないってことは、学校のルールで知らされているから、もちろん僕は知っているけれど、僕にはそんなこと関係なかった。

見つかって、怒られてもいい。

ただ、僕は屋上で気持ちのいい空気を吸いながら、自分の存在意義について考えたいんだ。

僕から可愛さをとったら、いったい何が残るのだろう?

もしかすると、何も残らないのではないだろうか—そんな恐怖が僕を襲う。
背筋がヒヤリと冷たくなる感覚を覚え、ふと、視線が下に移る。
ここから下まで軽く10メートルはある。ここから落ちたら、僕は死んでしまう。もし、背後から僕を誰かが突き飛ばしたら、僕は落下防止用のフェンスを飛び越えて、外に放り出され、そのまま落下して—

嫌だ、そんなこと、考えたくもないっ!

自分の考えが恐ろしくなり、フェンスから1、2歩後ずさりをする。
するとそのとき、後ろのドアが開いて、誰かが僕に歩みよってくるのを感じた。

「おいおい、こんなところで、自殺なんかされちまったら、第1発見者になる俺が困るじゃねぇか」

振り返ると、そこには先ほど僕の可愛さに難癖をつけた徹先輩がいた。

「どうして、僕がここにいるとわかったんですか?」
「…そんなこと、どうだっていいじゃねぇか。今わかっていることは、お前はここから飛び降りようとしたが、怖くてできなくなり、尻餅をついたところを、俺に発見されたってわけだ」
「……」
「フレンチ、俺は先ほど『生き様を見せろ』と言ったはずだぜ…それなのに死に様を見せられたら、たまったもんじゃねぇな」
「自分の—存在意義がわからないんです」

なぜだろうか。このとき、僕は憎んでいるはずの先輩に自分の胸の内を打ち明けた。

「—そうか」

彼は夕日を背景にして仁王立ちになり、口を開いた。

「ならば、お前の存在意義ってやつを見つける手伝いをしてやるか。
俺にいい案がある」

そして彼が僕の耳元で囁いた内容は、驚きのものだった。

Re: ジャムのように甘く優しい恋物語 ( No.30 )
日時: 2014/10/02 20:22
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

アップルside

僕は学校から帰った後、自分の部屋で少し考え事をしていた。
今日は、本当に色々な事があったと思う。
まず、ヨハネスくんに愛の告白をされたこと、ハニーさんにぶつかってしまったこと…徹さんが僕たちのクラスに遊びに来たこと…

それらのことが、僕の頭を何度も何度も駆け巡る。
ヨハネスくんは、あの後すぐに良くなって、元気になって一緒に帰った。もっとも、彼は僕に気を使ってか、あえて告白の話はしてこなかったけど。

それにしても、休み時間、ハニーさんには悪いことしたなァ…

曲がりなりにもぶつかってしまったのは事実だし、ここは、ちゃんとお詫びも持っていって、謝った方がいいだろう。そう考えた僕は、ヨハネスくんに、ハニーさんの家がどこにあるのかを聞くべく電話をかけた。



「これでよし。ハニーさんが喜んでくれるといいんだけど…」

僕は一番の得意料理である、苺をたっぷり使ったタルト=タタンを作って、綺麗な箱に入れて家を出た。
小さい時から、僕はケーキ屋さんであるママと、亡くなったおばあちゃんの影響で、お菓子作りが好きだった。
ママの指導もあってか、今ではかなりのお菓子を作ることができる。

その中でも一番得意なのが、タルト=タタンだ。
タルト=タタンはアメリカの伝統的な家庭のお菓子で、キャラメル状になった砂糖が美しさと香ばしさを演出する、僕は作るのも食べるのも大好きなお菓子だ。

ハニーさん、喜んでくれると嬉しいな。

Re: ジャムのように甘く優しい恋物語 ( No.31 )
日時: 2014/10/02 21:25
名前: モンブラン博士 (ID: EhAHi04g)

ラグside

玄関のインターホンが鳴りましたので、僕が応対に出てみますと、そこに立っていたのは、金髪のおかっぱが特徴の美しい男の子でした。
彼の周りからは、まるで太陽のような光り輝くオーラが発せられており、長く見続けていると、僕の目が潰れてしまいそうです。

「突然お邪魔してすみません。僕は、ハニーさんと同じ学年のアップル=ガブリエルと言います。今日、ハニーさんに不注意からぶつかってしまって、お詫びをしようかと思い、タルトを持ってきました」

彼は、キラキラと輝くまさに天使のスマイルとでも言うべき、非常に優しく、それでいて可愛らしい笑顔で、僕にタルトが入っていると思しき箱を渡します。

「どうも、アップル様、ありがとうございます。お心遣い感謝します」

僕は微笑みを浮かべ、箱を受け取り、彼を見送り、彼が完全にいなくなったのを確認して、急いでドアを閉めて、ズルズルとドアにもたれかかりました。
もし、今の彼が学校で親しいとしたら…ここ数日でのお嬢様の様子から想像するに、もしかすると彼と仲がいいのかもしれません。
つまり、先ほどのアップル様は、僕にとっては、超強力な恋のライバルと言うことになるわけです。
取りあえず僕は、彼の持ってきたタルトをご主人様とお嬢様と一緒に食べることにしました。

僕は普段は電気で充電していただいていますが、食べ物を体内エネルギーに変えて動くこともできますので、食べる分には問題ないのですが—果たして、彼が作ったと言うタルトのお味は、一体どんなものでしょうか。
恐る恐る、口へ運んで一口かじってみますと、そのあまりの美味しさに涙が次々に毀れはじめました。
サクッと噛みますと香ばしい苺のキャラメルと苺のクリームの、優しくも甘酸っぱい味が口いっぱいに広がって…なんて美味しいタルトでしょう!
涙で潤んでよく見えないのですが、お嬢様もご主人様も泣いているようです。

「このタルト=タタン、本当に美味しいです……!」
「私も、これほど美味しいタルトは人生で初めてだ。作った子の真心がこもっている」
「すごく美味しいよぉ〜」

料理は人の心を現すと言いますが、すると彼の心はどれほど澄み切っているのでしょうか。
そして僕は、こんなにも素晴らしいタルトを作れる、外見だけではなく心もとても綺麗な人がライバルだと言うことに、ショックを隠しきれませんでした。

彼がライバルだと言うことが、僕の思い過ごしだといいのですが……


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