コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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桜とともに【祝!完結!】
日時: 2016/01/23 19:59
名前: トイプードルマロン (ID: 5prxPZ/h)

はじめまして。初めてなのでいろいろわからないこともありますがよろしくおねがいします。人に自分の小説を見せるのは緊張します。さて、初めての作品は中学生のお話にしようと思います。頑張って書きますね。
☆キャラクター設定☆
立花 たちばなかおる もてるけど彼女はいない男子。
光田 みつだあき   ショートカット。アホ毛が少し気になる。   
照山 紅葉てるやまもみじメガネ男子。結構不愛想。
古里 ふるさとれん  女子高に通っている。サラサラのロングヘア。
笹葉 さら(ささばさら)  秋と同じクラスで、仲がいい。ツインテール。
実はキャラの名前には共通点があります。わかりやすいですが・・・。

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Re: 桜とともに〜35〜 ( No.68 )
日時: 2015/12/13 13:47
名前: トイプードルマロン (ID: V3xQLAnQ)

「綺麗…。」
「ありがと。あのさ…。この桜、見覚えないか?」
「……」
「やっぱ、覚えてないよな。」

そう呟くと、立花は少し悲しげな顔をして、立ち上がった。
「ごめん…。もう、いいや。」
「……えっ。」
「鍵、置いとくから。」

は…?自分から呼び出しといて何それ?
なんて思いながら絵を眺めていると、突然頭の中で記憶がよみがえった。
「!私、この景色…」
見たことある!

鍵なんて忘れ、ただひたすら走った。

あの桜、あの時の…!
前方に立花が見え、私は抱きつくような勢いで立花に叫んだ。
「待って!」
「…!」
気のせいか、こちらを向いた立花の耳が赤くなっていた。

Re: 桜とともに〜36〜 ( No.69 )
日時: 2015/12/13 13:47
名前: トイプードルマロン (ID: V3xQLAnQ)

「どっどうしたっ?」
少し動揺し、カミカミで聞いてくる立花。
…ちょっとかわいい。

「いや、あの…。」
「もしかして、思い出したのか?あの日のこと。」
「そうかも…。」

…あの日。私の家ともみじの家合同でお花見に行ったことがあった。
「やだ〜お父さんたら。昼間からお酒なんて。」
「飲むために持ってきたんだろう、なあ?」
「そう、そう。ほら、母さんも飲めばいいじゃないか〜。」
「もう!だれが運転するのよっ!」
お父さんたちの息ぴったりの言い訳と、怒り出すお母さんたち。
とても和やかな時間が流れている中、やはり私たちも楽しく遊んでいた。
しかし、子供とは怖いものだ。

「キャー!」
「何?どうした?」
「秋がっ!」
「わーっ!」
「だから、どうしたの?!」
「「秋が、滑って川に落ちた!」」

もちろんもみじは泳げない。
お父さんはデロデロに酔っているし、お母さんが助けに行っても服が邪魔で泳げないだろう。
「流れが穏やかなのが不幸中の幸いだけど…。」
「警察呼ぶか?!」

動揺してめちゃくちゃな家族たち。
その横を、一人の少年が駆けていった。

Re: 桜とともに〜37〜 ( No.70 )
日時: 2015/12/14 20:10
名前: トイプードルマロン ◆GpUAaOdKuo (ID: FOn.NxJ9)


「おいっ!君、危ないぞ!」
「…知ってる。」
彼はそう言い残して、川に入って泳ぎだしたそうだ。
流れが穏やかなものの、川である。
顔面真っ青で流されかけていた私のもとへきれいなフォームの泳ぎで近づき、私を救出したのだった。
しかし、私を家族のもとに返したら礼も聞かず駆けて行ってしまったらしかった。

「まさかあんた、あの時の…!」
「…そう、だよ。偶然だな。」
そう言って立花が笑った。
「……そうだったんだ。今更だけど、ありがとうございました。」
そう言って礼をしておく。

「あの…まだ話はあって。」
「…うん。っていうか、よく覚えてたねえ。」
「あんなこと、めったにないだろ。で、初めて見た時にあの子になんか雰囲
 気が似てる気がしたんだ。で、見てたらなんかそっくりだなって。
 おっちょこちょいなところとか。」
そう言ってくすっと笑った。
「…?」
「前、こけた時があっただろ。4月。」
「え?ああ。って、あれ、もしかして…押したの立花なの…?」
「…いや、反応面白いだなって思ってさ、いやあごめん。」
「はあー?何それ?チョー迷惑!最っ低!」
でも、笑ってる立花を見たらあんまり怒れなかった。
何だろう、これ…。

Re: 桜とともに〜38〜 ( No.71 )
日時: 2015/12/15 17:34
名前: トイプードルマロン ◆GpUAaOdKuo (ID: FOn.NxJ9)


「でさ…。なんか、ずっと見てたらすごいかわいいなって思って。
 で、そばにいたいなって思ってさ。」
「…誰が?」
「え、秋。」
分かりきった事を、と言いたげな顔で立花が言う。

「…!」
なんでそんな恥ずかしいこと普通に言えるの!?
「…もしかして前住んでたのって神奈川?」
「正解!なんでわかったの?」
「いや…。」
県民性漫画を読んでたことがここで生きるとは…。
(秋ちゃんは「うちの○○では」という漫画の愛読者なのです。by筆者)

「なんで俺が秋を好きになったか、わかっただろ。」
「…うん。まあ、それなりに…。」
「じゃあ、もう一回言う。今度は真剣に考えてほしいんだ。」
じゃあって何、接続詞の使い方おかしいよ。
そんなことを思いながらも、真剣な立花の目を見たら何も言えなくなってしまった。

「秋…。好きだ。」

Re: 桜とともに〜39〜 ( No.72 )
日時: 2015/12/17 17:29
名前: トイプードルマロン ◆GpUAaOdKuo (ID: D71pwe7j)


「……。」
どうしよう…!

今までは、ただ無条件に振ってた。
男子と付き合うことなんて考えられなくて。
今までは、男子にはもみじの面影を求めてしまっていた。
ん…?なんでそんなことしてたんだろう?まるで私がもみじのこと…

『なんで、香くんのこと、振ったの。』
突然、そう行ったさらの顔が浮かんできて…
そうだよ。何考えてたんだろう私。
私がOKしちゃたら、(多分)立花が好きなさらは告白することなく振られてしまう。
そんなのやだ…!

「秋?」
「…!ええっと、」
「返事は、今ほしいわけじゃないから。よく考えてほしいんだ。」
「あ、ちょっと待って!」
「もみじのこととか全部忘れて。これからのことを考えてほしい。」

なんで立花がもみじのことを…とは一瞬疑問に思ったけど、
そういえば表彰式のこと教えてきたの立花だったよな…
しかし、そんなことはすぐに頭の中からは消えた。


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