コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 夏の秘密 【12.14 ファジーへ引っ越します】
- 日時: 2014/12/14 16:39
- 名前: まーにゃ ◆znJHy.L8nY (ID: WoqS4kcI)
誰にでも、絶対に知られてはいけない秘密は存在する。
例えそれが、親友であっても、恋人であっても、家族であっても。
なぜ知られてはいけない?
その答えだって、鍵をはずすことはできないのだ。
これは、己を守り抜く、夏の戦い。
*******************
こんにちは。まーにゃと申します。
今は冬ですが、舞台は夏の小説です笑
コメディなのかシリアスなのか、非常に曖昧で迷ったのですが、こちらに投稿しました。
ぜひお時間のある際に、ちょろっと読んでみてくださると嬉しいです。
感想などもしありましたらよろしくお願いいたします。
◆訪問数100達成ありがとうございます。
◆全体的に少々描写の追加訂正を致しました。(12.14)
◇引っ越しのお知らせ >>28
- Re: 夏の秘密 ( No.1 )
- 日時: 2014/12/13 22:29
- 名前: まーにゃ ◆znJHy.L8nY (ID: WoqS4kcI)
◆Maine
広井 ほのり(ひろい ほのり)
実は今年で23歳になる高校2年生。
桐岡 学(きりおか まなぶ)
実はカンニング常習犯の成績トップ高校2年生。
斉藤 純(さいとう じゅん)
実は吸血鬼の子孫の高校2年生。
前田 蓮香(まえだ れんか)
実は広井、桐岡、斉藤を殺そうと企んでいる高校2年生。
柚野 春哉(ゆずの しゅんや)
転校生。何の秘密ももってない高校2年生。愛称はハル。
◆目次
01 夏の秘密 >>2-21
02 血脈 >>22-26
03 イカサマ
04 恐怖の矛先
05 ハルの秘密
06 ほのか
07 負け戦
08 学の告白
09 サウダージ
10 ともだち
- Re: 夏の秘密 ( No.2 )
- 日時: 2014/12/13 22:54
- 名前: まーにゃ ◆znJHy.L8nY (ID: WoqS4kcI)
◆01 夏の秘密
高校の最寄り駅、改札前で9時に待ち合わせ。改札の向こう側の電光掲示番に映るデジタル時計は、既に9時45分を示していて。俯いてスマートフォンを弾いている桐ちゃんに、皆遅いね、なんて声をかけてみる。声をかけられたことに余程驚いたのか、ばっ、と顔を上げぎこちなく頷かれた。肩にかけたそのヘッドホンは彼のトレードマークともいえるだろう。そして、困った顔でそのコードをくるくると指に絡ませるのは、彼のちょっとした癖なのだと思う。ハルくんがいないと、この子はお喋りが苦手そうなのは前から感づいていたが、あまりの不器用さに私の方が少し驚かされた気分だった。
ハルくんが時間通りに現れないのは、普段の学校生活の遅刻回数からも理解できる。蓮香も、気まぐれで来るのが面倒になってしまったのかもしれない。だけど、純さんまで遅れるなんて、少し意外。礼儀正しくて真面目なイメージの純さんだったから、待ち合わせの10分前くらいには来ていそうな感じがしたのに。何かあったのだろうか。
それにしても、暑い。八月半ばの真夏だから当たり前だけど。此処に向かう途中で貰ったウェットティッシュを使い、首筋を拭いた。冷たくて気持ちが良い。今はティッシュ配りもただのティッシュではなくて、ウェットティッシュなんて贅沢なものを配っているからありがたいな。ふと、ウェットティッシュの包装に書かれた広告が目に入る。“普通自動車免許! 取るならこの夏!”——そのフレーズは赤と黄色な派手な字で広告の半分を埋めていた。
免許か……。
同居しているおばさんには、23にもなるんだから免許の一つくらい持っていた方が便利よ、だなんて言われて教習所に行くことを予てから勧められていた。夏休みはキャンペーンでこんなに安くなっているんだから、そう言って教習所のパンフレットを渡してくれるのも、嬉しい半面正直辛かった。
私は、歳は離れているけど、確かに今を高校生として生きている。本物の17歳に戻りたいとか、そんなことは思わない。でも、今の本当の自分と向き合ったとき、15で中学を卒業してから今までの時間がすっぽり抜けてしまっているような、床が脆く外れたような、そんな虚しさが襲うときがある。だからって現実逃避をしたいという意味でもないし、ずっと誰かを騙したまま生きていくなんてしたくないし、いつかはみんなに本当のことを伝えたいと思っている。ただ、今はその時ではないのを一番理解しているのも私だ。それだからこそ、上手く応えらないおばさんの優しさが辛かった。
「ハル!」
前触れなく隣から弾くような声がしたので、我に帰った。ハルくんと蓮香が二人で学校の方角から此方へ歩いてくる。私たちに向かって軽く手を挙げるハルくんに、飼い主を待つ子犬のような顔をする桐ちゃんが微笑ましかった。
「悪いなー、遅くなって! 昨日学校に遊びに行ったらさ、携帯忘れちゃって。今日朝一で取りに行ったついでに屋上にでたらさ、すっげー気持ちよくていつの間にか寝ちゃって! あ、蓮香はその後たまたま廊下でさっき会ったんだけど。ていうかお前も偉いよな、蓮香。わざわざ図書館に本返しにくるとかさ! この夏休みに! フツー俺だったら休み明けまで借りちゃうし。ま、俺そもそも図書館で本とかあんま借りないけどさ、でもでも——」
いつの間にか寝ちゃって、の辺りから流し流しに聞いていたのだけど、ハルくんの長い話がやっと終わったようなので、そうなんだ、とレスポンスをしておいた。相変わらず彼は良く喋るな。隣で呆れ返っている蓮香に、思わず私も苦笑いしてしまった。
「借りたら返すのが当たり前でしょ。で、斉藤くんはどこなの?」
長くて綺麗な茶色のパーマをさらりと肩から払う仕草をした蓮香が、 気だるそうに問うてきた。
「それが、まだ来ていないみたい。どうしたのかしら」
時計を見ると、10時ジャスト。
数分ごとに気温が上がるこの夏に、外で1時間人を待つことの厳しさとは想像以上だった。ああ、流石にめまいがしそう。コンビニで買ったお茶も、とうに空になっていた。
「そんじゃ、もう先行っちゃおうぜ? 暑っいし」
「え、でもさ……斉藤くん、場所分からなくなったら可哀想……じゃない?」
「まぁ、後でメールでも入れときゃ分かるだろ」
「でも……。そ、それじゃあ僕、ハルの家知ってるし、後から追いかけるよ」
「お前が純のこと待ってんの? 純とあんま話したことないなら無理しなくて良いんだぞ?」
「そ、そう……だけど……」
「じゃあ行こうぜ。こんな所立ってたら茹で蛸になりそ」
「え……でも、ハル……」
- Re: 夏の秘密 ( No.3 )
- 日時: 2014/12/09 00:30
- 名前: 如月胡桃 ◆g2GRl1TqOE (ID: DYDcOtQz)
はじめまして、如月胡桃というものです。こんばんは!
放課後傷舐め合い倶楽部をこっそり読んでて、うわぁセンスあるなぁ好きだなあって思ってました。その作者まーにゃさんの新作という事で見つけた瞬間にクリックした所存であります。
登場人物を見ただけで、やっぱり期待を裏切らないなぁと思わされました。
どのキャラもとにかく個性豊かで、しかも私の好みにストライクなんです(´-ω-`)みんな好きだけど1人上げるなら桐ちゃんです。引っ込み思案な性格で成績優秀、ってのでまず惹かれて、さらにカンニング常習犯という。人間らしいというか、なんか、言葉には表せないけどすごく好きです。ちくしょう私の語彙力がくやしい。
話もハルくん以外全員が秘密を抱えている、というひじょーに興味を引かれる設定で、これからの展開に目が離せないです。
長々と語って失礼しました、まーにゃさんの作品は本当にどれも面白いので、これからも本気で楽しみにしています。ではっ!
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