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魔術剣士と白き剣(第二章開始)
日時: 2015/08/26 07:22
名前: 宇佐悠兎 (ID: SDJp1hu/)

 まず最初に、はじめまして。宇佐悠兎(うさゆうと)といいます。

 クリックして閲覧いただきありがとうございます。
 この作品のタイトル、最後の『剣』は『つるぎ』と読みます。『けん』じゃないので、よろしくお願いいたします。

 タイトル通り『魔術』と『剣士』、そして『剣』もテーマになっていきます。基本的に文中に読み方は書きませんが、作中の『剣』は『けん』とお読みください。ややこしくてすいませんm(_ _)m

 では次から始めます。
 すぐ書けると思いますので、少々お待ちを。


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Re: 魔術剣士と白き剣 ( No.1 )
日時: 2014/12/26 19:04
名前: 宇佐悠兎 (ID: KCZsNao/)



 序章 -Prologue-


 日本という国はこんなにぶっ飛んでいたか?

 そんなことを思いながら、荷物を詰め込んだせいでパンパンに膨れ上がったボストンバッグを担ぐように持った少年、紅月龍久(くづきたつひさ)は目の前の光景に何も言えずにいた。
 二次元や映画の中でしか見たことがないような、関所にあるような巨大な門。上の方には侵入者対策だろうか、見るだけで痛いのが分かる突起が伸びているが、そもそも十メートルほどもあるこの門を上ろうとする者などいないだろう。
 この門をくぐれば、見えてくるのはお嬢様学校、お坊ちゃま学校顔負けの左右に広がる大きな校舎に、その校舎まで軽く一〇〇メートルほどはありそうな煉瓦の道。脇には美しい緑の芝生がどこまでも広がっており、奥には大きな気がこれでもか、と逞しく立っている。森、と呼べばいいのだろうか、先はどこまで続いているか分からない。
 門をくぐっただけだというのに、異世界にでも放り込まれた気分がした。
 心なしか吹く風も爽やかな気がする。吸い込む空気もおいしい気がする。少し暑いと感じていた気温も少しばかり下がったような錯覚さえする。
 龍久は現実から解き放たれそうな意識をなんとか自分の中に戻し、もう一度広大な校舎と、目の前に広がる自然豊かな芝生を見渡す。
「……ここ、日本だよな?」
 龍久はぽつりと呟いて、二歩三歩と足を前へと進める。
 どう考えても現実離れした光景に、龍久は動揺を通り越して驚くぐらい冷静だった。
 龍久は大きな溜息を一つこぼした。
「……俺がこんなとこにいるのも……全部、あの女のせいだ……!」
 空を仰ぎながら龍久は忌々しげに呟いた。
 『あの女』。
 龍久は彼女の顔と、自分がここに来なければならない理由を思い出していた。

 ——話は、一週間前に遡る。


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