コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 気持ち宅配便【完結しましたあああああ!】
- 日時: 2015/09/09 16:04
- 名前: 瀬ノ島 凛音 (ID: geHdv8JL)
こんにちわ。
私のことを知らない方は初めまして。
瀬ノ島凛音っていう駄作者です★ ははは★
今回の小説は
私のおとうt((げふん。
友達の-月波夜桜-さんが原作(詩)書いて、それを私が解釈して小説にするっていう、なんかのプロジェクト(…かっこいいなw)です。
原作は神なのに…私はそれを堕落させてしまうのです…
ごめん…夜桜…
まぁ、次にプロローグ行きます。
※更新遅いです。
そして、この駄作者はコメを貰うとものすごく喜びます(笑
コメ待ってまーす(*^_^*)
ドルァァァァァ(ノ`Д)ノ:・'∵:.┻┻(←関係無いからスルーおkです(笑
- Re: 気持ち宅配便 ( No.23 )
- 日時: 2015/07/04 15:00
- 名前: 瀬ノ島 凛音 (ID: dY22Nade)
**少し沈黙が続いた。
その沈黙に耐えられなくなった俺は、俯いていた顔を上げ…だが、目線は翔也に合わせずに素直に謝った。
「……さっきはゴメン。」
「ん?いや…謝んなよー。調子狂うじゃん。…俺こそゴメン、無責任なこと言って…」
しょんぼり…という表現が一番合う顔をする翔也を見て、俺はこんな状況なのに子犬の姿を想像してしまった。
「いやいやいや!お前こそ謝るなよ!さっきの、完璧俺の勝手な八つ当たりじゃん。」
そうだよ…いくら現実を受け止めたくなくても、結局これは現実なんだ。
もっと現実的になれ!自分!
「ううん…。……ってやば!今日ちょっと母さんに買い物頼まれてたんだった!
ゴメン、蒼。俺、もう帰んないと。」
ふと時計を見た翔也は思いのほか時間が経っていたことに気づき、バッと座っていたイスから立ち上がる。
「あ…ああ。…さっきはホントにゴメンな。」
「気にするなよー。あと…」
翔也はそこで切ると、真顔になって、
「…もし誰かに協力してほしいな、とか思ったら、俺がすぐに力貸してやるよ!
ま、力になれるかどうかは分からないけどねー。」
と言った。
そんな翔也にただ俺は、「ああ、コイツ本当に良い奴だなぁ。」と思っていたのであった。
- Re: 気持ち宅配便 ( No.24 )
- 日時: 2015/07/07 15:46
- 名前: 瀬ノ島 凛音 (ID: tOQn8xnp)
「それにしても…ここまで大事だとは思わなかったなー…」
帰り道のさびれた商店街で、俺は周りに人が誰一人いないことを良い事に、ずっと独り言をブツブツと呟いていた。
……実は結構楽観視していた。
俺は、きっと美咲の事を知っている人がいない。きっと…美咲の事を聞かれた皆が逃げるようにいなくなったのはたまたまだ…。などと考えていたのだ。
「いや、その前に失踪て…。もう、探すって言っても何も出来ないレベルじゃねぇか………もう諦めなきゃダメか、やっぱ…。」
手も足も出ない、この状況。
どうしよう、という言葉だけが頭の中をグルグルと回っていたその時。
「……ん?」
他の店はほとんどシャッターを閉めているにも関わらず、一つだけ開いているお店が目に入った。
外見はいかにも古めかしい漢字だが、決してボロボロというわけではなく、どちらかというとロンドンなどの古い町並みの中にひっそりと佇んでいる隠れ家的な印象を受ける。
いつもなら気にも留めないが、何故だか今日はそのお店に入ってみようと思った。
- Re: 気持ち宅配便 ( No.25 )
- 日時: 2015/07/08 16:17
- 名前: 瀬ノ島 凛音 (ID: tOQn8xnp)
カランカラン…
扉についた鈴が稀着心地の良い音を奏で、俺は店の中に入った。
どうやらこのお店は雑貨屋さんのようだ。
中もおしゃれで、大人の女性が雑貨を買いに来る姿を連想させる。
「いらっしゃいませ…」
店の奥から店主らしき若い女性が、淡いピンク色のエプロンを付けながら出てきた。
俺はその女性に控え目に会釈をしながら、並んである商品に目を向けた。
商品はやはりどれも女性向けのアクセサリーなどで、一瞬入った事を後悔した。
「…なにか…お探しでしょうか…?」
このお店に男子高校生が来た事が珍しかったのか、雰囲気からして無口な先ほどの女性が話しかけてきた。
「あー…えーっと…」
…どうしよう。
話しかけられたなら、何か言った方がいいよな…
って言っても俺、別に何かを買いに来たわけじゃねぇし…
ここは適当に…レターセットでも欲しいと言うか。
出てきたものが女っぽかったら母さんにあげたらいいし…
何か買わないと出辛いし…この店…
っていうか、母さんへ手紙でも書くか。
ちなみに、何故レターセットが頭の中から出てきたのかは、俺にも分からない。
「レターセットが欲しいんですが…ありますか?」
そう返すと、女性は控えめに俺に微笑んで、直ぐ近くにあったレターセットを手に取った。
…そんな近くにあったんなら、わざわざ聞かなくてもよかったじゃん……!
「あ…すみません。ありがとうございます。」
「いえ…。…そうだ……ちなみに…こういうレターセットもあるんですが…いかがですか…?」
そう言って女性が渡してきたのは、先ほどのレターセットとはまた別のレターセット。
思わず受け取って、そのレターセットを見てみると…
噛みのベースの色はエメラルドグリーンで、充分俺みたいな男でも使えるようなシンプルなデザインだった。
「あ…これいいですね。綺麗な色…」
「………実は、このレターセット、少し特別なんですよ…!」
「……………はぃ?」
いきなりそんな事を言われたタメ、俺は間抜けな返事をしてしまう。
特別……?
「えっと、特別って何がですか?」
紙に香水が付いていて、良い匂いがするとか…?
だが次の瞬間、俺が考えたその仮説は、ものの見事に何処かへと吹っ飛んでいった。
理由は…女性が語った話があまりにも突飛だったから。
「…そのレターセットは…お相手様がどこにいても絶対にお相手様に届くんです…。住所が分からない場合でも大丈夫です…
自分の気持ちをそのレターセットに書いたら、またこのお店に来て、届けてください。
そうしたら、そのお相手様にこのお店の関係者が直々に手渡しに行くので…
…とにかく、絶対にお相手様に届くんです…!たとえ…死後の世界でも…ね……」
急にたくさん喋りファしたその情勢は最後、謎の微笑と共に口を閉じた。
ちなみに今の女性の表情は、少しドヤ顔といったところ。
「死後の世界…それはまた、すごいですね。」
正直言って、女性が話した事は信じられなかったが、説明の中も『住所が分からない場合でも大丈夫です』という言葉に轢かれ、俺はこのレターセットを買うことにした。
会計の途中、
「あの。失踪した人にも届くんですか?」
という俺の質問に、女性はただニッコリと笑いながら頷いた。
- Re: 気持ち宅配便 ( No.26 )
- 日時: 2015/07/11 15:13
- 名前: 瀬ノ島 凛音 (ID: 3L6xwiot)
家に帰り、速攻自分の部屋に入った俺は、机の上に置いた先ほど買ったレターセットを眺めていた。
「…さっきはちょっと疑いながら買ったけど……失踪した人にまで手紙が届くなんて、普通ありえないよな……」
また独り言をつぶやきながら、とりあえずレターセットを裏返してみた。
裏面には、可愛らしい文字でこう書かれていた。
『この度は、このレターセットをお買い上げいただき、誠にありがとうございます。
さて、ここでは少し、このレターセットの説明をさせていただこうと思います。
…貴方は大切な人に言いそびれた事はありませんか?
私達、気持ち宅配便は皆さんの言いそびれた事を大切な人へと届けます。
たとえば相手が遠くへ行ってしまい好きだと伝えられなかったこと。
そんな貴方の伝えられなかった気持ちを私達が伝えます。
さあ、この手紙に伝えられなかった気持ちを書いてください。
私達は死後の世界でも、どこまでも届けます。』
「……………気持ち宅配便…?」
聞き慣れないその単語を俺は声に出しながら読んでみた。
…いや、手紙で伝えるんだから、普通はそこ、気持ち宅配便とかじゃないのかな……?
ま、まあ、そこは置いといて…
「相手が遠くへ行ってしまい好きだと言えなかった…か。今の俺みたいだな。」
長年自分の中に封じ込めている美咲への、この気持ち。
本来ならば、東京に戻ってきたら直接伝えようと思っていたが……
「まあいいや。好きだって事も書いちゃおう。」
この際だしな。
…と、書くことは大体決まったものの…
*
「……ああぁぁぁぁ!書けない!」
書き始めて10分程経った頃。
いや、実際かけていないので、書き始めて…とは言えないのだが…
…そう。書くことは決まっているが、10分程経った今も何もかけていない状態だった。
「まず、どうやって書き始めるかなんだよなぁ…
『やあ、久しぶり。美咲。元気だったかい?』……これはあり得ないな。そもそも俺、こんなキャラじゃないし。
『外の木々が雪というなの白粉を被っている今日この頃、いかがお過ごしでしょうか』…却下。」
自分で自分にツッコミ(?)を淹れながら、俺は超真剣に考えてみた。
なのに一切書けてないとか…泣ける…
**結局この日は書けなかったが、数日後になんとか書き終えた俺は、このレターセットを買ったお店の店主さんに手紙を渡した。
店主の女性は、ただ『確かにお預かりしました…』と言いながら微笑んだ。
- Re: 気持ち宅配便 ( No.27 )
- 日時: 2015/07/13 14:17
- 名前: 瀬ノ島 凛音 (ID: 7pn3fhcQ)
*******
美咲へ
えっと…なに書けばいいか分かんないけど、とりあえず…久しぶり。
俺さ、東京に戻ってきたんだ。
懐かしい場所。きっと、なにも変わらないんだろうなって思ってた。
でも今は…全然変わっていた。
昔の面影はもちろん感じる。
だけど…決定的に足りない物があるんだ。
その足りない物っていうのは…美咲。お前だよ。
俺、すごい探したんだぞ?家にも行ったし…
…なんで居なくなったんだ?
なんで…何も言わずに居なくなったんだ?
俺を残してさ…
約束したのに。
『ずっと一緒だよ』って。そう言って指切りしたじゃん。
…まさか、忘れたなんて言わないよな?………一回忘れてた俺が言える事じゃねぇけど。
『おはよう!』
いつもそう言って、お前は笑顔で俺のところへ走りながら近寄ってきた。
今でもお前がそう言っている声と笑顔が頭の中にあるよ。
また…聞かせろよ。声を。
…帰ってこいよ。どこに居るんだよ。
お前が居なくなって、俺、すげー悲しい。寂しい。
お前がいないと本当に寂しい。
…まさか、俺がここまで美咲を必要としてたなんてな……w
あのな、美咲。
ずっと昔から言いたかったことがあるんだ。
俺、お前の事が好きだ。
あ、likeの方じゃないよ?loveの方。
って…なに言ってんだ俺…
お前は俺の事、異性として見てないだろうけど…
…とにかく!早く帰ってこいよ!ずっと…待ってるから。
葉山蒼
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