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婚約者候補とシェアハウス!?
日時: 2017/06/05 12:43
名前: ユイ (ID: QUK6VU.N)

いきなり現れた素敵な婚約者〜♪…とか、

イケメンたちと同居生活〜♪とか。

漫画とか小説とか乙女ゲームとかでよくありがちな設定。

現実的に考えて絶対ありえない!って、思ってた私が。


婚約者候補たちとシェアハウスって、どういうことですか!?



☆逆ハーレム、乙女ゲームっぽいジャンルに入るので、苦手な方はご遠慮ください☆


☆ちなみに名前をユイから豆猫に変更しました☆

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Re: 婚約者候補 1人目〜穏やかな彼〜 ( No.8 )
日時: 2015/07/18 20:53
名前: ユイ (ID: 4mrTcNGz)

パッと、声のする方を振り返る。

…そこには、前髪が長めで、銀色の髪がサラサラ揺れている…

とてつもない美少年が、立っていた。

「え、は、はいっ。私が山下花音です。」

「やっぱりそうですか。はじめまして、花音さん。」

「は、はじめまして…。ところであなたは?」

見ず知らずの美少年を前にあたふたしてしまう自分が正直情けない。

「僕は、春坂 慰織です。よろしく。」

「はるさか…いおりさん、ですか。」

「慰織でいいですよ。こちらも花音さんと呼ぶので。」

そう言って優しく微笑む彼は、穏やかな雰囲気をまとっていた。

(な、なんか落ち着いてるなあ…大人っぽいっていうのかな?もしかして年上?)

「えっと…年齢って…」

「僕は高校3年生です。」

「あ、やっぱり先輩なんだ!じゃあ慰織先輩って呼びますね!」

私は高校2年生だから、1つ上ということになる。

「慰織先輩か…。うん、わかった。」

自然とため口になる先輩。私は一応相手が先輩なので、このまま敬語で話すことにした。

「あの…。じゃあ、慰織先輩って私の…」

「うん。婚約者候補だよ。」

(やっぱりそうなんだ…)

正直、今会ったばっかりだけど慰織先輩が婚約者候補なのは嫌じゃない感じがする。

…決して見た目につられたわけじゃなくて、穏やかな雰囲気に安心感を覚えたから、ね。

「というか、慰織先輩はいいんですか?」

「なにが?」

「私みたいなのが婚約者候補で。」

昨日今日でこの話を知ったばかりの私はまだ現実味を感じないくらいだが、きっと相手の方はもっと前から話を聞いているだろう。…うちのお母さんみたいな変人はそうそういないと思うし。

(慰織先輩以外の婚約者候補は知らないけど、慰織先輩は相当な美形だし。私は見た目も中の下くらいだと思うし、家柄がいいってわけでもないし…。
慰織先輩レベルならもっと素敵な人狙えるだろうに…私はよくても、すごい申し訳ないなぁ)

「みたいなの、なんてことないよ。」

「へ?」

慰織先輩の手がすっと伸びてきて、私の頬を撫でる。

「花音ちゃんは、可愛い。」

「……!」

ぼっと、顔が熱くなる。

そりゃあ無理もない。慰織先輩の綺麗な顔に至近距離で見つめられ、頬に手が触れていて、しかも『可愛い』なんて友達にも滅多に言われないことを言われたんだから。

あたふたする私を見て、不思議そうに首をかしげる慰織先輩。それを見て、ひとつわかったこと。

(この人…天然だぁ〜っ!)

ふと、私の頬に触れる手の感覚に違和感を覚える。

「これ…」

私は慌てて先輩の手をつかむ。

その手には…

「ち、血!?」

「あ、忘れてた。ごめんね、花音ちゃんのほっぺにもちょっとついちゃった。」

「そんなのいいです、それより手怪我してるじゃないですか!忘れてたって…」

完全に天然キャラだ、と確信を持った。

「さっきお皿が積んであるテーブルにぶつかっちゃって…。1枚割れちゃったお皿の破片を集めてる時に切っちゃったんだ。」

「さっき…。あ!あの音…」

(そうだ、もともと『ガッシャ—ン!』って音がしたからここに来たんだった!)

「と、とりあえず手当しましょう!あ、あそこのソファーに座ってください!」

私は視界の端っこに見えたソファーを指さす。

「うん…」

「えっと救急箱は…あ、ポーチあるんだった!」

私は抱えていたボストンバッグから大きめのポーチを取り出す。

ポーチの中から消毒液と大きめの絆創膏、ティッシュを取り出すと、ティッシュに消毒液をしみこませる。

「ちょっとしみちゃうかもですけど…」

「全然大丈夫。」

私は慎重にティッシュを手に当てる。

「いつもそんなの持ち歩いてるの?女の子だなぁ…」

「いや、それがそうでもないんですよね。自分がしょっちゅういろんなところで怪我するので、これがないと一番困るの私なんです。」

アハハ…と肩をすくめてみせると、慰織先輩はくすくすと笑った。

「確かに花音ちゃんドジそうだね…」

「な!何気に失礼ですよね!?」

「ごめんごめん」

「もう…。あ、とりあえず手当終わりましたよ」

「うん、ありがとう。」

「今日初対面なのにもうだいぶ慣れちゃいました。慰織先輩。」

「僕も。」

雰囲気が和む。なんだかいいな、あったかい感じ。

「あ、そういえばきになってたんですけど、慰織先輩以外の婚約者候補の人たちって、慰織先輩も知ってる人たちですか?」

「う〜ん、そもそも全員の名前は教えられてないんだよね…。一応その中に何人か友達はいるみたいだけど。だいたい通ってる学校がみんな同じだから、顔見知り程度ではあると思う。」

「あ、そうなんですか…。ほかの人たちはいつごろ来るんですか?」

「さぁ…。もうそろそろ来る頃だと思うんだけど。」

と、そのとき。

「1人来たよっ☆」

と、無邪気な声が大広間に響いた。

Re: 婚約者候補とシェアハウス!? ( No.9 )
日時: 2015/07/18 20:56
名前: ユイ (ID: 4mrTcNGz)

きらめきさん、コメントありがとうございます!

頑張って更新していくので、これからもたまにのぞいてもらえるとうれしいです!

Re: 婚約者候補 2人目〜無邪気な彼〜 ( No.10 )
日時: 2015/07/19 02:29
名前: ユイ (ID: 4mrTcNGz)

無邪気な声の主は、慰織先輩よりちょっと背が低めの…またもやすごい美少年だった。

うっすら茶色の混ざったオレンジ色の髪と瞳が、大きな窓から差し込む日の光に照らされて、キラキラと光っていて…

「綺麗…」

ぼーっとしながら何気なく口にした一言にハッと息をのむ。

(まずい、初対面の人に向かって第一声が『綺麗…』って!やばい私キモイ!キモイよ!これ引かれたよ、絶対!しかもこんな美少年に向けて…。私メンクイみたいじゃん!違う、違うんだよ〜!)

「ちが、すみませ、あのえっと…」

「花音ちゃん、落ち着いて。」

慰織先輩が穏やかな笑みを浮かべながら私の肩を撫でる。

「はい…」

「アハハっ、キミ、面白いね〜」

美少年がサッと私の近くにやってくる。

「僕、栗栖 要(くりす かなめ)。キミと同じく高校2年生。よろしくね、未来の婚約者さん♪」

無邪気な声によく似合う無邪気な笑顔を浮かべた彼…要君はズイッと顔を近づけてくる。

「ち、ちか…」

ぶわっと顔が熱くなるのを感じた。

(なんか…デジャヴ感…)

数分前みたいな距離に、今度は慰織先輩じゃなく要君の綺麗な顔があった。至近距離で視線が絡まる。

「あ、思ったよりだいぶ整った顔してるね。」

フッと、ちょっぴりいたずらっぽく笑う要君。

…キャパオーバーという言葉が脳内をよぎる。

「うわああああぁぁっ!」


ドンっ。

思いっきり後ずさったせいで、慰織先輩とぶつかる。

「あ、わ、ごめんなさいっ」

「大丈夫だよ、花音ちゃん。」

「あはは、ごめんごめん。花音、だっけ?気に入ったよ!これからよろしくね☆」

「き、気にい…?」

「いやー、婚約者になるかもしれないっていうのが、香水くさい派手で計算高い女だったらやだなーって思ってたからさ。面白そうな子でよかったよー。」

「ど、どうも…?」

『…うわあっ!』

ガッターン!

突然、、扉の少し向こうから情けない声がした。

「今度は何!?」

「いってみようか〜、花音。」

「う、うん。そりゃあ行くけど…」

扉を開けると、少し向こうに—…

Re: 婚約者候補とシェアハウス!? ( No.11 )
日時: 2015/07/19 09:22
名前: 杏莉 (ID: ai5/g0Y4)

やっぱり面白い、再新頑張って!!続きがきになる〜ユイ

Re: 婚約者候補 3人目〜かわいい彼〜 ( No.12 )
日時: 2015/11/27 20:48
名前: ユイ (ID: 4mrTcNGz)

男子らしき人が、荷物と一緒にひっくりかえっていた。

「あああ、荷物が…」

「あの、大丈夫ですか?」

私はその男子の方へと駆け寄り、手を伸ばす。

「あ、す、すいません…」

私の手に掴まり、よろよろと立ち上がる彼。

(うわ、まつげ長っ!肌白っ!というか細っ!)

立ち上がった彼は、華奢な体つきで私とよりちょっと高いくらいの身長で、栗色の猫っ毛の髪にまんまるな瞳。透き通るような綺麗な肌。

(なんというか、すごい美少年なんだけど、慰織先輩や要君とは違うタイプって感じで…)

「か、かわいい…!」

さっきみたいに思わず声をあげてしまう。…学習能力がないのは自覚してます、はい…。

「へ、か、かわい…?」

その彼は頬を赤くしてきょどきょどしている。

(か、かわいいぃぃぃぃぃぃっ!)

私はこう見えても可愛いものや可愛い人が大好きなのだ。

衝動的に抱き付きそうになるけど、そんなことしたら完全に変態決定なのでなんとか堪える。

「ごめんごめん。びっくりさせちゃったよね。私、山下 花音っていうんだ。よろしく!」

「あ、あなたが花音さんですか。僕はえっと、速水 瑠衣(ハヤミ ルイ)で、す…」

(私の名前も知ってたっぽいし、やっぱりこの人も婚約者候補か…)

「瑠衣君でいい…よね?高1?」

「え、と、一応高2、です…」

「え、うそ同い年だったんだ!?雰囲気的に年下かなって思っちゃってたよ。」

「それってちょっと失礼じゃない?」

それまで黙っていた要君がいきなり笑いながら口を開く。

「あれ、要君…。なんでここに?」

瑠衣君はびっくりしたように要君に視線を移す。

「え、今気づいたの…?要君さっきからずっと私の後ろにいたけど…。っていうか2人って友達?」

「うん、そんなに特別仲良しってわけでもないけど。にしてもちょっと意外だな〜。瑠衣も婚約者候補だったんだ。」

「え、うん…。あれ、『瑠衣も』ってことは要君も?」

瑠衣君は要君と話しているときはあまりおどおどせず、落ち着いていた。

(初対面の人に弱いタイプなのかな?)

「アハハ、相変わらず鈍いねぇ、瑠衣。ここにいるってことは婚約者候補ってことでしょ。」

—…一瞬、クスクスと笑う要君の瞳がその表情とは裏腹にどこか冷たく見えた。

(気のせい、かな?…そうだよね、うん。)

「あの、花音さん…」

瑠衣君がおずおずと話しかけてくる。

「ん?」

「いや、さっきこの家に入る前に、屋根の方から音がして…。気のせいかもなんですけど、誰かいたみたいなんです…」

「え、なにそれまさか不審者!?」

「い、いや、ホントに勘違いかもなん、です、けど…」

私が大きな声を出すと、ビクッと体を震わせて、慌ててそう言った。

「あ、ごめん。怒ってるとかじゃないからね?」

「あ、そ、そうなんですか…」

ほっとしたようにふにゃあっと笑う瑠衣君は、それはもう可愛かった。

「…花音ちゃん。ちょっとこっち来てくれる?」

慰織先輩が手招きする。

「何ですか?」

「なんか今、上から音がした気がするんだけど…。何か聞こえない?」

「?」

よく耳を澄ませてみると。

ガタ、ガタッ

と、音が聞こえた。

「わ、ホントだ。うそ、本物の不審者とかじゃないよね…」

さすがにそれは勘弁だ。

「なになに〜?どうしたの?」

「どうかしたんですか?」

要君と瑠衣君もこっちに来る。

「いや、さっきからなんかの音がして…」

慰織先輩がそういった瞬間。

ガッターン!

という音とともに、上から何かが降ってきた。

「わあっ!?」

「あ、アンタら…。悪ぃ、驚かしちまったか?」

目の前に、おそらく4人目の婚約者候補が立っていた。







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