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- ベスティア・ラッコント
- 日時: 2015/07/27 23:04
- 名前: いろはうた (ID: 2wn.vvKF)
すべては、あの青い夜に始まった
私の復讐は始まった
あなたの瞳に魅入られた
殺意あふれる琥珀の瞳に
恋するように
狂うように
獣
ベスティアのように
- Re: ベスティア・ラッコント ( No.30 )
- 日時: 2016/02/23 19:07
- 名前: いろはうた (ID: n8TUCoBB)
*「よくぞ聞いたな。
わらわの霊質は、この世にある絶対にして、唯一無二のもの、雷じゃ」
雷。
唯一無二。
その言葉を理解すると同時に叫び声がナタネの口から洩れた。
うるさそうに耳をふさぐ様子から、精霊にも聴力はあるのか、と思いつつ、
新しく知った事実に興奮を抑えきれない。
ナタネは転がるようにしてろくに開いたことのない、大きくて分厚い教科書を取り出した。
ベッドにそれを放り投げ、慌ててページをめくる。
一分もしないうちに見つかった。
伝説の精霊、の欄のページで指を止める。
【雷の精霊】
この世で唯一無二の霊質をつかさどる精霊。
その攻撃力はありとあらゆる霊質の中でも群を抜いている。
一点集中型の攻撃を得意としており、拡散型の攻撃は苦手。
金属との相性が良く、霊力をまとわせることによって、
普通の金属武器の攻撃力を上げることができる。
一方で水の精霊との相性が悪い。
今まで、この精霊の精霊使いを務められたのは初代精霊使いのみだと言われている。
そこまで読んでナタネは放心状態でぱたんと後ろ向きに倒れた。
なんてことだ。
初めての契約精霊が初代精霊使い様の精霊と同じになってしまうだなんて。
- Re: ベスティア・ラッコント ( No.31 )
- 日時: 2016/02/23 19:41
- 名前: いろはうた (ID: n8TUCoBB)
*「何をそわそわしておるのじゃ」
「そ、そわそわするよ!!
この一年パートナーとなる先輩が決まるんだよ!?」
今、二人は、再び校長室の前にいた。
先ほど見たナタネの霊質と相性の良い霊質を持つ先輩を、
校長であるナギが決めて、今からその先輩と初対面するのだ。
パートナーとなった人には、精霊使いとしての基礎的なことやちょっとした技のコツなどを教えてもらいつつ
この一年任務を共にこなしていくのだ。
任務の内容は様々だ。
だが主な内容としては、やはり精霊使いにしかできないものが多い。
悪霊という普通の人間では退治することができない
形を持たない霊力の塊を退治したり、非道の道に堕ちた悪しき精霊使いを倒したりする。
精霊使いの力は強大だ。
だからこそ正しく使わねばならぬのだが、時々その力を犯罪に使ってしまう者もいるのだ。
精霊使いと同等に戦えるのは精霊使いしかいない。
何故ナタネが任務を心待ちにしているかには理由がある。
村を襲った人物。
あれは、自分と同族のものだった。
それも村一つを壊滅させるほどの力を持っているのだ。
精霊使いの母を殺せたほどの力。
思い出すだけで怒りで体が震える。
それをこぶしを強く握ることで何とかやりすごす。
とにかく、敵は精霊使いだとみて間違いないだろう。
それには、同じ精霊使いになることがあの人に近づくための
最も有効な手段なのだ。
その第一歩としての任務。
これは何が何でも成功させなくては。
「……はいりなさい」
ナギの静かな声がかかりナタネは扉を静かに押して開いた。
- Re: ベスティア・ラッコント ( No.32 )
- 日時: 2016/02/23 21:02
- 名前: いろはうた (ID: n8TUCoBB)
*部屋に入るなり真っ先に目についた人物を見て、ナタネはうめきを漏らした。
見たくない。
とても見たくない。
「おおっ!!ナタネじゃん!!
まさかおれのパートナーっておまえ!?」
そう言って快活な笑みを浮かべるのは、シュナだ。
赤茶のふさふさした髪の毛が印象的な青年だ。
年齢は十七だが、背が高いので、年齢よりも少し大人びて見える。
しかし、くしゃっと笑うと年相応に見えるのだから不思議だ。
シュナは、この学校の中でも成績が優秀なことで有名だ。
そんな人がパートナーになってくれたことを喜ぶべきなのだろうが、
素直にそうできない理由がある。
彼には有名である理由がもう一つある。
「じゃあこれからよろしくなナタネ!!
ビシバシ鍛えちゃうからなぁー!!」
暑苦しい。
ナタネは彼から若干視線をそらした。
真夏の太陽のようなエガをそうそう直視できない。
そう、彼は暑苦しいのだ。
今は春だが、春の花たちを散らして無理やり若葉を生やしてしまいそうなほど、
その精神はホットだ。
ナタネには顔面を引きつらせながら、よろしくお願いします、というのが精いっぱいだ。
「シュナの霊質は炎です。
だから、雷の霊質を持つあなたと相性がいいかと思いました。
二人とも攻撃に特化した霊質なのでお互いを補えあえるでしょう。
雷は一点集中型の攻撃に特化しているので、炎の広範囲の攻撃との
連携も期待しています」
ナギのいうことはどれも正論で反論ができない。
これほど優秀な先輩と組んで任務に励めるのは光栄なことだが、
どうしても素直に受け入れられない。
苦虫をかみつぶしたような顔になるのを必死に抑えながら、
この暑苦しい体育会系な先輩とうまくやっていくにはもはや慣れしかない、と
ナタネは内心あきらめた。
- Re: ベスティア・ラッコント ( No.33 )
- 日時: 2016/02/24 07:42
- 名前: あんず ◆zaJDvpDzf6 (ID: sCSrO6lk)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.cgi?mode=view&no=36385つ
いろはうたさんお久しぶりです!
いろはうたさんのシリアスな文章の雰囲気がとても好みなので、たくさん読めて嬉しい私です。
詠唱の言葉の雰囲気が、もう、なんというか、言葉にできないくらい好きです(語彙力)
詠唱の言葉は架空言語なのでしょうか?
言葉の響きが綺麗で感動しました…。
私も今年(最近)はほとんど更新出来ておりません……。時間が(汗)
いろはうたさんを見習って私も精進します!((
いつも素敵な小説ありがとうございます。
これからも応援しております!
- Re: ベスティア・ラッコント ( No.34 )
- 日時: 2016/02/24 16:22
- 名前: いろはうた (ID: Rj4O5uNk)
あんずさん!!
お久しぶりですーーーーー(*^O^*)
こうしてまた来ていただけるなんて、本当に光栄です!!
あの詠唱の言葉はですね……
一部いろはうたのオリジナルがありますが、
ほとんどがドイツ語、イタリア語、スペイン語、フランス語、などの
ヨーロッパ地方の聞き慣れない言語を参考にさせていただいておりますー
いやぁ……
もう本当に大変だったんですよ……
一個一個言葉の意味を多言語辞典で調べて、
響きが一番いろはうた好みのを選別しました……
いろはうたの少々無駄ではありますが努力の結晶なのです泣
コメントありがとうございます!!
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