コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 俺の隣に神様が居るよな?【駝壱君参上の巻】
- 日時: 2016/02/11 19:28
- 名前: ビタミンB2 (ID: d/IlFCIL)
「重大な話があるのだ……」
「なんだよ急に改まって……」
「我の世界を、救ってくれ!」
「いや無理だから!」
英雄少年と、異界の神様の、世界を救う「はずの」冒険譚が、始まる。
こんにちは、ビタミンB2です。新しい小説を書くとなり、緊張しております。あと、中身がギャグ一筋となるので、せめてここだけは真面目に……!
あ、でもコメ大歓迎です! 感想くれると喜びます。コメ返もしっかりします。
拙い文章ですが、暖かい目で、読んで頂けたら嬉しいです!
〜来て下さった方々〜
廻さん
僞露狗さん
ひろにいさん
夏目 織さん
登場人物 >>5
第一話 窓から乗り込みやがった神様 >>1
第二話 地獄のお偉いさん
>>22
- Re: 俺の隣に神様が居るよな?【閻魔様襲来の巻】 ( No.23 )
- 日時: 2016/01/23 00:14
- 名前: ビタミンB2 (ID: fOamwJT9)
こんばんは、お久しぶりです!
これまでも書こうとしていたのですが、寝落ちの繰り返しで……申し訳ないです。
参照500突破、ありがとうございます! まだまだ初心者ですが、もっと精進していきたいです。
「……まあ、茶でも出すから待っといてくれ。」
-三分後-
「おお! 待っておったぞ〜!」
二人は、少年誌を放り出し、無邪気に俺の携帯を覗いて……
「って何やってんだお前らぁ!」
慌ててカンナギから携帯を引ったくる。ドキドキしながら画面を見ると
「……何だよ……びびった……」
画面には、猿顔の赤いスーツと、拳銃を持った黒スーツと、お侍さんが映っていた。日本の皆さんにはお馴染みの三つ巴だろう。
宿題の息抜きにと、観ていたのをそのままにしてしまったのだ。
「……? どうしてそんなに慌てているのだ?」
「そーじゃ! たかがあにめを観ていただけだろうに!」
「いや……友達とかとのメールとか……勝手にどっかに電話かけられても困るし。」
歯切れ悪く返すと、二人は腑に落ちない様子だが頷いた。俺も正直、アニメで凄くほっとした。
「でも、あのあにめは面白いな! なんと言う題名なのじゃ?」
「……『ルパソ三世』」
「そう言えば、葉月。」
閻魔が、茶菓子の饅頭を頬張りながら言う。ちなみにこしあん派らしい。
「何だ?」
饅頭を、閻魔が喉に詰まらせそうなので、緑茶をすすめるカンナギ。こいつはつぶあん派だ。
「閻魔は、少し前……六、七年前か? に葉月と会ったことがあるぞ。」
思わず茶を吹き出しそうになるのを堪える。
「……はあ?」
カンナギは、両手をポン、と合わせて納得していた。
「……ああ! お前が言っていた、『誰か』のせいで裁きを下し損なった少年とは、葉月の事か!」
「そうだ、その事じゃ。その『誰か』は未だに分からなくてのお。」
……ん? ということは?
「……俺が一回地獄に行きかけたってわけ?」
「ご名答じゃ、葉月。といっても、お前は納得出来ないだろう。そこでこれの出番じゃ!」
閻魔は、黒いローブの下から、円形の物を取り出した。それは、お世辞にも新しいとは言えない、ところどころ錆びた鏡だった。
「……これから、過去の映像をだいじぇすとでお見せする。大事な所は、普通に流すから安心するのじゃ。」
カンナギが、ごくり、と唾を飲む。俺も、少し手汗が滲んできた。
「……では!」
閻魔が、鏡に手をかざす。鏡が淡い光を放つ。揺らめく光と鏡は、まるで湖面のようだった。
やがて、ぼんやりとした映像が見えてきた。音も、分かるようになってくる。俺は、目を細めた。
最初に聞こえたのは、サイレンの音。
- Re: 俺の隣に神様が居るよな?【閻魔様襲来の巻】 ( No.24 )
- 日時: 2016/01/26 06:22
- 名前: ビタミンB2 (ID: fOamwJT9)
やがて、ぼんやりとしていた物がはっきり映るようになった。
見えてきた光景に、俺は思わず目を見開いた。
「これ……俺?」
道路のど真ん中に、力なく横たわる少年。血液だろうか。頭が赤く染まっている。
俺は、一つ思い出した。
「どうじゃ? 覚えておるか?」
「この時は思い出した……でも、その後は全然……」
俺は、小さい頃にトラックにひかれた。その時の記憶は、頭からすっぽぬけていて、事故の詳細は後から伝えられて分かったものだ。
「そうか……では、ここから少し早送りするぞ。」
閻魔が、両手に力を込めると、鏡に映る映像が、どんどん切り替わっていった。
救急車の中、病院の廊下、病室のベッドの上…… 目まぐるしく場面が移り変わる。
進む映像の先に、明らかに異常な光景が待っていた。
暗い、暗い一本道を、ただひたすら歩き続ける俺がいる。
空は赤黒い雲で覆われ、遠く彼方には、黒と黄金で塗られた大きな門が建っていた。
「ここは……」
「地獄への道じゃ。この先で、死人は閻魔の裁きを受ける。」
てくてく歩き続けた小さい俺は、遂に地獄の門までたどり着いた。
俺は少し迷った後、両手で門を押す。小さな力でも結構簡単に開いたようだ。
門の先には……
ただ、今までと同じ風景。さらに一本道が延々と続いていた。
「え? 何で……」
「まあ、見ておれ。」
きょろきょろしたあと、がっくりと肩を落とす俺。その目には涙が浮かんでいた。すると、どこからか、すごみのある声が聞こえてきた。
『落胆するでないぞ、少年。』
『……?』
どこからの声か分からずに、困惑する俺。
『今行くぞ。』
その声の数秒後、赤黒いどろどろとした雲の辺りから、いきなり椅子が落ちてきた。
『……!?』
俺が右往左往している間に、椅子は、どぉぉぉぉん! と、地面に降り立っていた。
門と同じ様な、黒と黄金の椅子。
その上には……
『裁きの時間だぞ、少年。』
……閻魔が座っていた。
- Re: 俺の隣に神様が居るよな?【閻魔様襲来の巻】 ( No.25 )
- 日時: 2016/01/30 07:06
- 名前: ビタミンB2 (ID: fOamwJT9)
『……!』
あとすざる俺。それを閻魔がたしなめている。
『まぁまぁ、怖がるでない。もっと近くに寄ってくるのじゃ。』
俺は、怯えた目で閻魔を見つめるだけで、一歩も進まなかった。むしろ、方向転換して駆け出そうとしている。
閻魔はため息をつくと、懐から何か取り出した。
『ほれ……食べるのじゃ。旨いぞ。』
白くて、丸い、それに、俺は目を丸くし、そして輝かせた。そして、警戒しながら、少しずつ歩み寄ってきた。
閻魔はニコニコ笑って様子を見ている。
やがて俺は、閻魔のすぐ真ん前まで来ていた。そして、閻魔から物体を受け取り、小さな声で
『…………いただきますっ』
と呟く。それが聞こえたのか聞こえないのか、閻魔は微笑んでいた。
俺は、手にしたそれ……豆大福にかぶりついた。
横でカンナギが爆笑している。閻魔もくすくす笑っていた。
「お前ら……ほんっと笑い過ぎ。」
頬が、じんわり熱を帯びていく。自分でも、顔が赤いのが分かった。
「豆っ……ま、め……っ……大福っ」
「可愛いのぉ、物に釣られるとは。」
「……うるせぇ。」
頭をがしがし掻く。本当に恥ずかしい。今でも豆大福は大好物だか。
やっと笑いを抑えたカンナギが、俺の肩をぽんぽんと叩いて、それでいてまた吹き出している。
「……いちいちイラつくなあ、お前。」
「葉月! 無性に豆大福……っ、が食いたくなってきたぞ! 後で一緒に買いに行こうではないか!」
「豆大福の部分で笑い堪えたな!? 買いに行くから、続き続き!」
閻魔に続きを促す。閻魔も笑いながら鏡に向かった。
……ホントにこいつらは。
- Re: 俺の隣に神様が居るよな?【閻魔様襲来の巻】 ( No.26 )
- 日時: 2016/02/01 05:00
- 名前: ビタミンB2 (ID: fOamwJT9)
『ほうほう、豆大福が好物なのじゃな? いいのう、若い者は。』
俺は首をかしげ、大福を頬張りながら、閻魔に訪ねた。
『……僕より年下じゃ、ないの?』
『むむ! 失礼なやつじゃのう! お前の何十倍も生きておる我は、お前のようなわらしとは格が違うのじゃー!』
閻魔は、最近の若者は……礼儀の大切さは……などなど、くどくど語り始めた。
俺は、最初のうちは興味を持って聞いていたが、そのうちに首ががくん、と落ち、立ったまま寝そうになっている。
『だからのう、お前達のような……』
-十分後-
『さて、話もこれぐらいにして……っておーい? 聞いておるか〜?』
俺は、完全に立ったまま寝ていた。凄く気持ち良さそうだ。
『おぉ〜い?』
『……はっ!』
顔をあげる俺。半開きの目を擦り、閻魔に聞いた。
『僕は死んだの? もう生き返れないの?』
『うむ……生き返るのは不可能ではないが……難しいのう。まずは裁きを受けなければ。』
『裁き……?』
『お前が生きている間、してきた良いことと悪いことを秤にかける。その結果で、お前のこれからが変わるのじゃ。』
俺は、解せた、という顔をしてから、
『なんか、閻魔大王さまみたい。』
と呟いた。その言葉に、今度は閻魔が首をかしげる。
『閻魔?』
『君、閻魔さまじゃ無いの? じゃあ、名前は何ていうの?』
閻魔は、背筋をのばし、椅子の上でふんぞりかえり、堂々と言った。
『名前は無い! 我は我、それだけだ。』
俺は、しばらく閻魔をじっと見上げてから、くすっと笑う。
『そんなら、今日から閻魔だね。君。』
『なんと! 我の名前を勝手に決定するとは! だが……閻魔か……』
『どお?』
『……悪くない。』
閻魔はニヤリと笑い、俺に手を延ばした。
そして、肩に手のひらをポン、とのせる。
『よくぞ我の名前を考えてくれた。我は今日から閻魔と名乗る。お礼に褒美をとらそう。』
『わぁ! 何なに? 豆大福だよね? 豆大福だね? やったー!』
『凄い溺愛ぶりだな。』
「は? ちょっと待て。」
「ん? なんだ、葉月。」
「俺が……閻魔の名付け親……?」
閻魔が、七色の目をきらきらさせて頷く。
「そうだぞ! 閻魔もまさかこんなかたちで再会するとは思わなかった。まさに奇跡だな!」
カンナギも、茶色の目を丸くしている。
「そうだったのか! 初めて知ったぞ!」
- Re: 俺の隣に神様が居るよな?【閻魔様襲来の巻】 ( No.27 )
- 日時: 2016/02/11 19:19
- 名前: ビタミンB2 (ID: d/IlFCIL)
お久しぶりです!
テスト勉強があって、なかなか更新できず……
むしろここからテストにむけてスパートなのです。何やってんだ。
でも、小説書いてる方が断然楽しいので、勉強サボります!
本文↓
鏡の中の俺たちは、まだ話している。
『さて、それでは裁きを始めるぞ。』
『うん。』
閻魔は、小さな天秤をどこからか取り出した。それは、閻魔の手を離れると、ふわふわ宙に浮き出した。
俺は、緊張した堅い顔をしているが、浮く天秤への興味が滲み出ている。
そして、閻魔は俺の頭に手を置く。
『じっとしているのじゃ。』
俺が頷き、目を閉じようとした、その時。
『それは駄目。その子は僕のおもちゃだよ?』
……どこからか、響く声。
閻魔は顔をしかめた。唇が歪む。
俺は、目を開き、怯えながらきょろきょろしている。
『誰だ? お前は。裁きを邪魔するでない。』
俺の後ろに、いつの間にか人が立っていた。真っ黒いローブを羽織り、フードも被っている。顔は見えない。
『僕、この子面白いと思うんだよね。将来が楽しみなんだ。』
『だから何だ? 一般ぴーぽぉが他人の死の運命を変えられるとでも?』
『あははっ、一般ぴーぽぉって。僕、それなりに強いよ? もし、邪魔するなら……』
『君だって、殺しちゃうかもね?』
一瞬、ローブの人物の口元が見えた。
整った薄い唇に、冷たい笑みをたたえている。小さい俺も、怯えていた。
『さぁ、行こう。』
そういうと、ローブの人物は俺を抱えた。
そのまま閻魔に背を向けると、とん、と地面を蹴る。
『……!』
あり得ないスピードで、ローブの人物は前に進んでいた。今まで俺が来た道を、反対方向へと戻っていく。
閻魔は、むっとした顔で、右手を前につき出す。すると、赤黒い雲の間から、金属の檻が、いくつも降りてきた。
『あはっ、危ないなぁ。』
ローブの人物は、俺を抱えたまま、ひらりひらりと檻をかわしていく。
まるで、煽っているような動きだ。
寸前まで檻の落下点に迫り、焦らすように離れていく。
閻魔は、乱暴に右手を下ろし、半ばやけにため息をついた。地獄と極楽と現世の狭間に、閻魔の声がこだまする。
『葉月〜! 名前、ありがとうなのじゃ〜!』
俺は、少し目を見開き、ローブに掴まったままで、声のかぎり叫んだ。
『うんっ!!』
『まあここまで来れば、大丈夫だね。』
ローブの人物が、フードを取った。俺を地面に降ろし、さもおかしそうに顔を覗き込んでくる。
『怖かった?』
俺は、警戒心を解かず、目の前の少年を見つめていた。
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