コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

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『R−18』
日時: 2018/12/15 23:21
名前: 彩都 (ID: okMbZHAS)

 カァカァ、カラスの鳴き声を聴きながら、海辺の近くの崖に立っていた上半身裸の少年の髪が靡く。
 少年は大きく深呼吸をして、大きな海を見渡す──遠く遠くの奥、そこには綺麗な国、『ニホン』が存在していた──そして少年は一言、呟いた──
「──俺が、『このセカイ』を潰さないと──」
 そう呟きながら、後退した──その崖には九つの綺麗な木の棒が刺さっていた──その木の棒は若干濡れていた──

『R−18』 第十部 開幕──

 始めましての方は始めまして、何時も彩都の作品を読んでいる方は感謝します。
 彩都(サイト)と申します。
 今作で八作目です、まぁ、何とも小説のスレを作っては一ヶ月一回のみ更新とか、呑気にやってます。
 さて、今作は名前が危ういですが、気にせずお読み下さい、そんな描写無いし。
 まぁ、本音を書けば、『18歳未満の少年少女しかいない孤島』の物語ですね、なので『R−18』。
 後、コメントはその章が終わったら、書き込んで下さい。
 それでは本編をお楽しみ下さい──

 第一部 書くかなぁ?

 第二部 ありますよ。

 第三部 存在します。

 第四部 無い訳無い。

 第五部 半分終了か?

 第六部 折り返しか?

 第七部 多分終盤か?

 第八部 何か消える。

 第九部 九割終了か?

 第十部 回収多いな。 ←今ココ
 
 第十部 『選択過多少年』
   ↓
 第十部 第一部 プロローグ 過去と今を行き来する『モノ』 ←今ココ執筆中
   ↓
  ???

 第十一部 有る訳無い

目次みたいな何か

>>0
 親記事に決まってるだろ、何書いてんだこのアホスレ主は。
>>1
 物語に対しての初レス、この更新で色々決まるか。
>>2
 新キャラが出ました、たったそれだけですね。
>>3
 物語は、少しずつ進む……
>>4
 アキナちゃんは強いんだぞ!
>>5
 彩都さんはあまり七草粥は好きでは無いです。
>>6
 新名所、桜崖、落ちても安心。
>>7
 西の地区長、登場、西のどの地区かは不明。
>>8
 今回は戦闘回、何で戦闘を書いているんだろう? 自分的にはプロローグでは戦わない様にしているのですが……
>>9
 戦闘終了&アキナの伏線を貼る、一体アキナは何者なんでしょう? 気付いてくれると嬉しいですねぇ。
>>10
 アキナの小話、これで前回の投稿分の伏線は回収出来たか……?
>>11
 勝手に決まる物語。
>>12
 椎名の地区の地区長、ロバート・ダニエル・ジェームズが登場、実は『=』とか使いたかったけど、よく分からなかったから、『・』でご誤魔化しました。
>>13
 さぁ、物語も中盤戦ですね、十夜とアキナは別行動に。
>>14
 キャラのバーゲンセールですね、どれだけ新キャラ出せるだろう?
>>15
 遂に登場、『能力』、どんな説明なのか? 後、全員紹介したいのに文字数が足りな……
>>16
 やっと全員出し切る事が出来ました、さぁ、次回から、やっと物語が動き出します。
>>17
 ん? あんまり本編が進んでいない……? 後、やっとアキナ登場。
>>18
 原理さん、アンタって奴は……嘘でしょう!?
>>19
 遂に十夜にバレてしまうアキナ! 一体どうなる!?
>>20
 バレたから適当になりました、えぇ。
>>21
 二日目開始、そして此処で大きい伏線を張る、さぁ、最終回で明かす設定になりました……忘れていなければいいですが。
>>22
 今回は名前ネタ、完全に作者が悪いですね、名前は……誰だよ作者? ……彩都なんだよなぁ。
>>23
 今回は他のキャラを掘り下げてみた、霜月を書くのが楽しかった。
>>24
 他のキャラが久し振りに登場、完全に作者はキャラを忘れている模様。
>>25
 名前ネタ、再臨、まぁ、面白いから、やらかしました、えぇ。
>>26
 段々と集まっていきますねぇ。
>>27
 プロローグなのに、葉月奪還編が始まります。
>>28
 謎のキャラ登場、周防君、地味に入力めんどくさい名前。
>>29
 今度の新キャラは二人です、おまけに兄妹です。
>>30
 妹の名前を設定していないので、困りながら書きました。

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Re: 『R−18』 ( No.26 )
日時: 2018/08/18 23:13
名前: 彩都 (ID: ???)  

 食堂、此処には数名のメンバーが居る、十夜、如月、アキナ、原理、翡翠、吻合、長月、霜月、メアリーが存在していた、すると、長月がホワイトボードに文字を書いた。
『そういえば、りょうりはできたー?』
「んー? 料理かぁ? ぜぇんぜん出来てねぇ、出来たとしても、メンバーが足りない」
「そうだったのか……」
 長月の文字を読んで、吻合が言う、吻合の言葉を聞いて、十夜が納得する。
「まぁな? 『家族皆でご飯を摂取する』って決めているんだ、ロバートよりも前の住人がな?」
「へぇ……俺の所にも近いな、アキナ?」
「えっ? あぁ、そうだね……でも、私達の場合、『規定の時間にご飯を作って食べる』から、寝過ごしたら、無いんだよねぇ?」
「そうそう! んで、原理さんみたいな年上の高見 佐上原(たかみ さがみはら)って奴がいるんだけど、よく寝過ごすんだよなぁ! 低血圧ってーいう、奴でなぁ!」
「そうそう! 高見お姉ちゃんは大変だよねぇ!」
 十夜とアキナがそう言うと、長月が『ていけつあつってなにー?』と、文字を書く。
「えっと……低血圧って言うのは、朝、血の巡りが悪くて、動けない人の事を言うのよ、大まかに言えば、病気だから、落ち着かせてあげてね?」
『ふーん、なるほどー!』
原理の説明を聞いて、長月は納得する、すると、出入り口から、ロバート、皐月、水無月が現れる。
「お早う! 皆!」
「あぁ、お早う」
『おはよー』
「お早うです」
 皆が順々に挨拶をする、すると、皐月の後ろで水無月が顔を赤らめながら十夜を見る、そんな十夜は視線に気付いて、水無月に言う。
「えっと……何です? 水無月さん?」
「えっ? あっ、えっと……何時見ても可愛いなぁ? って?」
「……はぁ?」
「いやぁ、年下って良いわよねぇって話よ? あぁ、お世話したい……!」
「……何かこの人にお世話されたら、二度と、元の世界に戻れ無さそうで怖い……」
 十夜はそう言って恐怖に怯える、そんな言葉を聞いた水無月が『マジでぇ……!?』と、衝撃を受けていた、そして、口を手で押さえていた。
「うぅっ……! 私は年下のお世話大好きお姉さんなのに……!?」
「思考が危なくなっているぞ、水無月さん……?」
 原理がそう言ってツッコミを入れる、そしてロバートが、『まぁまぁ? 少年には反抗期があるからな? それかもしれないぞ?』と、助け舟を出す。
「そ、そうよね! そうだよねロバートちゃん! その可能性をお姉さんは信じるわ!」
「……ベクトルというか、何というか、『良い人』なんだけど、良い人のベクトルが違うというか……まぁ、良い人なんだろうけど、何だかなぁ……?」
 原理がそう言って、頭を抱える、ホント、何だかなぁ? 原理はそう思いながら、三人を椅子に座らせる。
「ふむ、まだ帰って来ていないメンバーも居るのか?」
「え、えぇ、一応は……睦月、卯月が……卯月はマラソン、睦月は寝てる」
「お、おいおい……卯月が遅れるのは仕方無いが、睦月は……はぁ、起こしてくるよ」
「あぁ分かった」
 吻合はロバートにそう返答し、ロバートは立ち上がって、場を離れた。
「……大変だなぁ? ロバートさんも?」
「えぇっ? どうして? 何処が大変なの?」
 原理が十夜にそう言うと、十夜は静かに言う。
「い、いや、だって、起きていない相手を起こしに行くっていう所が……」
「あぁ、確かに、十夜君、アキナちゃんの話を聞いていれば、そうなるかもしれないわね? でも、ロバートの場合、『少し違う』のよ? いや、それを言うなら、メアリーもなんだけどぉ?」
 原理がそう言うと、『あぁ、まぁ、確かに、な……』と、メアリーが反応する。
「えっ? どういう事なの原理さん……?」
 アキナが原理に言う、すると、原理は静かに言う。
「えーと、メアリー、ロバートが『ハーフだ』って、話はしたわよね?」
「えっ? あぁ、一応は……でも、それがどうしたんです?」
「『それ』が、『それ』が重要なのよ、まず、日本人の肉体と外国人の肉体を比べて見れば分かるわ、『同年齢なのに、『ハーフ』の方が図体がでかい』って事に?」
「えっ……? あっ、そっか、確かに外国人の方が、図体がでかい……」
「そう言う事で、メアリーもロバートも虐められたのよ? それは酷い虐めもあったわ、でも、『年が経つ内に、二人はもっと、図体がでかくなった』、つまり、『幼い時よりも力が強くなった』って訳、そして図体がでかい二人に怯えたいじめっ子は……だから、もう虐めは無い、おまけに虐めていた存在ももう18歳になってこの島を離れたし……」
 ロバート、メアリーのとんでもない過去を聞いて、静かに驚く十夜、そして、言葉を続ける原理。
「んで、二人は『皆仲良くするように』と、考えて、『毎日毎日、ご飯の時は一緒に食事をする』って事を決めたの、ご飯に罪は無いからね? お腹が減っていたら、虐めもクソもないからね?」
「た、確かにそれもそうですね……」
 十夜は静かに原理の発言に返答する、すると、『睦月を起こしたよぉ?』と、言って、ロバートさんが睦月を背負った状態で食堂に現れる、うーん、そんな暗い過去がある様には見えないけどなぁ……十夜はそう思いながら、座らせられる睦月を見つめた──

Re: 『R−18』 ( No.27 )
日時: 2018/09/15 22:12
名前: 彩都 (ID: ???)  

「うぅむ……もう、朝か……?」
 睦月はそう言って、目を指で擦る、そんな睦月に対し、メアリーが『あぁ』と、返答する。
「ほう……つまり、もう朝ご飯、と?」
「そうだぜ?」
『そう』
 睦月の発言に十夜、長月が返答する。
「へぇ……じゃあ、もう食べようか」
 睦月がそう言うと、ロバートが『待て』と、発言する。
「葉月が来ていない」
「えっ? 葉月ちゃんが? 珍しい、何時も早起きして、外の掃除をしているのに? ……って、そういえば、『今日はまだ見ていない』わ……ねぇ、アキナちゃん、十夜君?」
「えっ? ……そう、そうだな……確かに見ていないや」
「そう、だね……?」
 急に話を降られた二人は戸惑って言葉を濁す、いや、知らねぇよ? 十夜はそう思いながら返答していた。
「だよねぇ……じゃあ、何処に行ったのかしら……?」
 原理が首を傾げ、『ふぅむ……』と、悩んでいると、玄関から『うわっ!? 何だこれ!?』と、卯月の声が聞こえた。
「ど、どうしたんだ?」
 十夜がそう言って立ち上がる、するとロバートが『十夜君は座ってて? 私が確認する』と、言って、玄関へと向かう。
 い、一体どうしたんだろう? 十夜はそう思いながら、椅子に座る、すると、『何だこれは!?』と、ロバートも叫んだ。
「……アキナ、確認しにいこう」
「えっ? で、でもお兄ちゃん、足は……」
「関係ない」
 十夜は息を飲み込んで立ち上がり、松葉杖で玄関へと向かう、その後ろ姿をアキナは静かに見続ける。
 すると、二階の階段から降りてきた、目を擦る椎名と出会う。
「んー? 君はアキナちゃんじゃないか? どうしたんだ? アイツは?」
「アイツ?」
「あぁ、十夜の事だ」
「あぁ、お兄ちゃんなら、玄関に」
「玄関? 玄関に行くって、どういう事だ? よし、太陽の日を浴びる序でに向かうか」
 椎名はそう言って、首を鳴らした後、玄関へと向かう、アキナも仕方無いなぁ、と、思いながら、玄関へと向かった──

「畜生! あの『西』め! 今度は私達か!」
「…………」
「どうしたんですか? 西?」
 卯月、ロバートがポストに投函された紙を確認する、そんな二人に近付く十夜、するとロバートが『全くだ』と、溜息を吐いていた。
「前に君の足を折った存在、西の地区長が葉月を誘拐したってさ? やれやれ? 『西』のやる事は逐一理解出来ない? もしかして『R−18統一』を行おうとしているのか? だが、それは無理だ、ニホンの戦国時代を確認して欲しい、『どれだけの血を、人が死んだ』か? つまりはそう言う事だ、『R−18内でも死人が出る可能性が有る』と言う事だ、だからこの島を統一する事は不可能だ」
「西……」
 十夜はロバートの台詞を聞いて、自身の足を確認する、自分の足を折った存在、椛 白樺、そいつはあまりにも強く、あまりにも、強者だった、勝てない、否、『勝つ事が出来ない人間』の一人だった。
 見た目はほぼ同一の感じなのに……腹が立つ、とても、とても……! 十夜はそう思いながら、『ロバートさん、紙を、貸して下さい』と、発言する。
「えっ? あ、あぁ、いいよ?」
 ロバートはそう言って、十夜に紙を渡す。
『ロバートへ
葉月 新田奈を誘拐した、返して欲しければ、西の地区長率いる『統一軍の社』に来い。
来なかったら、葉月 新田奈の命は無い
『R−18』統一軍より』
 紙にはこう書かれていた、その文を読んで、十夜は紙を思いっきり地面に叩きつけて、叫ぶ。
「巫山戯るなよ! お前等ぁ!! なぁにが、『R−18』統一軍だよ!? 統一!? 巫山戯るなよ! 出来っ子ねぇだろ!? ……ロバートさん!」
 鬼気迫る顔でロバートを見るが、ロバートの顔は雲行きが怪しくなるだけだった。
「…………」
「行きましょう! 此処に! ご丁寧に裏に地図も書かれてらぁ! だから、葉月を取り返そう!!」
 叫ぶ十夜だが、ロバートは『無理だ』と、端的に言う。
「どうして!?」
「そうやって、無闇矢鱈と突撃して、君が死んだらどうする? いや、発言を変えようか? 『敵の数が分からないのに、突撃するバカがいる』か? 今は相手の状況が分からない、だから、偵察軍をこっちは作らなければならない、だが、『此処に投函した』って事は『此処のメンバーの顔は割れている』に等しいだろう? だから、十夜君の家のメンバーを、偵察に使えるメンバーを呼んで、偵察にしてくれないか? 相手の方に十夜君の家のメンバーの顔が割れているとは限らないからね?」
「…………確かに」
 ロバートの発言を受けて、祐介は静かに頷く、そして十夜は背後から走ってくるアキナに言う。
「アキナ、一緒に家に戻ろう、そして、偵察軍を作ろう!」
「えっ? どういう事?」
「簡単だよ? こっちの顔は割れているから、俺達以外のメンバーで偵察軍を作って、相手の偵察をするんだ、それがロバートさんの話だ」
「……成程、じゃあ、『私が行く』よ、お兄ちゃんは満身創痍、おまけに体が軽いのは私、偵察してて、相手に見付かっても、逃げるのは、容易でしょう?」
「で、でも!?」
「お兄ちゃん? 少しは人に頼れよ?」
「!」
 アキナは急にもう一つの人格を使用し、十夜を圧倒させる。
 うぅむ……仕方無い、今のアキナにとって、正論を言っている、だからアキナに行かせるか、でも、一人は心配だしなぁ? 十夜がそう思っていると、ロバートが『一人では危険だ、椎名、一緒についてくれないか?』と、発言する。
「えっ!? 俺!? ……まぁ、いいけれど? じゃあ、偵察する場所は何処だ?」
「此処だ」
 十夜はそう言って、椎名に地面に投げた紙を渡す。
「裏だ」
「ほぉーん? 成程ねぇ? ……へぇ、文はこうか、『葉月さんを誘拐した、返して欲しかったら、『統一軍の社』に来い』ってか……しゃぁねぇなぁ? 行こうぜ? アキナちゃん?」
「成程、お兄ちゃんの説明が少なかったから、困ったよ」
「うぐっ……」
「よし、それではロバートさん、行ってきます」
「あぁ、危険だと思ったら、途中で逃げてくれ、いいな?」
「はい」
 椎名はそう言って、頭を下げた後、一人で走って『統一軍の社』へと向かう、アキナも後からついていく──椎名、アキナの二人は『統一軍の社』に滞在するメンバーを知る事が出来るだろうか? それはまだ分からない──

Re: 『R−18』 ( No.28 )
日時: 2018/10/20 23:48
名前: 彩都 (ID: ???)  

 アキナ、椎名の両名は紙の裏に書かれた地図を頼りに『統一軍の社』へと向かっていた、此処は『西の地区長』率いる『統一軍』なる者が集まって出来た軍団であり、その軍団、及び『統一軍の社』の土地を調べるべく、アキナ、椎名の両名は地図を使用して、『統一軍の社』へと向かっていた。
「……それにしても、あの時のアキナちゃんの威圧、恐ろしかったなぁ? まるで『人格が変わった』みたいな感じだったよ?」
 そう言う椎名に対し、ドキッと思うアキナ、あっぶねぇ! バレたかと思った……アキナはそう思いながら、『あは、あはは……そう? 驚いたぁ?』と、何とか言葉を紡ぐ。
「あぁ、驚いたぜ?だって、完全に『人が違っている』んだもん、そりゃ誰だって驚くさ」
「そ、そう……」
 いや、まぁ、実際人が違うのは正解なんだけど……アキナはそう思いながら、『椎名お兄ちゃん? 少しは無言で向かおうよ? 耳が良い能力者もいるかもしれないからね?』と、発言する、すると椎名は『大丈夫大丈夫だって! だって、能力者は此処最近減っているんだろう? だったら、この島にもあまり能力者は居ないは──』と、言って、『急に倒れ』た、まさかの椎名の転倒に、『誰かのトラップか!?』と、思うアキナ、そして、椎名の転倒した場所を境に立ち止まり、周りを確認する、おまけに足元も確認するが、『糸で転んだ』というトラップでは無さそうだった。
一体何が起きた……!?そう思いながら椎名に触れると、椎名は『頭が……揺れる……』と、言って、頭を抱えていた、揺れる? 一体何が起きた? アキナがそう思っていると、椎名、アキナの前に一人の少年が現れる。
「ふーん? やっぱり『そういう』輩はいるかぁ……やぁ? 初めまして? 僕は『統一軍の社』のメンバー、北の地区長が一人、周防 佐々(すおう さざ)と言う、以後宜しかない」
 そう言って、アキナの前に一人の少年、周防が現れる、そんな周防を見て、アキナは『貴方は……彼に何をしたんですか?』と、冷静に言う。
 すると周防は『簡単だよ、彼を止めただけ』と、呟く。
「……止めた、って? どうやって、止めたんですか?」
 歯を剥き出しにして、睨むアキナに対し、周防は『おいおい? 女の子がそんな顔をしてはならないよ?』と、呟いて、口の端を歪ませて、『聞きたいか?』と、問う。
「あぁ、そりゃ聞きたいさ、教えろ」
「ふむ、少々言葉遣いが荒いが、まぁ、いいだろう? 教えてあげるよ、『僕の能力で、彼は倒れ』た、ただそれだけさ」
「!?」
 能力者だって!? アキナはそう思い、『クソッ!』と、舌打ちをして、睨む、そして『どんな能力なんだ?』と、問うた。
「……言う訳無いだろ?」
 周防はそう言って、アキナを指差して宣言する。
「一つだけ言うよ、『僕の能力の前では全ての人類が勝てない』って事をね? 束になっても、君は僕には勝てない、それが能力者、周防 佐々の能力だ」
「……アンタの能力は良く分からないけれど、私がアンタに勝てないってー言うのは、少々違うんじゃないかなぁ……?」
 アキナは静かに周防を睨み、周防を見つめる、そんな周防は静かに腕時計を確認し、『それじゃあ、彼も起きるだろう、君も彼も、僕には勝てない、それだけは伝えておくよ』と、言って、周防は静かにアキナの前から立ち去る──そして立ち去った後、すぐに『椎名が起き上がり、『あれっ? 痛みが消えた?』と、言って、頭を振って』いた、その姿を見て、『えっ?』と、アキナは思う。
「えっ? 急に、急に頭の痛みが取れたの?」
 アキナが椎名に問うと、『えっ? あぁ、そうだけど?』と、返答する。
 え、えぇー? ど、どういう事? な、何がどうなって……? と、そういえば周防は『彼も起きるだろう』と、発言していた、これはどういう事だろうか? 『目覚める時間が分かっていた』って事か……? おまけに周防の能力にかかっていたのは椎名のみ……つまり『周防の能力は時間制限がある』って事か……? アキナはそう思いながら、顎に手を当てる。
 もしも、もしもだ、『時間制限がある能力』なら、攻略法が有る、それは『時間が切れる迄待つ』だ、それをすれば、勝率は有るかもしれない、おまけに周防の能力がかかったのは『椎名のみ』、つまり、周防の能力は『時間制限があり、尚且つ一人にしか使用出来ない』って可能性がある! アキナはそう思い、周防の対処法を考える、すると椎名が『アキナちゃん?』と、言って、肩に触り、アキナは『あっ!?』と、思って、顔をゆっくり椎名に向ける。
「な、何? 椎名お兄ちゃん?」
 片言で呟くアキナに対し、椎名は『おいおい? 立ち止まってどうしたんだよぉ? トイレかぁ?』と、元気に言う、そんな椎名に対し、アキナは『……ちょっとね? 考え事を……』と、言って返答するしかなかった。
「ま、まぁ、考え事も済んだし、さ、さっさと先に進もうか? 『統一軍の社』って場所を、確認しないとね!」
「おう! そうだな! それじゃあ、さっさと向かおう!」
 アキナの発言を受け、椎名は元気になる、そしてアキナ、椎名の両名は真っ直ぐ進んで、『統一軍の社』が存在する建物へと走って向かった──

Re: 『R−18』 ( No.29 )
日時: 2018/11/17 23:42
名前: 彩都 (ID: 5TWPLANd)  

 椎名、アキナの両名は周防 佐々(すおう さざ)の邪魔が入ったが、先に進んでいた、進むは『統一軍の社』、そこのみだ。
 そんな『統一軍の社』に向かっている途中、二人は森の中に侵入していた、そう、『進入』ではなく、『侵入』だ。
「……緑色の葉っぱばっかでつまらん」
 そんな事を言う椎名に対し、アキナは『知るかばか』と、思いながら、椎名より少し後方に離れて歩いていた、つまり椎名は囮だ、アキナにとって、『能力者が現れた場合、真っ先に椎名を見た方が良い』という判断である。
 だが、歩いても、走っても、『森林は抜けるどころか、段々と深く感じてきた』、……多分光の影響だろう、少し光が遮られてるから、そう思うだけ、アキナはそんな事を思いながら、唾を飲み込むと、『んっ?』と、素っ頓狂な声を出す椎名、一体どうしたのだろう?アキナはそう思いながら椎名に聞いた。
「ど、どうしたの?」
 そう言うアキナに対し、椎名が『いや……俺達、『迷って』ね?』と、少し驚いた表情で言った、迷った? そんな筈は無いだろう? だって、『迷っているのなら、こんなに暗くなり続けるなんて、有り得ない』だろう、アキナはそう思いながら、『そうかなぁ?』と、少し不思議そうに言う。
「そ、それじゃあ、足跡でも、気に跡でも作る? そうしたら迷っていないのが分かるよ?」
 そう言うアキナ、すると椎名は『成程、そういう判断が出来るか』と、呟いて、ズボンの中から、人差し指サイズレベルの果物ナイフを取り出し、気に『バーカ』と、削る。
「……椎名お兄ちゃんってさぁ? 馬鹿なの?」
 アキナが不思議そうに言うと、椎名は『違うわ!』と、叫ぶ。
「馬鹿なのはこの森だ! 何なんだよ!? 迷うような森にしやがって! もっと見通しの良い森にしろってんだ!」
 椎名はぷんぷん怒りながら、先に進む、そんな椎名に対し、『ガキだな?』と、呆れるアキナ。
 そして二人は更に奥へと進んだ──と、椎名は『えっ!?』と、驚いたような声を出す、一体何なんだ? そう思い、『どうしたのー?』と、言うと、『あ、アキナちゃん? 見てくれよ……』と、木を指差す。
 すると木に『バーカ』と、書かれていた、その文字を見て、『迷ってる!? いや、同じ道を歩いている!?』と、判断するアキナ、すると『気付くの遅いなお前等ぁ!?』と、驚かれたような声が上からする、続けて、『せやなぁ! せやなぁ!』と、関西弁口調の女の声が聞こえた。
「よっと? よぉ、初めまして? ワイの名前は久上、好尚 久上(こうしょう くじょう)、『迷路を作る能力』や、アンタ等はワイ等を倒すか、殺すかしないと、迷路を脱出出来へんでぇ?」
「そうやでぇ? アンタ等は私達の『森林迷宮劇場(シアター・フォレスト・ラビリンス)』から脱出出来へんでぇ!!」
そう言って、椎名とアキナの前に二人の男女が現れた、アキナは『能力者が二人……!?』と、身構える、だが、よくよく考えて、『何だ、『迷路を作る能力』なんだよなぁ? だったら、対処は簡単だ』と、思うが、椎名の発言を聞いて、アキナは衝撃を受ける。
「おい! そこの女も能力者なのかよ!?」
「せやで? 私は『植物を生長させる能力』や、この二つを使用して、私達の『森林迷宮劇場(シアター・フォレスト・ラビリンス)』は完成する! この『森林迷宮劇場(シアター・フォレスト・ラビリンス)』は、『脱出不可能の迷宮』なんや! 久上兄貴と、私のコンビは最強やでぇ!」
「なっ!? 『植物を生長させる能力』だって!?」
 アキナはその発言を聞いて、『だから奥に進む度に光が少なくなっているんだ! 『生長している』から、木々が生い茂って、光が少なくなっているんだ!』と、判断する。
「くそっ……兄貴だって? 兄妹の能力者かよ……!?」
 椎名はそう言って、額の汗を拭う、アキナは二人を見て、『くそっ、無能力者椎名を背負って、私は戦わなくては鳴らないのか!?』と、思いながら、息を荒くする、歩いて体力を消費したってのに、此処で私の頭脳戦を行わなければならないなんて……! 苦行かよ!? どんな苦行だよ!? アキナはそう思いながら、『椎名お兄ちゃん? どうする?』と、問う。
「……どうしよう? とりあえず、男は俺が倒す、女の方はアキナちゃんに任せたいけど、アキナちゃんのサイズだと、勝てる可能性は少ない……」
 椎名はそう呟いて、久上に指差して、『てめぇ!』と、叫ぶ。
「木から降りて来いよ? 俺がお前を倒す!」
「ほう? 中々に威勢が良い男やな? えぇで? 降りたるわ」
 椎名の発言を受け、久上は仕方なく降りようとする、だが、『久上はターザンの様に降りて、椎名の顔面を両足でぶつける』、まさかの出来事に『ぶっ!?』と、大声を出し、久上はそのまま手を離し、地に足を着ける、だが、椎名は左半身を地につけていたが。
「て、てめぇ……!」
 横目で睨む椎名だが、久上は椎名の頭を踏みつけて、『降りてやったぞ都会もんが?』と、邪悪な笑みを作る久上、『コイツ!?』、アキナは久上を見て、激怒する、仕方無い、椎名お兄ちゃんが気絶する迄、待つしかない……そして気絶した後、コイツを倒せば良い、アキナはそう考えて、唇を噛んで、椎名、久上を見つめる事しか出来なかった──椎名は久上に頭を踏まれ、『ぐあぁぁぁ……』と、苦しみの声を出していた──

Re: 『R−18』 ( No.30 )
日時: 2018/12/15 23:22
名前: 彩都 (ID: okMbZHAS)  

「あぁぁぁぁ……!」
 悲鳴をあげ、苦しむ椎名を見て、怒りをひた隠しにするアキナ。
 だが、『椎名の悲鳴を聞いて、耐えられる存在ではなかった』、アキナは耐え切れずに『止めろ!!』と、叫んだ。
「おぉっ? 止めるん? 本当に止めてえぇん?」
「止めろって言ってんだよ、聞こえないのか低脳は? そもそも人の悲鳴を聞いて、耐え切れるような存在では無いのでね、私は?」
「えっ? アキナちゃん、何か口調がへ──」
「お前は黙ってろ、椎名」
 突然雰囲気が変わったアキナに不思議がる椎名、そして椎名がそれを指摘すると、アキナは静かに椎名を止める。
「はぁー……全く、あまりこの姿を十夜お兄ちゃん関連の人間には見せたくないんだけどなぁ? 椎名お兄ちゃん? 『今からする事は全て忘れていて』ね?」
 アキナはそう言って、椎名の前に移動し、背後の椎名に言う、椎名は『は、はい……』と、驚きながら返答する。
「……よし! それじゃあ……逝きますか」
 アキナはそう言って、背後の久上に向かって、『回し蹴り』を放った、だが、回し蹴りと言っても、アキナはまだ幼い、幼いので、回し蹴りで頭部を狙えずに、脇腹を蹴ってしまう。
「いってぇ!? な、何すんねんこのガキぃ!?」
「ガキ? おいおい? 私はガキじゃないよ? お前達は分からんようだが……私は軽く二十歳を越えたいい年した人間なんだぜ? ガキが私に歯向かうな」
 アキナの発言を聞いて、久上、妹はその場で大笑いする。
「あははははは! 何が『二十歳を超えた言い年した人間』だってぇ? そんなん今の状況じゃぁ、意味がねぇ! ワイらには関係がねぇ!」
 苦情はそう言って、その場で口の端を歪ませるが、アキナはその場で大きな溜息を吐く。
 そしてアキナは静かに『これだから馬鹿は仕方無い』と、呆れる。
「お前達じゃあ私には勝てんよ? それは年の功が証明しているから」
 アキナはそう言って、脇腹を抱える久上を見て、再度腹部に蹴りを放った。
 今度は避けきれずに攻撃を受け、椎名同様、倒れてしまう。
「おいおい? 何で倒れるんだよ? 可笑しいだろぉ? 年上の私を笑ったのに、何で倒れて動かないんだよ? ほら、さっさと立ち上がれよ、ザコ風情が? ほら、ザコなお兄ちゃん?」
 邪悪な笑みを浮かべ、発言するアキナに対し、椎名は『こ、コイツは誰だ……?』と、恐怖していた。
 そして久上は言われるがままに立ち上がり、『うっせー、お前のワンピースの中を確認していただけだ』と、言い訳を言う。
「ほう? その年でロリコンを発症しているのか、何て最悪な兄貴なんだ? ほら、妹ちゃん? お前の兄貴はこんなにも変態なんだぞ?」
 アキナがそう言って、振り向いて、妹の方を向く、すると妹は静かに『それは知っとう』と、発言する。
「!?」
 まさかの返答にアキナはドン引きしてしまう。
「ま、待て待て待て待て!? 何その要らない情報!? ってか、知っているんなら、責めろよ!?」
「責めても無駄やろ? 好きなもんなんやから? 私は好きなもんを否定されたくないし? それなら兄貴もそうやろ?」
 そう言う妹に対し、『せやな』と、返答する久上、そんな久上、妹コンビに対し、アキナは静かに呆れる。
「お、おいおい……? 何なんだよこの兄妹は……? まぁ、いいか」
 アキナはそう言って、静かに呆れ、二人を見る。
「さぁて……それじゃあさっさとアンタ達を倒すか」
「はぁ? ワイらを倒すって? どうやって? 迷宮に迷いし子羊よ?」
「おいおい? そんなの簡単だよ? ねぇ、椎名お兄ちゃん?」
 気を抜いている時に突然呼ばれ、椎名は『ひゃ、ひゃい!?』と、変な声を出す。
「私を負ぶって、『木に登れ』る?」
「……一応は、まぁ、頭の痛みも慣れたら消えるしな?」
「そうか、それじゃあ、『私を負ぶって』よ? 指示を出すからさぁ?」
「し、指示って……アキナちゃん──いや、アキナさん? 貴方の行動にどうこういう理由は無いかもしれないが、本当にこの状況を打破出来るんですか?」
「出来ない」
「えぇっ!?」
「でも、やってみなくちゃ分からない、可能性は……ゼロじゃない!」
 アキナはそう言って、真剣な眼差しで久上達を見る、そして立ち上がった椎名の背中に抱き付いて、発言する。
「椎名お兄ちゃん? 何か不具合は? 例えば、首に手を回してとか?」
「ん? いや、無いぜ? 他の小さい奴によく体を木登りされているからな?」
「そう? それじゃあ言うよ? 『木に登って!!』」
「お、おぅ!?」
 アキナの発言に椎名は少し驚きながら、近くの木に登り、光が見えるレベル迄よじ登る。
「よし、作戦は成功……それじゃあ、『もっと上に移動して!』」
「あ、あぁ!」
 椎名はアキナにそう言われ、仕方なく、頂上に移動、すると『木々が生い茂った廻り』が確認出来た。
「よし! そのまま猿のように木々に乗り移って移動!」
「わ、分かった!」
 言われるがまま椎名は移動する、そしてアキナが静かに言う。
「『迷っているのなら、登って視界を開かせ、周りを確認して移動する』、それが『迷路の脱出方法』だ!」
 アキナの発言を聞いて、椎名は『成程!』と、思う、そして二人は久上兄妹の『森林迷宮劇場(シアター・フォレスト・ラビリンス)』から、脱出する事が出来た──そして進むは真っ直ぐ、『統一軍の社』だ──


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