コメディ・ライト小説(新)
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- 少女と海猫の少しだけ変わった日常
- 日時: 2019/04/10 17:41
- 名前: 空巫女 (ID: z.RkMVmt)
ある郷には、“獣人”という、人化ができる生き物がいる。
このお話は、人間界で暮らす猫の獣人、“海猫”と、海猫と共に暮らす独り暮らしの高校生の少女、“白鳥千影”。
そしてその仲間達が送る、普通の人間の日常とは少しだけ変わった日常。
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こんにちは。はじめましての方ははじめまして。空巫女です
当作の略名は海日です。
各話サブタイトルリスト兼目次 >>24
4/8
あらすじ的な何かを変更しました
4/10
>>6 の#EX1のキャラクター紹介の紅実の部分に、“ツンデレ”という記述がありますが、もう今ツンすらないですね。
設定を変更しようと思って、修正のパスワードを打ち込んでも、間違ってるになって、修正ができないです...
その為、紅実の性格は葵達と接していくうちに、ツンが消えたと脳内補充願います。
- #8 がっきたいけん ( No.10 )
- 日時: 2019/02/24 14:45
- 名前: 空巫女 (ID: 1.75.8.2)
<#8 がっきたいけん>
瑠姫が話に割り込んできたのをきっかけに、他のパートの方々も、海猫に自身の楽器を体験させようと話に割り込んできた。
どう止めればいいかと困っていると、部長が「こら、貴方達。そんなに強引にしてたら、駄目でしょ。困ってるじゃん」と、声をかけてくれた。出来る部長だ。
そんな事があって、今海猫は音楽準備室で楽器を順番に体験している。私は、桐谷先輩に「練習していていいよ」と言われたので、先輩に任せて練習している。しかし、任せた事を直ぐに後悔する事になった。
数分後。
「千影ぇ!助けて〜!」
突然、大声と共に、猫耳と尻尾を生やした涙目の海猫が私に抱きついてきた。
「海猫さん、逃げちゃ駄目ですよ?」
左手に持つ猫じゃらしを振りながら、瑠姫をはじめとする、音楽準備室に居た人達が近づいてくる。
「ちょ、どういう事?」
私は状況を飲み込めず、唖然としていた。
海猫曰く、最初のうちは、皆に教えて貰いながら楽器を吹いていたのだけど、ホルンが特に上手かった
ようで、ホルン担当の先輩が頭を撫でてくれたそう。それを見たある人が“海猫って名前だし、顎を撫でると喜ぶんじゃない?”と言い出して、顎を撫でられて、気が抜けて、猫耳と猫尻尾が出てしまったそう。
「それで、耳と尻尾を見つけて、海猫が嫌がる程もふもふしたという訳ね」
「うん。付け足すと、一番もふもふしたのは瑠姫だった」
名前を出させて、“自分は知らないぞ”と言わんばかりに、視線を反らす瑠姫。それでいいのか学級委員!
余談だが、後日海猫の事について、問い詰められた。それで全てを話した為、海猫が獣人と言うことは、学校中に知れ渡ってしまった。
部活終了後。
「この部活に入るんだったら、楽器はホルンを担当したいです」
海猫はホルン担当の先輩にそう言った。ホルンパートは全員嬉しそうで、反対に他のパートの人は残念そうだった。
- #9 きつね ( No.11 )
- 日時: 2019/02/24 15:10
- 名前: 空巫女 (ID: 1.75.8.2)
<#9 きつね>
部活見学騒動から数日後。海猫は見事に部活に馴染んでみせた。ホルンの腕も、先輩が驚く位だそう。あと、少し気を抜くと、もふもふされている様。
今日は部活が無く、私と海猫と紅実の3人で下校している。
「なぁ、あれって....」
海猫と出会った公園の前を通る時、紅実が半分呆れて声を出した。
「黒い狐....」
私はため息を吐き喋る。
「私と同じ場所って....」
海猫も同様に呆れていた。
「今度は「私が連れて帰れ、だろ?言われると思ってたよ!」
何だ。解ってたのか。
「こいつは私が連れて帰る。獣人じゃなかったら保護施設に届ける、でいいよな?」
「いいんじゃない?」
「了解。じゃあ帰るよ」
「ええ。後、帰ってから、まずは体を洗うとは良いわよ」
「そうなのか?ありがとな」
紅実はニカッと笑うと狐を抱き抱え、帰っていった。
- #10 くるみ ( No.12 )
- 日時: 2019/02/25 17:01
- 名前: 空巫女 (ID: F08K/Z64)
<#10 くるみ>
<<紅実side>>
「さて、まずは千影に言われた通り体を洗うか..」
帰宅後。私は両親と住んでいるのだが、親は共働きなの深夜にならないと帰ってこないから、大丈夫だろう。深夜になったら隠せばいいし。そう思いながらお風呂のお湯を沸かす。すると、狐が嬉しそうに私の足に頬擦りをし、鳴く。
「べ、別にお前の為にやってるんじゃないからな。千影ん家には海猫がいるから仕方なく、だ!勘違いするなよ!!」
私は、漫画とかの典型的なツンデレが言いそうなセリフを言ってしまう。言うつもりは無くても、照れ隠しで言ってしまうんだよな....相手が千影だったらそんな事ないのに...
自分でツンデレだと自覚してるツンデレっておかしいよな。うん。絶対。
私は千影に言われた通り、風呂桶に入れたぬるま湯で狐を洗う。その後、今後どうするかについて考える為、狐を風呂桶で遊ばせといて自分は部屋に籠った。
「嗚呼もう!狐は何食うんだよ!!」
考えはじめてから5分。私はもう諦めかけていた。
「そうだ、千影に聞けばいいんだ。こういうのは経験者に聞くのが早いな」
他人任せに、私は千影に電話をかける。
「もしもし千影〜!私だけど、聞きたいことがあってさ。狐って何食うの?」
『自分で考えなさい。私だって狐が食べるものなんて知らないのだから』
千影からの返答は役に立たなかった。まぁ、そりゃあな、千影の場合拾ったのは猫だしな、猫と狐は違うもんな。解んないし野菜とかでいいな。私は電話を一方的に切ってお風呂と夕食の準備に取りかかるのだった....
「んん.....朝?」
私は目を覚ます。部屋を見渡しても、狐の姿は居ない。夕食の後、狐が隠れる様に用意した段ボールも無かった。
「昨日は学校が終わって以降、記憶があやふやだつたから、夢か?」
私は動物が好きだけど、流石に狐を飼う夢を見るなんてな...今日は変わってるな。
私は寝ぼけたまま、身支度をして、朝食を作ろうと、キッチンへ向かった。あれ?何だか、キッチンからいい臭いがする。いや、気のせいか。
「おはようございます。我が主。漸くお目覚めですか?」
「....嘘だろ」
キッチンに入ると、紺色の着物を身に纏った、大和撫子と言っても過言では無いほどの、女性がいた。ただ、それは狐耳と尻尾が生えてなかったらの話だが。
- #11 てんじくあおい ( No.13 )
- 日時: 2019/02/26 19:34
- 名前: 空巫女 (ID: ze9J8nGv)
<#11 てんじくあおい>
「先程、お部屋での独り言が此方に聞こえましたが、夢扱いされるとは、実に悲しいものです」
表情がシュンとなるのと共に、耳もペタンと垂れる。
「夢扱いしたのは悪かったよ!それよりさ、お前も獣人なんだな?」
キッチンまで声が聞こえたのは驚きだが、私の独り言でかなりショックを受けた様なので、謝っておく。あと、違う事は無いだろうが、獣人かどうかの確認をしておく。
「まぁ。我が主は既に獣人の事をご存知だったとは。となると、先日、主とご一緒していた水色の人は猫の獣人で?」
え、待って?なんで海猫を獣人だって解るのさ?
「今度、猫に会わせて頂けないでしょうか?あの子は私の幼なじみなのですよ」
成る程...世の中って広そうで案外狭いのか?
「あのさ、少し気になったんだけど、なんで“猫”って呼ぶんだ?名前が解らないなら“彼女”って呼べばいいのに」
これは少し気になった。さっきも人呼ばわりだったし。
「ああ、それに関しては少々問題があって....獣人には性別は無いのですよ」
何か爆弾発言来たんだけど!?性別が無いって...
「朝食は我が用意致しました。宜しければ冷める前に食べて頂けないでしょうか」
「さらっとスルーしやがった!!」
狐に言われ、テーブルを見ると、なんか凄かった。ここは高級和食料亭かな?明らかに一般人の朝食に出るメニューじゃない。
「まぁいい。折角だし食べるよ。後さ、昨日の夜、どうしてたんだ?親が帰って来た筈だが」
「それはご心配なく。両親様とは既に居候の話はついております。学校側にも、転校の手続きは済んでいます。しかし、最終的には我が主の判断となりますが」
なにこの有能は狐は!?狐と言えばずる賢い手を使ってそうだが、それは偏見だと、後にお叱りを受けた。両親とも、正面から頼み込んだみたいだし、料理の食材に関しても、自身が此処に来る前、故郷で集めた物だそう。
「う〜ん。親から了解得てるならいいよ。住んでも。」
「ありがたき幸せ。それで、お願いが。故郷ではお世話になる者に名を頂くと言う掟がありまして...」
へぇ、名前ねぇ....海猫みたいに、黒だから黒狐?いや、もっといい名前がある筈だ。そうだ!
「“天竺葵”ってのはどうだ?略して葵。この名前はな、私が好きな花の名前なんだ。“ゼラニウム”とも言う。花言葉は、信頼、尊敬、真なる友情。まぁ、花の色は黒じゃないけどさ」
べ、別に掟があるから仕方なく考えてやったんだからな!...っていいかけていまった。危ない危ない。
「天竺葵....素敵なお名前を授かり光栄です。これからはこの名に誓って主に忠誠を捧げます。」
私の前に跪く葵。
「いや、忠誠なんていいから!」
跪かないでよ!忠誠なんて大袈裟だし!
“しかし”と、言う葵を説得させるのには時間がかかり、気づけば料理は冷めてしまっていたのだった。
- #12 くちょう ( No.14 )
- 日時: 2019/02/27 16:51
- 名前: 空巫女 (ID: VnoP1T29)
<#12 くちょう>
「やべっ、学校いかなきゃ!」
冷めた朝食を食べていたらすっかり時間に。
私は慌てて準備をしようとする。
「何をおっしゃっているのですか?今日は土曜日故に、学校は休校ですよ?」
「......」
ぐうの音も出なかった。
カレンダーを見ると確かに土曜日。恥ずかしいな。
「お気になさらないでください。勘違いは誰にでもございます」
フォローまでできるのか、この狐は。葵は私には勿体ないと思った。
「本日はどのようなご予定で?」
「そうだな.....葵の服を買いにいくか」
だって着物だしな。家に居るだけならよくても、外出する時に着物は....ちょっとな。人の目があるし。
「わ、我のお気遣い等無用です!我は居候の身。主の希望を優先してください!」
うむ...どうやら葵は自分より相手を優先するのか。こういう人って説得させるの難しいんだよな...それに葵ってなんか堅苦しいし。
「葵の服を買うことが私の希望だ。外に出るとさ、人の目とかあるじゃん?それが嫌なんだよ」
「何と!!誠に申し訳ございません!我としたことが主の希望に気がつけず....」
「堅苦しい!!」
葵の長々とした謝罪を一喝して止める。
「いいか、買い物 云々よりな、先にその堅苦しい口調を直せ!従者じゃないんだしさ!お前は狐だろ!?なんで狐がそんな丁寧に話すんだよ!?」
叱った。思いっきり葵を叱った。葵は、驚きで口をパクパクさせている。
もういい。葵がどう反論しようと、葵の口調を変えてみせよう。着物の買い物なんて日曜日でいいし、最悪私のや、千影に借りるなりすればいい。
と言う訳で、私による葵の口調変化作戦が始まった。千影には明日、葵の服を買いにいくからついてきてと、伝えといた。千影は明日初めて会うから解らないけど、海猫が驚きそうだ。