コメディ・ライト小説(新)
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- 色褪せた僕は、
- 日時: 2022/09/02 22:16
- 名前: たまはる (ID: tEZxFcMB)
初めまして、たまはるです。
執筆活動(?)をする気になったので、記念すべき一作目を書きます。
何か問題があるとすれば、更w新wがw遅wいwこwとでwすw
許してください何でもしますから!(迫真)
それでは本編どうぞ!/(^o^)\
8/28 この度、たまはるからぷれに改名いたしました
9/2 完結いたしました。ありがとうございました!
人物紹介>>1
プロローグ>>2
1話「転校生」>>3-6
2話「言いたくない過去」>>7-8
3話「風邪をひいた男」>>9-12
4話「文化祭(前編)」>>13-15
4話「文化祭(中編)」>>16-19
4話「文化祭(後編)」>>20-22
5話「旧友との再会」>>23-33
6話「クリスマス」>>34-37
7話「晴夏、来日」>>38-42
8話「境界線」>>43-44
最終話「色褪せた僕は、鮮やかな視界を取り戻した」>>45
エピローグ>>46
- Re: 色褪せた僕は、 ( No.26 )
- 日時: 2022/08/22 06:43
- 名前: たまはる (ID: tEZxFcMB)
やはり、実家というだけあって落ち着く。
「お昼食べた?」
「新幹線の中で食べた」
「そう。お母さんたちもう食べたから」
実は、花山家にはもう一人居るのだが、見当たらない。
「にぃに、帰ってきたんだ。あ、ゆーちゃん!」
一つ下の義妹、晴夏だ。
晴夏の両親は、生まれて間もないころに事故で亡くなったそうだ。訳あって、本人には義理の妹とは言っていない。今日までな。
- Re: 色褪せた僕は、 ( No.27 )
- 日時: 2022/08/22 19:40
- 名前: たまはる (ID: tEZxFcMB)
「じゃ、俺たち英治の墓参り行ってくるから。あ、そうだ。晴夏も行くか?」
「別にいい。にぃにの用事に付き合うなんて私はやだね」
本当にこの反抗期と来たら。俺にも反抗期なんて無かったぞ。年頃の女の子は難しいね。
行ってきます、とだけ言い、俺たちは近所の霊園へと向かった。
外は晴れているとは言え、流石に寒いのは変わらない。
「...よっ、英治久しぶりだな。お前を殺した犯人捕まったってよ」
話しかけるが、返事は帰ってこない。
「ほんと、何でだろうな...」
気づけばこの寒さの中、頬を伝う生暖かい液体が出てきた。
何で俺、泣いてるんだろうな。泣いたって何にもならないのに。
「...叶望」
後ろから、華奢な腕が回ってきた。その手は俺の頭を、優しく撫でる。
「叶望、死んだ人には悲しむんじゃなくて感謝するって、君が言ったんだよ?」
確かに、いつかの俺はそんなことを言った気がする。
「...そうだな。きっと、英治にも笑われちまうな、こんな情けない俺は。」
寒空の下、俺たちは旧友との再会を果たした。彼はどんな表情で、俺たちを見てくれたのだろう。
「...そんなの、分かるわけねーよな」
5話終了です。
ちょっと短めですが、いかがでしたでしょうか?
つい最近までお盆だったので、こういうのもありですよね。
- Re: 色褪せた僕は、 ( No.28 )
- 日時: 2023/01/06 19:22
- 名前: たまはる (ID: 5R9KQYNH)
「ただいまー...ってあれ?母さんたちは?」
「買い物行った」
「そっか」
帰宅すると、両親は買い物に行ったようで、晴夏だけが室内に居た。
俺はテレビを点け、ニュースをぼんやりと見ていた。
「...ねぇ、にぃに」
「んー?」
珍しい。晴夏から口を開くなんて、今日は酸性雨でもふるんじゃないか。
「私って、ほんとはにぃにの妹じゃないの?」
「なんのこt」
「とぼけないで!私、聞いたの。ほんとは、私の両親が死んじゃってここに来たって」
いずれ、こんなことになるのは分かっていた。
俺は少しの沈黙のあと、全てを話した。
「...そうだ。お前の本名は柴崎晴夏、花山じゃない。」
「何で言わなかったの」
「お前を傷つけたくなかった。そうなればお前も、俺のようになると確信していた」
「でも私h」
「お前が!お前が実の妹のように大切だったんだ。だから、俺みたいな人間にお前の人生を左右させたくなかったから」
こんなこと、晴夏にも言いたくなかった。彼女が俺のせいで、壊れていくのが、目の前で人が苦しむのは見たくない。
「それでもいい!にぃにの称号が偽物でも、私がここの家族じゃなくてもいい!私は!」
晴夏の言葉を遮り、彼女の華奢な体を抱きしめた。
やっぱり、去年よりも成長している。身も心も、成長した。
彼女の頭を撫でた。夕姫がやってくれたように、優しく。
「よく、言えたな。お前は俺の自慢の"妹"だよ。だから、今ぐらいは出しちゃえよ。俺が受け止めてやる」
「...うっぐ...うぅ...」
俺がやらなきゃ。妹の全てを受け止めるのは、兄貴である俺の仕事なのだから。
- Re: 色褪せた僕は、 ( No.29 )
- 日時: 2022/08/22 21:46
- 名前: たまはる (ID: tEZxFcMB)
「あんたたち、そんな仲良かったっけ?」
「まぁねー」
言えるはずがない、さっきまで互いに抱きしめ合っていたとか言えるはずがない。
「あ、そうだ。父さんたち、ちょっと明後日の昼まで帰れなくなったんだ。叶望、頼んだぞ」
「うい。つーか今言うかよ」
「じょうがないだろ、さっき夕姫ちゃんのご両親に温泉旅館に誘われたんだからな」
いいなー。
俺も行きたかったが、まぁいいや。
「それと、後で夕姫ちゃんがくるわよ」
「ふーん。...は?」
「じゃ、行ってくるよ」
「ちょっ...」
全く、無責任な両親だ。
それからしばらくすると、インターホンすら押さずに窓から入ってきた。
「お邪魔しまーす!」
「お前バカだろ」
「天才だが?」
「頭が良いのは認めるが、自称するやつは天才ではない」
- Re: 色褪せた僕は、 ( No.30 )
- 日時: 2022/08/23 00:11
- 名前: たまはる (ID: tEZxFcMB)
時計を見ればすでに夕飯時、母さんが準備しているとも思えない。
仕方がない、俺が作るか。
「お腹減ったろ?夕飯作るから待ってろ」
「にぃに、作れんの?」
すると夕姫が目を輝かせた。
「作れるもなにも、のぞみんの料理は家庭科の授業で、先生を負かすほどの腕なんだよ!」
何か言ってるわ。
俺は冷蔵庫を確認した。中には、豚バラ、ナス、ネギが入っていた。
「マジか...いやでも奇跡的に唐辛子ペーストがある。行ける、まだ俺は戦える...!」
さて、俺が今から作るのは麻婆豚バラ茄子だ。
まずはフライパンに油をしき、熱する。温まったら豚バラとナス投下。火が通ったら、唐辛子ペーストを投下し、炒める。もちろん目分量だ。これでネギを散らせば完成だ。