ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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アクセス【【削除依頼】】
日時: 2020/08/01 19:50
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: hsews.TL)

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登場人物>>

01章 URL=スタートボタン
02章 少女二人の決意
03章 朝、少女は動きだす
04章 着いた場所、そこは空港
05章 そこで私達は出会った
06章 闇夜を歩く,少女の向かう先は
07章 そして四人は誓いを建てた
08章 逃げ惑う,迫るは危機
09章 ドミノ倒し
10章 強制退場
11章 彼女の長い夢
12章 冷笑の奥は
13章 違反者と参加者の
14章 霧崎+ナイフ

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Re: >>>  ア   ク   セ   ス > >  ( No.21 )
日時: 2009/12/07 20:15
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

交代制で一夜を過ごした。

かといって、睡眠時間はかなり少ない。
美希に起こされた舞は顔をあげて、携帯で時計を確認する。

十一月十二日 五時三十分


 「 もう…こんな時間… ?」

  瞼が重い…あと五分だけでもいいから寝たい。

恵梨はすでに朝食を注文して食べていた。 

  あぁ、食欲なんてないよ…今の私には。

六時になったら殺しあうのか、それとも、逃げ惑うのか。

  みんな、どうするんだろう ?

自分がもし一人でこのゲームをやっていたらなんて、舞には考えられなかった。
きっと母親にすがり付いていたのかも知れない。

 「 舞、あんた、顔洗ってきなよ。」

 「 え ? ああ、そうだね…。」

  なんという平凡さ…。
  どこかの家族のみたいな会話じゃん。

どこか、懐かしく感じた。

 
舞は立ち上がり、化粧室で顔を洗ってくる。
あまり気が進まなかったが、やってみるとすっきりした。

やはりこの時間だろうか、客が舞たち以外に二、三人いるだけで静まり返っていた。

鏡を見て、自分の顔をみた。
  人を殺すようなことは、絶対にしない。
  何が…あったとしても。

化粧室を出て、席に座るとボサボサになった髪の毛の祐樹が起きていた。

 「 なんか注文して食べたら、この店でましょう。」

 「 そーだね。ここに長居していても仕方がないし。」
美希は舞から渡されたメニューを見た。

  あんまり無駄に使いたくない…。
  どうしよっかなー。


メニューを見ていくと、あるものが目にとまった。

  これ、いいかもしれない… !

 「 ねぇ、これどうかな ?」

舞の指差したものは 八枚切りピザ。
金額もそこそこで、一人二枚ずつ食べれる。

 「 あぁ、これいいな。」
 「 これにしよう ! 」

ピザに決まり、注文した。
思ったよりも、早くあつあつのピザが運ばれてきた。

全員でそれをきれいに食べ、残り五分となった。

 「 金、払ってくる。」

祐樹はそういって、全員からピザ代等のお金をもらい、レジへ向かった。

 「 じゃあ、私達は外で待ってよう。」
 
恵梨と美希はうなずいて、荷物をまとめて外に出た。
そして 少し経ってから祐樹も店から出てきた。


その時 舞の携帯のアラームが鳴り響いた。


————  十一月 十二日 朝 午前六時  ゲーム開始。

Re: >>>  ア   ク   セ   ス > >  ( No.22 )
日時: 2009/12/07 20:15
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

 「 あ… ! メール来た !」

 「 えっ ! あ、本当だ…。」

美希が最初に携帯を見て、その後、恵梨、舞と続いて見た。

  あぁ…そっか…祐樹は元々ゲームに参加していないんだった…。


BBRからのメールはこうだった。
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おはようございます(´Д⊂ )
六時になりました。ゲーム開始です。
みなさんのご健闘をお祈りしております…。

さて、ルールの方は覚えていますでしょうか ?
必ず、守ってください。
違反者がいた場合、ただちにこちらの人が向かいますので。
隠れていても、私達はあなたたちが何をしているかはわかっています。

ゲーム進行状況は、こちらのサイトでご確認できます。
では(`・ω・´)ノシ

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  ふざけているのがむかつく…。

  こいつ…。

知らないうちに、舞は左手を強く握っていた。
 
恵梨は深くため息を付き、自分の携帯を兄に手渡す。


  やるしかない…

  今更、ゲームを抜けることはできない…

  わざと違反者になったところで何が待っているかは分からない。

  退場になる…すなわち、それは〝死ぬ〟ということ…


 「 私達で…誓いませんか ?」
   恵梨が突然、ブランコに揺られながら呟いた。

 「 何を… ? 死なないとか ?」
美希が当然のことを言った。

 「 そんなの…死なないなんて当たり前です。私達は、絶対に誰も殺さない。」


恵梨は、雲の上から差してきた光に目を細めた。

十一月だが、あたたかく弱い光がわずかに差している。

 「 私も、誓うよ。誰も殺さない。」
  そう……誰も、自分の引いた弾で傷つけない。殺さない。

  そう誓う。

 「 私も…銃なんて不要に決まってるし。」
  美希も鞄から銃を取り出して眺め、再び鞄の奥底にしまった。


 「 お兄ちゃん…行き先は… ?」

 「 …どこにでも行けばいいさ。」投げやり気味に言ってベンチから立ち上がった。




  私達は、これからどこへ行くのだろうか ?

  そんなこと、誰も知らない。

  知りたくない。

  明日が来るかも分からない日を過ごすのか。


  たとえ、どんな状況になろうとも 銃だけは使わない。

  自分の手を汚してはならない。

  私達は、そう誓ったのだった。

Re: >>>  ア   ク   セ   ス > >  ( No.23 )
日時: 2009/12/07 20:15
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

残りの所持金を私は全てきれいに使い果たし、恵梨と祐樹の家へ向かった。

二人の家は母親はいなく、父親は滅多に帰ってこないという。

舞や美希の家は、平日でも母親が家にいるため危険すぎる。



無事、四人は電車を使って二人の家へ着いた。

最初は、東京駅へ行ったの。そこでは子供が十人位になって駅のホームの端に集まっていた。
そのときは、流石に舞も緊張したが誰一人こちらに目を向けなかった。

きっとあの子達も…舞はそう考えてしまっていた。


それだけではない。
舞は中学生ぐらいの子供を見ると過剰に反応してしまうようになっていた。

避けたいと強く思っていたのだ。
これは、美希も同じだったようだ。


ただし、無事に桐嶋家に着いたのだ。
急に安心、疲れが襲ってきた。

 「 当分の間は此処にいてもいいだろうな。」
  祐樹はそういって、大きな紙袋をドンと床におろした。

 「 あ、ちょっと ! 食べ物入ってるんだから大切に——。」

 「 はいはい…。恵梨、サイト見た ?」
祐樹は美希の言葉を軽く流し、恵梨を見た。

 「 ううん…。まだ見てないよ。」
  ブンブンと首を振り、携帯を手渡す。

 「 あ、いいよ。こっち使うから…。」

そう言って祐樹は自分がもともと持っていた鞄の中からミニノートパソコンを取り出す。

 「 それ、祐樹の ?」
 「 うん…そうそう。」

  そっか…自分でパソコン持ってるんだ…

  私は持ってないから、ちょっと羨ましいな…

 「 じゃあ、私。お風呂沸かしてくるよ。」

そう言って恵梨は何処かへ行った。

 「 いいよねー。妹がいろいろやってくれると。」
  美希がソファに横になって呟いた。

 「 あいつはそういう家事とか好きだから。俺もまかせっきりだったし…。」

 「 ねぇ、お父さん帰ってきたらどうするの ?」

気になって祐樹に舞は聞いてみた。

 「 別に。何にも言わないだろうよ。」


奥から、シャワーの流れる音が聞こえた。

そのとき、ふと、祐樹がキーボードを打つ手を止めた。


 「 どうしたの ?」

 


 「 いや、なんでもない。ただ、気になるニュースがあって…。」
  語尾をのばして、そのまま祐樹は美希に何か耳打ちした。

  何いってんのかな…まぁいいけど。

  ああ、家っていいなぁ。

  よその家の雰囲気は好き。
  普段、恵梨が掃除とかしてるのかな… ?

家の中を見回して見たが、きれいに片付いていた。

美希の隣に深く座って、目を閉じた。

キーボードの打つ音と足音だけが聞こえ、他の音はしなかった。


  なんか、いいなぁこういうの………


舞はそのまま、知らないうちに眠っていた。

Re: >>>  ア   ク   セ   ス > >  ( No.24 )
日時: 2009/12/07 20:17
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

私達は それから二週間を過ごした。




食べるものも元々あった為困るということは無かった。



奇跡的に生き延びた、というのか。

特に四人はこの二週間でどこか変わったということも無く、しいて言えば家が散らかった位。

ただし、いつまでもこの家にいるわけにはいかないのだ。



それは誰もがわかっていた。







久々に、舞たち四人は外に行き、これからのことについて話し始めた。

 「 もう私、これ以上はお金使えないよ ?」
ため息混じりに美希は首を左右に振りながら言った。

 「 まぁ、1番手っ取り早いのは俺が働くって事だが……。」

 

 「 でも…でも、祐樹が働いたとしようよ。もしその間、私達が誰かに追われてたらどうするの ?」

 「 …そもそも、祐樹に頼るのも悪いよ…。」


  とうとう、ここまでかな。




ゲームの進行状況は、スタート前と変わらない。
誰一人として、銃を使うようなことはいまだ無い。

だが、あの空港のときを抜かせばの話だ。
四人で空港を出た後、会ったあの銃発砲事件のことだ。



舞はその後、携帯からウェブのニュースを見て知ったことだが発砲したのは十四歳男子中学生。

このサバイバルゲームに関わっていたのは明らかだが、警察はそのことに関して調べていないようだ。

  呆れた。
  確かに、郵便で届いたというのが事実でも信じる大人は少ないはず…



発砲した少年は友達と何かが原因でもめる事となり、むかついたので銃を出したとのこと。
そのとき誤って引き金を引いてしまい、友人らの足元に撃ってしまった、ということだ。

  何が誤ってしまっただよ…
  殺してたらどうするんだか。

 「 このまま、ゲームが続くということは無いですよね。何かイベントを起こすみたいですし…。」

恵梨が言ったとき、ちょうど携帯から音が鳴った。

 



舞は嫌な予感がしながらも、メールを開いた。

Re: >>>  ア   ク   セ   ス > >  ( No.25 )
日時: 2009/12/07 20:17
名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)

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はじめましてwBBRの代わりでメールを送信した〝姪華〟です(´∀`*)
よろしく。

さて、二週間が経過しましたが、状況に変わりがないですね。

つまらないの一言。

ということで、私達は皆さんにこれからあることをしてもらいます。
従わないと、違反者扱いね(^ ^ )b


取り敢えず、参加している人を一人、殺してください。

参加者の顔写真と名前をサイトに載せたから、それ見て探してネンw
ちなみに、銃以外でも殺し方はあるから自分達で考えてねー

誰も殺していないと、自分の命が無いと思ってね♪

あと、こっちで責任はとらないから。よろしい ?
参加したからには、その位のことはできるでしょ ?

んじゃー(*・ω・)ノシ
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 「 ………。」


  追い詰められた。


 「 あの…これ見てください。」

恵梨がそういって、祐樹のパソコンを指差す。



黙ってみてみると、真っ白な背景のサイトには大量の名前、顔写真が載っていた。
それとともに、名前の隣にはひとりひとり現在の居場所まで書いてある。


  気持ち悪い…

  ていうか、何でわかるの… ?

  やっぱり嘘じゃないんだ。


  こいつら、本気で殺そうとしてる。


  


  姪華…


 「 私達がいる現在位置、…合ってます。」

 「 こんなの…っ…ありえない ! 絶対ありえない…。」

 「 このメールで分かったんだが、こいつら何人かいるな。」

 

 「 BBRと姪華…まだいそうだよね。」

 「 何が目的でこんなことしているんでしょうか… ?」

恵梨の言うとおり、全く相手の意図が分からない。
このまま銃を持つか、違反者になるか…



 


 「 ここ、都会よね。もう田舎とかに逃げない ?」

  美希の提案には賛成だ。
  全額使ってでも、銃を使うことになるよりは…。


 「 また…逃げるか ? 」


 「 だって…殺すよりは…マシでしょ。」


 「 行きましょう。深夜より明るいうちに動いた方がいいかもしれないですし。」


 「 …行こう。」



そうして、舞たちは本格的に逃げることを選択した。


荷物をできるかぎり最小限にして、そのまま駅に向かった。

舞は制服、そしてカーディガンを羽織り、玄関を出た。


 「 また、ここに戻れるといいね。」
美希は歩きながら家のほうを振り返った。


 「 …きっと、四人一緒に戻れますよ。」

  

  また、みんなで戻れますように…。



舞は立ち止まり、瞳を閉じて祈った。

 



 「 何してんの… ? お前。」


 「 お祈り。…ていうか、見ないでよ !」

美希、恵梨、祐樹が同時に笑った。


  また、みんなで笑えたらいい。

  ううん、また、みんなで笑おう。これでいい。



舞たちは駅へと向かっていった。











———ただし、これは決して良い判断ではなかった。


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