ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- アクセス【【削除依頼】】
- 日時: 2020/08/01 19:50
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: hsews.TL)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
登場人物>>
01章 URL=スタートボタン
02章 少女二人の決意
03章 朝、少女は動きだす
04章 着いた場所、そこは空港
05章 そこで私達は出会った
06章 闇夜を歩く,少女の向かう先は
07章 そして四人は誓いを建てた
08章 逃げ惑う,迫るは危機
09章 ドミノ倒し
10章 強制退場
11章 彼女の長い夢
12章 冷笑の奥は
13章 違反者と参加者の
14章 霧崎+ナイフ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
- Re: >>> ア ク セ ス > > ( No.10 )
- 日時: 2009/12/07 20:08
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
私は、飛行機が轟音で飛び立ち、遠くの空へと消えていくのを眺めながら、携帯を握り締めていた。
自分の手が、僅かに震えているのにも気がついていた。
ここはどうやら、休憩所みたいな場所のようだ。
舞、美希がこの部屋に入ったときには一人の少女と高校生ぐらいの青年が椅子に座っているだけだった。
自動販売機のところで、美希はジュースを買っていた。
私って、結構心配性かな… ?
何で美希はあんなに普通でいられるのかな……
そう、さっき一斉に送信されたメールの内容はこうだ。
=====================================================
本日行われるゲームについてのルールです。〝必ず〟お守りください。
破ったとすれば、〝退場〟となります。
・ただいま、問題がこちらで発生したため、ゲーム開始は明日の十二日、午前六時からに変更します。
・現在、プレイヤー方(参加者様)が所持している銃は本物です。
使うかどうかはご自身の自由です。
使用した場合、自己責任です。
・個人でゲームに参加してもよいですが、多人数でのグループを組むのも良しです。
・ゲーム退場はできません。
・百七十人の中で三十人の方だけ〝残って〟もらいます。
残りの人数のほうは、こちらで計算します。
・逃げて残るのも良し、隠れるのも良し、騙すのも良し、殺すのも良しです。
とにかく、三十人残ればいいのです。
・皆さんがにげていてはしょうがないので、こちらもこちらでいろいろと考えさせてもらいます。
・ゲーム情報はみなさんの携帯にリアルタイムでメールで送信します。
・命の保障はできません。私達の計画しているゲームについて、警察に話してもかまいません。
それでは(^ ^)ノシ
=====================================================
何度読み返しても、ふざけているとしか思えない。
でも、本当だったのだ。
子供が銃を持つ。
危険というレベルではない。
明日という日が、想像できなかった。
- Re: >>> ア ク セ ス > > ( No.11 )
- 日時: 2009/12/07 20:09
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 舞…あんた、顔色やばいよ ?」
「 …だって……。」
「 どうする…警察 ?」
「 ちょっと、こんなところで警察なんて言わないでよ…。」
そういえばと思い、前を見ると舞の座っている前の椅子には同じ年ぐらいの少女が。そしてその左隣に青年。
青年は外を眺めている。
いや、そんなことはどうでもいい。
少女がしきりに、携帯をパカパカと開いては閉じている。
もしや…彼女も… ?
恐ろしい。恐ろしすぎる。
前に敵がいるなんて…。
美希に耳打ちでそのことを話した。
美希はなるほどと言った表情で聞いていて、突然その少女の前に立つ。
「 あ、美希…」
「 あなた ! ! あなたも参加者なの ?」
単刀直入…お前…。
みていられない…初対面の人に…。
少女は、顔を上げてつけていたカチューシャのような形の真っ白いヘッドホンをとる。
雪のように白い肌に、黒い大きく開かれた目に同じく墨のような黒のベリーショートヘア。
そこにショッキングピンクカラーの濃いパーカーを羽織っている。
「 私…ですか ?」
「 ええ ! ! そうよあなた ! 」
女王様か。
ヘッドホンとってんだから聞こえるだろうに…。
「 えっと、はい。」
「 じゃあ同じ参加者ってわけね。よろしくね。私は美希。こっちは友人の舞。 」
「 は ?」
なにどさくさにまぎれて紹介を…。
しかも本名…。
やっぱりお前…。
「 どうも…。舞さん、美希さん」 そういって微笑んだ。
かわいい ! めちゃくちゃかわいい !
いいよね、笑顔の似合う子は…。
ていうか、何考えてんだろう私。
「 こちらこそ。」といって軽く舞はお辞儀した。
「 私は恵梨です。こちらは、祐樹…兄です。」
「 え…お兄ちゃん…なの ?」美希は本気で驚いたようで聞いた。
「 はい。話すと長くなりますが…いろいろあって。」
妹と兄。
二人がクリックしたというのか ?
やはり似るのか、そういうところも…。
「 妹と兄か…。うむ。そういえばふぁいばーも兄いたよね ?」
「 わっ馬鹿 !!!!! 何を言って…」
こいつ…ふぁいばー言いやがった。
沈黙。
恵梨は笑顔を浮かべて言った。
「 ふぁいばーさん! 知ってますよ。ネットの ! !」
「 あぁ…いや…。」しどろもどろしてしまった。
後で見てろよ、美希…。
「 そうですか、実は私。ネットでの名前は〝エリ〟そのままです。
で、お兄ちゃんが〝ステハンですが@七誌さん〟です。」
「 え…。」
「 え…。」
エリって、、、話したことある。
ステハンは…もっとある。
そのとき飛行機が轟音で飛び立っていった。
- Re: >>> ア ク セ ス > > ( No.12 )
- 日時: 2009/12/07 20:09
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
「 恵梨…勝手に言うなよ…。」
クスっと恵梨はかわいらしく笑った。
なんなの…
なんなのぉーっ ! ?
コイツが…あの有名な。
信じられない…ていうか、以外。
ツンツンした黒髪で、妹同様の肌の白さ。
が、何故か制服という格好で膝の上にはミニノートパソコンが乗っている。
「 ステハンってあの掲示板で…。」美希が考え込むようにしていった。
「 え…ステハン ?」
確認するようにして、舞はもう一度聞いてみた。
「 あぁ…。お前がふぁいばー ?」
「 うん。そう…そう ! 私がふぁいばー !」
信じられない…オフ会みたいじゃん !
美希と舞は深く椅子に座った。
「 ステハン…URLクリックしたの ?」
「 冗談じゃない。俺があんな怪しいサイト踏み込むわけないだろ。」
「 えぇっ ! じゃあなんでここに…」
「 妹の付き添い。」
「 え ! ! ちょ、ちょっと ! アリ ? そういうの !」
「 特に書いてなかったし…別にいいだろ。」
軽っ
やっぱり相変わらずな感じがする…
「 すいません。ちょっと一人で来るのが怖くて…兄に頼んで来てもらったの。」
「 そりゃあそうだよね。いいよね〜頼れる人が来てくれて。」
美希にも兄がいるが、美希曰く頼りない らしい。
「 いえ、ちょっと無理やり連れて来たんです。私が。」と言って微笑みながら隣の兄を見た。
「 ステハン…引きこもりじゃないの ?」
「 はいはい、そうですが ? 何か ?」
「 いいの ? 外に出て ?」
「 いや、別に病気でもないんだから…まぁ…いいんだけどさ。人の集まっているところは勘弁だが。」
だから此処にいたのか。
納得。把握。
そこで、美希と恵梨が同時に同じことを話した。
『 この四人でグループ組んでみない ?』
「 それ……賛成 !」
笑顔で言っては見たものの、ただ単に、私はグループでの方が助け合えると思ったからで。
「 でしょ ? 恵梨ちゃんはどう思う ?」身を乗り出して恵梨にたずねる美希。
「 賛成ですよ。そのほうが、心強いですし…。いいよね、お兄ちゃん ?」
「 え ? ああ、いいと思うよ。」
「 決定 ! よろしくね !」美希は立ち上がって言った。
そういって全員で握手を交わした。
気がつくと、すでに外は薄暗くなってきた。
「 で、どうするよ ? これから。」
「 その前に、ステハン、本名教えてよ。」
「 は ?」
「 実名で呼んだほうが…いいと思って。」
「 …桐嶋祐樹。これが本名。」
「 祐樹、恵梨、舞、私。全員下の名前で呼び合おうね ! ネットでの名前じゃ、ゲーム中だとすぐに分かっちゃうし。」
『 なるほど。』美希以外の三人が、深くうなずいた。
「 夕方か…四時過ぎたら、中学生ってうろうろしてたら怪しいよな。」
「 でも、五日間ぐらい家はなれてたけど 大丈夫だったよね、舞。」
「 うん。補導されているのも見なかったし。」
「 〝今まで〟はな。これからは分からない。
もし深夜に出歩く奴らが多くなったら、補導されやすくなるだろ。」
確かに…。
警戒して補導員の人数が増えたら困るし。
補導員は大活躍だろうけど…
「 暗くならないうちに、ここ出ようよ ! もういなくていいんだろうし。」美希は外を見ながら不安げに言った。
十一月。暗くなるのはあっという間だった。
- Re: >>> ア ク セ ス > > ( No.13 )
- 日時: 2009/12/07 20:10
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
舞たち4人は、なるべくグループのように見られぬよう 程よい間隔をあけて歩いた。
ていうか、美希、どこ行くんだろ… ?
美希を先頭にして、バラけた状態で空港を出た。
街頭の灯りはつき、駅が遠くに見えた。
「 美希、どこ行くの ? 」
「 …ただ歩いてただけなんだけど…。」
そうだよね。
そうだよねぇ。
そのとき、後ろから駆けてくる足音がしたので二人とも振り返ってみた。
焦った様子でどこか不安げな顔をした恵梨が携帯画面を舞と美希に見せた。
===============================================
最新ニュース
【○空港ターミナルで十四歳 銃発砲】
===============================================
「 …うそ。さっきいた空港でしょ。此処。」
「 やばい。空港出て着てよかったね…。
あそこにいたらどっちにしろいろいろ聞かれるだろうし。」 美希がため息をついた。
「 とりあえず、目的地がなくても今は此処を離れたほうが良さそうですよ。」
そのとおりだ。
なるべく立ち去ったほうがいいだろう。
「 なるべく遠くに行ったほうが今は安全だろうな。」
「 うん。電車使っても大丈夫だよね ?」
「 大丈夫だと思いますよ。」
そうして、私達は駅へと急いだ。
道は暗く、電灯があってとても助かった。
- Re: >>> ア ク セ ス > > ( No.14 )
- 日時: 2009/12/07 20:10
- 名前: RADELLE03 ◆X6s/dtSC5A (ID: QYM4d7FG)
外は薄暗く、十一月ということで暗くなるのはあっという間で寒くなってきた。
五分ぐらい歩いて駅に着いた。
ホームに入ると、働いていた人が帰ってくる時間帯でもあるので混んでいた。
「 どうする ? はっきり言って…そんなに遠くにいけないかも…。」
やや不安げに財布の中を見ながら美希がつぶやいた。
私も…と言って舞も残りの所持金を確認する。
残金、二千五十二円か…
キツいかな、この額は…
「 とりあえず、美希か舞の家におじゃまして必要なものとかとって来るとか ?」
「 まって祐樹、なんで私とか舞の家なの ?」
「 こっからじゃあ、俺の家は遠いよ。無駄に金かかる。」
祐樹がホームの柱によりかかって言った。
「 んじゃあ、とりあえず、舞の家のほうがいいなぁ。私の家だと兄が…。 」
美希は渋そうな顔をして舞を見た。
結局はウチか。
だとしたら、深夜に入らないとなぁ。。。
「 いいけど、深夜とかじゃないと入れないよ。私親に見つかっちゃう。」
「 鍵持ってんの ?」
「 うん。スペアで。。。じゃあ、切符買って行こう。」
五人でぞろぞろと切符を購入し、電車に乗り込んだ。
このまま電車で行ったら…調度深夜に着くかな ?
スムーズに行けるといいんだけど…。
開始まで、あと 十三時間。