ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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禁忌現実-The Fantasy to Exist-
日時: 2010/04/04 20:02
名前: 付喪 ◆29ayQzCLFo (ID: YpJH/4Jm)

〆御挨拶
どうもこんにちは、あるいはこんばんは。付喪です。
さて、付喪があるヘマをしてしまった為、この小説と同タイトルであった小説の続きを書く気が完全に無くなってしまいました。
というわけで、妖怪主体から魔術主体に変え(妖怪も出す予定)でいきたいと思います。前の小説のメインヒロインであった秋叉とかも、この小説で再登場させておきたいなー……と思っていたり。
タイトルの英語の読みは「ザ・ファンタジー・トゥ・イグジスト」、訳は「実在する幻想」です。禁忌現実は幻想という意味合いでつけたりしてみました。
作者共々、暖かい目で見守ってくださると嬉しいです。

※当然ながら荒らしは曲がれ右。
※宣伝は作者の許可を得てからやって下さい。
※魔術用語とか意味不なのが出てきたら、ご連絡は作者までry

〆目次-Index-
第一篇/魔術師の陰謀
序章/時空の旅人-The Space-Time Traveler- >>3
第一章/とある日常への来訪者-Visitor to a Certain Daily Life- >>3 >>7 >>8 >>10 >>13 >>19 >>29 >>30 >>31
第二章/交錯する舞台裏-The Backstage That Mixes- >>36 >>38 >>39 >>46 >>56 >>60 >>63 >>68
第三章/

〆訪問者様
瀬多 哉様 香織様

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Re: 禁忌現実-The Fantasy to Exist- ( No.38 )
日時: 2010/03/29 14:22
名前: 付喪 ◆29ayQzCLFo (ID: YpJH/4Jm)

〆11

 どうしてこうなった?
 少年は自問する。
 彩明高校と呼ばれる公立高校の近くにある四階建てのマンション。大体の部屋が埋まっている中、三階の一室にはごく普通の高校生が住んでいる。
 少年——泉井刀哉は自室のベットで仰向けになって天井を眺めていた。服装は学校帰りの夏服のままで、頭では繰り返し自問しながら。
 どうして、何故、こうなってしまった?
 自問する度に答えは分からないまま、だんだんと鬱になっていく。自室でその鬱は隠されることなく、刀哉の顔にどこか陰りがある。
 自問が繰り返される最中、刀哉の脳裏には一人の少女が浮かんでいた。腰まである艶やかな銀髪に、宝石のような赤色の瞳。アリス=エインズワース、ついさっき知り合ったばかりの少女の名だ。——今頃は、血塗れで偽者の世界の地べたに倒れているだろう。
 神秘的な美しい少女は刀哉の気分を良くすることはなく、寧ろ思い浮かべる度に気分は悪化していく。
 
 こんな筈じゃなかったのに。

 急に苛立ちが生じ、刀哉は頭に敷いていた枕を乱暴にぶん投げる。枕は壁にぶつかると、そのままぽとりと床に落ちていった。
 そう、自分は本来悪い立場にいるわけではない。自分は被害者なのだから。
 なら何故こんなに罪悪感を感じる? 
 ……その事に対しての答えはもう分かり切っている。なのに、自分の弱さが答えを出す事を邪魔している。自分は逃げている、自分の心とも向き合う事も出来ない弱虫。
 自分がこんな愚かでなければ、少女が血の海に沈む事など無かっただろうに。今頃どうしているだろうか——。
 一瞬最悪の想像が浮かび、それを打ち消すように首を横に振る。刀哉はうつ伏せになって顔をベットに埋める。

「殺された、と考えるのが普通でしょうね」

 ベランダ側から、ふと声が聞こえた。平淡とした少女の声が。
 がばっと起き上がってベランダ側を見る。思考を読まれた事に動揺が隠せない。
 一人の少女がいた。太股まである金髪にエメラルドのような緑の瞳、しかし瞳に輝きは無い。ノースリーブの黒服は足の付け根あたりまで繋がっており、バルーンパンツのようになっている。肩より少し下には、手をすっぽりと覆う長さの黒い袖が右腕左腕両方に。その下は黒のサイハイブーツで、白く細すぎる手足はしなやかだった。輝きの無い機械的な瞳は、真っ直ぐこちらを見ている。

「……っ、誰だお前……!?」
「そうですね、“双翼の闇”とでも名乗っておきましょうか。魔法名なのですが、本名が宜しければ本名を名乗りましょうか?」
「……いや、別にいい」

 金髪翠眼の少女“双翼の闇”は鍵のかかっていない無用心なベランダから、刀哉の部屋へと入る。刀哉はそれを止める事なく少女が入ってくるのを見ていた。

Re: 禁忌現実-The Fantasy to Exist- ( No.39 )
日時: 2010/03/23 18:41
名前: 付喪 ◆29ayQzCLFo (ID: YpJH/4Jm)

〆12

 いつもなら見知らぬ少女、しかも金髪に翠眼の外国人がいきなり部屋に入ってきたらまず驚いて事情聴取となるだろう。だが今の刀哉はベットに腰をかけ、呆然と少女がこちらに近づいてくるのを待つ。罪悪感で自暴自棄になってしまったらしい。
 ——その罪悪感の原因は?
 ふと脳裏にそんな問いが浮かんだが、すぐに打ち消した。

「初めまして、と言っておきましょうか」

 “双翼の闇”は刀哉の正面に立って言う。礼儀は礼儀、刀哉も自分の名を名乗ろうと口を開こうとする。
 が、しかし、

「貴方は名乗らなくて結構です、泉井刀哉」
「…………」

 “双翼の闇”に先に答えられ、刀哉はそのまま黙り込んだ。一体何者なのか——さっき入り込んできた時の発言から察するに魔術関連の、しかもとある銀髪少女と関連のある人物のようだ。
 刀哉は“双翼の闇”の様子を伺ってみる。“双翼の闇”も人様の家に家宅侵入したとはいえ、常識くらいは心得ているらしい。刀哉が家宅侵入した、その上個人情報まで知っている少女に対し慌てる事も怒る事もしないのを不思議に思っているのか、刀哉を見ながら小首を傾げる。そして“双翼の闇”は言う。

「貴方は個人情報を知られていて不思議にさえ思わないのですか?」
「……一応思ってる」
「そうですか。……私が何者か名乗った方が宜しいですか?」
「……魔術師とかいう奴か?」
「よく分かりましたね、正確に言えば情報屋と殺し屋を兼ねている魔術師ですが」

 “双翼の闇”の発言に刀哉はピクリ、と興味有りげに“双翼の闇”を見る。殺し屋の魔術師——言葉で言うだけでも嫌な予感しかしない。何故自分の家にそんな少女が来るのか——その前にこんな小さな少女が、本当に殺し屋なのか? 
 ここに来て初めて家宅侵入者の少女に疑問を抱く。そんな刀哉の疑問さえも“双翼の闇”は見抜いたらしい。

「私は本物の殺し屋ですが、それが?」

 一般人に言ったら冗談もほどほどにしろと笑われそうな事を、当たり前の様に言う少女。刀哉も普段ならそうかもしれないが、今回ばかりはどこか調子がおかしい。

「……へえ、じゃああれか? 俺を殺しにでも来たのか?」
「いいえ、貴方如きを殺してもナイフの無駄ですので」
「……やっぱそうだよな。なあ、そ……ん?」
「何を言いたいのか分かりかねます」
「……やっぱ本名教えてくれ」

Re: 禁忌現実-The Fantasy to Exist- ( No.40 )
日時: 2010/03/23 18:43
名前: 付喪 ◆29ayQzCLFo (ID: YpJH/4Jm)

>哉
まあ人はそんな時もあるわなw
いや、多分向かないry
よせやい照れるぜ(棒読み)
つかあれ、おかしいぞ第二章刀哉が思ったよりおかしくなってるぞあれ。

またあったら教えてくれよ。

Re: 禁忌現実-The Fantasy to Exist- ( No.41 )
日時: 2010/03/23 18:47
名前: 付喪 ◆29ayQzCLFo (ID: YpJH/4Jm)

話の都合上仕方ないが、アリスはまだしもフレデリーク空気ww

ついでに聞いておきたいんだが、キャラ絵みたいキャラいたりしたら教えてくれたもれ。

Re: 禁忌現実-The Fantasy to Exist- ( No.42 )
日時: 2010/03/24 15:00
名前: 哉 ◆tdNM0cwS6s (ID: 0vH/svqy)

あるさ、人間なのだかr←
ちぇ.((
そういわれると僕も、(棒(便乗←
刀哉どうしたああ、

おけおけー
たぶんあっても気づかない(笑

全員見たいです.はい←
頑張って全員書いてくれー((
絞るなら刀哉と双翼の闇かな?
何となく、気に入ったw


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