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闇夜の惨劇
日時: 2010/04/19 22:12
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: KkQpSREq)

初めましての方もそうでない方もこんにちは!
凛といいます。またまた新作でs((殴

*;;;;;;;;;;;;;;;;;;注意;;;;;;;;;;;;;;;;;;*
1、荒らし・中傷・偽・チェンメ厳禁
2、何かに似ていたらすみません
3、有り得ない事ありまくり
4、凛が嫌いな方は戻る連打です

+.*⌒お知らせ
☆小説リンクしてます
 リンクしている小説は『罪色の蝶』です


      +.*⌒prologue⌒*.+

惨劇の中で少女は生きた


血塗られた記憶の奥底に視えるは闇


永遠に終わることの無い血の宴


闇夜が紅く紅く彩られる


今宵も闇夜に惨劇は繰り返される———……

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Re: 闇夜の惨劇 ( No.57 )
日時: 2011/04/04 18:34
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: VYCQ1KaR)

第3章 『絆の裏切り』

1話*煩い人

「はぁ!? 今度のデート行けないって!?」

……朝っぱらから煩い奴だ。人の安眠妨害しおって
唯でさえ昨夜はセルシェ(とそれに連れられた妃恋)が館に押しかけてきて寝不足なのに……

「セーン、元気ないね?」

「誰の所為だと思ってるのだ馬鹿者」

「それと、あの……何ていったたかしらね……そうそう、美咲って人の所為でしょう?」

「妃恋大正解」

「ってあたしの所為でもあるの!?」

「当たり前だ馬鹿者」

「……2回も言われた」

「どんとまいんど、とやらだな」

「Don't Mind、よ。ドンマイってこと」

「茜凪の英語下手くそ」

騒いでいるセルシェをキッパリ無視し、チラリと目線を美咲に向ける
相変わらず携帯で話しているらしい……全く。携帯は持ち込み禁止と言われておろうが
ああ、あれか。るーるは破る為に在るとかほざく人種か

「ルール、だからね」

「何で知っているのだ……」

「声に出てた」

「ルール、だな。よし分かった」

「簡単な単語しか覚えられないものね」

「しょうがあるまい。私は、“この国で昔に”生まれたのだから」

「……まぁ、そうね」

「セルシェは吸血鬼だし、妃恋は外国生まれであろう?」

「そーね」

「そーだねー蝙蝠ちゃん」

「……何か腹立つ」

ボソッと呟いて、茜凪は美咲の観察を始めた
服装は……スカートの長さが膝上。ネックレスつけてる
校則違反も程ほどにしろと言いたいが

「ちょっとー!! 聞いてるのぉ!? ……アイツきったなぁ!?」

煩い。兎に角煩い
こういう人間が苦手なんだよな……この時代、静かな人なんて居るんだろうか

「本当、昔と違う……」

小さな声で呟いた

Re: 闇夜の惨劇 ( No.58 )
日時: 2011/04/23 19:24
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: VYCQ1KaR)

2話*無意味な相談事

1時限目の休み時間
やっと授業が終わり昼寝でもしよう、と茜凪は寝る体勢を整えた
と、そこへ苦手なモノのカテゴリーに分類される人間がやってきた

「ねーねー茜!! 聞きたいんだけどさぁっ」

……煩い煩い煩い煩い煩い。そんなに大声出さんでも聞こえておる
というか……せんとは私の事か!? 彼女とはそんなに親しくないぞ……
馴れ馴れしいにも程があるわ莫迦者!!

「……何」

「あたしの彼氏が最近冷たいんだけどぉ!! どーすればいいと思うぅ〜?」

「……他の子に聞いて欲しいんだけど」

「皆に聞いてまわってるの!! ねぇ教えてよ!!」

なぁ、こ奴斬っても良いと思うか?
ああ、でも依頼以外の人間を殺すのは掟に反するのだったな……
依頼がきたら殺したいわ

「そうだな……一度話し合いの場を設けてみるのはどうだろう」

「ええ〜!? それだけぇ!?」

「みーさき! 茜に聞いても無駄だって! 彼氏居なさそうだもん! それよりさぁ———」

甲高い声で駆け寄ってきたのは江藤 春佳。笹森 美咲の友達らしい
にしても失礼な物言いだな。確かに彼氏はおらぬが、そんなもの私には必要ない
居ても邪魔か、相手が不幸になるだけだというのに……

「茜凪……お疲れ様」

「セン、御疲れ」

「……ありがとう。2人も聞かれたようだな」

げんなりとした茜凪に話しかけてきたのは、妃恋とセルシェーンだった
2人も苦笑いを浮かべていた

「ええ。意見は茜凪と同じだけれど」

「あたしはねぇ〜「そんなら別れちゃえばぁ?」って言っといた!」

「セルシェらしいな……」

そんなこんなで休み時間は終了
結局昼寝も出来ず、茜凪は眠たい目を擦った
次は……英語、だったか
よし、寝よう

Re: 闇夜の惨劇 ( No.59 )
日時: 2011/06/26 14:40
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: VYCQ1KaR)

3話*椿の木と緋き夕陽

放課後。生徒達が帰り道を進んでいる
茜凪たちも例外ではなく、その生徒の波に紛れる
椿の木の側を通りかかった時、その向こう側から聞き覚えのある声が聞こえてふと、足を止めた
高めの甘ったるい声。そして緩く結んである茶色がかった髪———

「あれは……美咲さん、かしらね」

「あ! あそこのチョコケーキ美味しそう!」

向かい側に座っているのは……川向こうの中学校の生徒だろうか
彼女も美咲同様、茶色がかった髪に甘ったるい声をしていた
……類は友を呼ぶ、とはよく言ったものだ

「聞いてよ雪音ぇ! 道弘がさぁ、最近冷たいの〜」

「道弘君学校では普通だったと思うんだけどなぁ〜どうしたんだろう?」

他校の生徒は“雪音”と言うらしい
……名だけなら好みなのだが
話からして、“道弘”は美咲の恋人、雪音とやらはそ奴と同じ学校らしい

「ねーなんかあったら教えてよー?」

「分かってるって!」

端から仲の良い少女達
でも、茜凪達だけは違った
———雪音は何かを隠している……? 何をだ……?

「……下らぬ」

フイッと視線を外すと、紫の髪を風に靡かせその場を立ち去った
椿の葉が、一片落ちる
夕陽の鮮やかな緋色が全てを緋で満たす
その日の夕日は———やけに紅かった

Re: 闇夜の惨劇 ( No.60 )
日時: 2011/07/10 20:10
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: VYCQ1KaR)

4*神社の向こう側

途中で妃恋たちと別れ、茜凪は寂れた神社の鳥居を潜った
神聖なる神社と魔界の住人である死神は相性が悪いように見えるが———別に茜凪は神社が嫌いではない。
魔界の住人らしくないかもしれないが、神社は大して害は無いのだ
鳥居の先を進み、拝殿の前を通り過ぎる。この神社は、恋黒市に数箇所ある神社の中で恐らく尤も人気の無い神社だろう
いや、神社とすら呼べないかもしれない。なぜなら此処は本当に小さな神社で、神主すら居ない寂れた神社なのだ

「まぁ、結構いい場所だとは思うのだが……これも、過去の影響か」

その拝殿を通り過ぎると、小さな抜け道がある
其処は森の中にある小道のようなものだが、その奥は巨大な桜の木で塞がっている
——— 一般人が見れば、だ

「解」

パキィン、と澄んだ高い音が響く
桜の木の幹の真ん中がひび割れ、人が通れる程度の穴が開いた
その奥こそが、彼女の住む『闇蝶の館』だった
といっても、館部分は端っこの方の狭い部分であり、殆どは館ではなく屋敷なのだが

「……名を『闇蝶の屋敷』にすべきだったな」

ポツリ、と呟いて穴を通ると自然の森と屋敷は見事に調和しているのが見て分かる
そこに庭も溶け込んでいるのだ
……全てをひっくるめて彼女の家なのだが

「さて……今日は魔界の情報を調べねばならないな。あと茶菓子の確認をして———どうせ、夜半にセルシェたちが来るだろう」

吸血鬼の性か、セルシェはよく夜中に遊びに来る
茜凪とて死神……魔界の者であり、即ち“夜”の種族である
夜には強いが、流石に限度というものがあるだろう
何せ、セルシェが来ると徹夜は当たり前なのだから

「……頭の痛い話だ」

屋敷に入ると、すぐに制服を脱ぎ捨てる
あんな暑いものをいつまでも着ている気は無い
髪を軽く払うと、着慣れた黒の着物に袖を通した

Re: 闇夜の惨劇 ( No.61 )
日時: 2011/07/13 22:46
名前: 凛 ◆KM/REaTgCs (ID: VYCQ1KaR)

5*夕暮れの刻 ビー玉遊び

薄暗い部屋の中で、茜凪は文机に腰を下ろした
そしてそのままコンピュータのような物で魔界の情報を調べる
機械類を覚えるのは苦手だが、使えぬと困る為に必死で覚えたのだ

「……今月は今の所100人か。思っていたより多いのだな」

画面に表示されているのは、今月魔界の者の手によって死んだ人間の名前・年齢・所在地だ
先月のページを開くと、見覚えの在る名前があった

“真城 悠莉 (16) ●●県恋黒市 執行人:死神茜凪、吸血鬼セルシェーン・オーデル

 依頼人:風見梨子 (16)”

真城 悠莉と風見 梨子……———私の元に依頼し、悠莉さんはセルシェの手により死に、梨子さんは私が手を下した
二人の魂は一度魔界に送られ、そして三途の川へ放り出され、地獄へ堕ちるだろう
いや、2人の場合は先に賽の河原に連れて行かれるか……
どちらにせよ、救われるのは気が遠くなるほど先の事だ

「……哀れだったな」

どちらも幸せにはなれなかったのだから
哀れとしかいいようがないだろう

「これくらいでよいか……」

電源を落とすと、縁側に寝転ぶ
夕暮れの淡い橙色が庭の花々を染めゆく
近くに落ちていたビー玉を拾い、転がした

「———……」

何を言おうとしたかは分からない
茜凪は近くのビー玉に向かって、持っていたビー玉を弾いた


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