ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 悪魔との契約
- 日時: 2010/05/14 18:41
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: QB.PitpG)
はじめましての人もいますね。九龍です!
いやー、片方のほう完結してないのに作っちゃいましたよ……。
今回はある悪魔と少年の話を書きます。
僕が嫌いな人、あと……文才があるかないか僕には解りません。心配なら今すぐ逃げたほうがいいです。
……あ、あと、チェーンメールと荒らしは歓迎しないんで!
しかも、グロありかもという……。
……これでも残ってくださるんですか? 心が広いんですね……。
……できれば、お話を読んでくださるとうれしいです。
プロローグ>>1
お客様
扇子乃和登様、ヴィナン様、涼香様
- Re: 悪魔との契約 ( No.39 )
- 日時: 2010/06/11 20:02
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: cbQP1H./)
ヴィナン様へ
二人とも、腐っても悪魔。(笑)
本当に敵わないのは、多分べリアルでしょうね〜。
アスモデウスの足踏んでましたし、突き落としましたし……。
- Re: 悪魔との契約 ( No.40 )
- 日時: 2010/06/12 21:46
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: dwXuMxEB)
第8話『飼い犬生活』
木でできたドアが、勢い良く開く。
今、変な音がしましたが……。
そのドア、壊れてないですよね?
「ただいま!」
御主人が、笑顔で私にそう言ってくる。
……いや、御主人の事はどうでもいい。
それより、後ろにいる人、いや、悪魔の説明をしてほしいのですが?
御主人の背後には、アスモデウス。
この人、その格好でここまで来たんですか?
よく怪しまれませんでしたね。そんな姿で。
そして、顔に赤い液体のようなものが付いているんですが、それはなんですか?
「……おかえりなさい、御主人。あと、アスモデウス、なんで貴方がここにいるんです?」
私がそう聞くと、アスモデウスはニッと歯を見せて笑った。
「いや、今は地獄に帰るの嫌だから、ここで飼ってもらうことにした!」
アスモデウスの言葉を聞いて、私は大きなため息をついた。
人間に飼われてる悪魔がどれほど大変か、この人は知っていないんですね。
実際、私は御主人に召喚されてから、室内飼いの犬のようになってしまいましたし……。
部屋で1人でいなければいけないし、外には出られないし……最悪です。
できれば、地獄に戻って、ルシファー様の所へ行きたいんですが。
「そういえば、アスモデウスって言ったか? お前、なんでここに来たわけ?」
御主人が、アスモデウスにそう聞く。
「ん、それがさぁ、べリアルが地獄からいなくなってから、ルシファー、不機嫌なんだよ」
アスモデウスの言葉を聞き、私はさらに大きなため息をついた。
ルシファー様の所へ行って、あの人の機嫌を直したいものだが、御主人がここに監禁しているせいで、ここから出られない。
……御主人の許可さえあれば、自由に行動できるのに。
だが、主人の命令はちゃんと聞けと、ルシファー様に教えられているし……。
御主人から私が解放されるのは、約20年後ですし、20年は飼い犬のような生活を送らなければならないようですね。
早く、20年たちませんかねぇ……。
- Re: 悪魔との契約 ( No.41 )
- 日時: 2010/06/13 18:13
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: S78i8iJk)
第9話『まずは、ちゃんと躾けることが大事です』
ここは、図書室。
御主人が、私がいつも暇そうにしていると言って、図書室の鍵を渡してくれた。
しかし、ここ、なんで机の上がこんなに散らかっているのでしょうか。
私が座ったいるイスは、なにかの資料が置かれていたし、机は本や資料が山積み。
……御主人、少しはここを片付けたらどうなんでしょうか。
しかし、人間の書く本には、私はずいぶんと酷く書かれていますね……。
私がソドムを破滅へ導いたのは事実ですが、その時の事は、ちゃんと反省しています。
ですが、その黒歴史を本に書いてまで残さないでいただきたいです。
そう思いながら本を読んでいると、背後から声が聞こえた。
「……そこの金髪、アスモデウスを知らないか?」
振り返ってみると、肩まである黒髪の少年がいた。
……アスモデウスを探しているってことは、この人、彼に何かされたんでしょうかね。
そうだとしたら、彼の居場所を知らない私には、同情するしかできない。
「すみません、私は、彼がどこにいるかはわかりませんね……」
私がそう言うと、少年は小さなため息をつき、私の隣のいすに座った。
「あいつ、1人で買い出しさせて、大丈夫だと思うか?」
少年が、私にそう聞いてくる。
私は本のページをめくり、頬杖をついて本を読む。
「大丈夫ですかねぇ? あの人に任せて。あの人なら、途中で女性と遊んでいてもおかしくはありませんよ」
私がそう言うと、少年はさっきより大きなため息をついた。
「……そうか。……そういえば、お前、名前は?」
少年が、私にそう問う。
私は、読んでいる本をいったん閉じた。
……アスモデウス、この人が私に貴方の事を聞いたということは、私の事を教えたんだと思います。
それなら、名前も教えておいてくれてもいいじゃないですか……。
「べリアルです。で、貴方は?」
私がそう問うと、少年は困った顔をしながら答えた。
「和龍。アスモデウス、俺の事話してなかったか?」
少年は、私にそう聞いてきた。
……全然、聞きおぼえがありませんね。
私は、首を横に振って見せる。
少年は、顔を思いっきりしかめた。
「……あいつ、教育が必要だな」
和龍さんが、拳を握りしめてそう言う。
あぁ、確かにそうだな、と、私は思った。
あれには教育が必要だ。彼は常識の二文字は持ち合わせていない。
そう思っていると、突然資料が数枚吹き飛んだ。
振り返ってみると、ひらひらと揺れるカーテンと、鍵をかげていたはずなのに、開いている窓。
そして、その前には、アスモデウス。
「マスター、なんで家にいないんだよ。俺、あんたの事だがしてたんだぞ?」
「俺も探してたよ。この駄目犬……」
和龍さんの言葉に、アスモデウスが言い返す。
その言い返す様は、キャンキャン吠える犬のようだ。
……あぁ、確かに彼は駄目犬だ。
いや、それより。
彼は、和龍さんをマスターと呼んでいたが……。
「アスモデウス、和龍さんって、貴方の御主人なんですか?」
「ん? そうだけど。な、マスター!」
アスモデウスは私の問いにそう答え、和龍さんの方を向く。
和龍さんは、疲れ果てたように笑った。
「お前より、べリアルの方がいい犬だよ……。べリアルを召喚しておけばよかったかもな」
和龍さんが、小声でそう言う。
あぁ、またアスモデウスがキャンキャンと吠えだした。
私は頭を抱え、ため息をついた。
- Re: 悪魔との契約 ( No.42 )
- 日時: 2010/06/14 17:09
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: 0BucpTCd)
第10話『獄卒衆』
コンコン、と、ドアをノックする音がする。
はい、と、返事を返すと、御主人が息を切らして立っていた。
「……ん? お前、獄卒衆の和龍じゃん」
御主人が和龍さんの名前を呼ぶと、和龍さんは笑顔でひらひらと手を振った。
御主人も笑顔を見せたが、アスモデウスを見て小さなため息をついた。
「……和龍、お前の犬はどういう躾してるんだ? 人様の家の窓、勝手に開けんなよッ!!」
御主人が、すごい声で怒鳴る。
アスモデウスの方を見ると、手には、黒いヘアピン。
和龍さんはそれを見て、目を細め、机に置いてある、彼の鞄らしきものから小さな袋を取り出す。
……なんだろう、あれは……。
「……お前、一回死んでこいッ!!」
和龍さんがそう言って、アスモデウスに、小さな袋を投げつけた。
アスモデウスの赤い羽に、和龍さんが投げた袋が当たる。
次の瞬間、袋に当たった部分の羽根が焦げた。
羽根が焼ける、むかつくような臭いがする。
思わず、手で口と鼻を覆う。
「マスター、俺の羽焦げたんだけど!?」
アスモデウスが、苦しそうな顔で、和龍さんにそう言う。
和龍さんはクククッと、手で口を覆って笑った。
「ほぉ、悪魔は十字架が苦手なのか」
和龍さんの言葉を聞き、アスモデウスの顔が一気に青ざめた。
……あぁ、あの袋の中身は十字架だったのか。
袋に入れられていたから良かったものの、直接ぶつけられていたら、きっと羽は焦げるだけでは済まなかったはずだ。
「……お前らって、十字架が弱点なのか……」
御主人が、そう言って笑う。
アスモデウスは御主人を睨むが、御主人は笑ったままだ。
そういえば、獄卒衆とはなんだろう?
御主人は、和龍さんの事を獄卒衆の和龍と呼んでいたが……。
和龍さんのような人たちの集まりだろうか?
「御主人、獄卒衆とはなんですか……?」
私がそう聞くと、御主人は苦笑した。
「獄卒の意味って知ってるか?」
御主人は、私にそう聞いてくる。
私は御主人の問いに答える。
「ハイ。たしか、地獄で死者を責める悪鬼。そして……義理も人情もない人を罵る言葉ですね?」
私の答えに、御主人はコクリと頷いた。
「まぁ、そんな感じの集まりだよ。人の情けなんて知ったもんか、って感じの奴等の集まり」
御主人はそう答えて、図書室でギャーギャーと騒ぐアスモデウスは放っておいて、本を探しに行った。
和龍さんが、獄卒……か。
少し疑問を抱きながらも、私も新しい本を読もうと、本棚の前に立った。
- Re: 悪魔との契約 ( No.43 )
- 日時: 2010/06/16 21:37
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: hVBIzJAn)
第11話『人間観察』
しかし、獄卒……とは、本当に嫌な名前だ。
そう思いながら、読み終わった本を閉じる。
「あ、そういえばさ、和龍はなんで急に日本に来たんだ?」
御主人が、和龍さんにそう聞く。
……日本に来た、ということは、彼は今まで外国にいたのだろうか。
「なんでって、お前、俺達に遊びに来いって……」
御主人が、あー、と、気の抜けた声を出す。
……もしかして、忘れてたんですか、御主人。
多分、この人は、そういう大事なことを忘れやすいんだろうな。
「ってなわけで、マスターがここに来たわけなんだけど……」
アスモデウスが、そう言いかけ、口を閉じた。
……多分、この人も私と同じことを聞こうとしているな。
「……お前、自分で誘っといて忘れてたりする?」
……あぁ、やっぱり。
アスモデウスの言葉を聞き、そう思う。
さて、御主人の答えを聞きたいものですが。
まさか、忘れたなんて言いませんよね?
「あぁ、忘れてた。ま、だけど、今は父さんいないし、ここで遊べるし、いいんじゃね?」
その言葉を聞き、和龍さんは苦笑した。
……いいんじゃね? と言いましても、ねぇ。
そう思っていると、天井から、なにかが落ちてきた。そして、見事に床に着地。
その何かの隣には、見覚えのある顔の悪魔もいた。
「……レオニード、何、その隣にいる奴」
ご主人様が、天井から落ちてきた物……いや、少年にそう聞く。
短い銀髪に青い目、そして、まぶたには青いアイシャドウをつけている少年だ。
御主人、貴方の友達は不思議な人が多いですね。
私はそう思い、目を細め、眉を寄せた。
「……これ、アンドロマリウス」
少年は、そう答える。
これ、扱いなのか、彼は……。
アンドロマリウスは、私とアスモデウスに気付いたようで、こちらを向き、ニコリと微笑んだ。
そして、アンドロマリウスの首に巻きついている蛇も、頭を下げる。
……あれ、人間でいうお辞儀かなんかでしょうね。
「久しぶりじゃないか、レオニード」
和龍さんが少年にそう言って、ニヤリと笑って見せる。
少年も、和龍さんに笑い返す。
そして、私たちを見て、首をかしげながら言う。
「……べリアル、と……誰?」
少年は私の事はわかるようだが、アスモデウスは知らないらしい。
アスモデウスは、人差指で自分の顔を指差した。
「俺、アスモデウス。首が3つあるとか言われてるけど、今はこういう姿とってるんだ」
そういうと、少年はコクコクと頷いた。
「ん、解った。僕、レオニード。ラートゥ スヴァーミィ パズナコーミッツァ。べリアル、アスモデウス」
レオニードさんは、そう言って頭を下げる。
アスモデウスはケラケラと楽しそうに笑って、レオニードの頭をポンポンと叩いた。
「……アスモデウス、余りそうつに近づかない方がいいぞ?」
和龍さんが、そう言って笑う。
アスモデウスは、首をかしげる。
「そいつ、変な電波を受信しているらしいし、近づいた奴を観察したりするしな」
和龍さんがそう言って、ククッと、喉を震わせて笑う。
御主人は腕を組んで、ケタケタと笑った。
「そういやぁ、俺達もいつの間にか写真とか取られてたりして、弱み握られたりってこともあったな!」
御主人が笑いながらそう言った。
……御主人の友人は、一体何者でしょうか。
私はそう思いながら、頭を抱えた。
あぁ、また面倒そうな人が増えた。
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