ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 少年と殺人鬼
- 日時: 2010/05/13 22:02
- 名前: カラマワリスト (ID: MT1OWC7F)
初めての小説です。
暇つぶしにでも見てやってください。
- Re: 少年と殺人鬼 ( No.24 )
- 日時: 2010/06/28 20:34
- 名前: カラマワリスト (ID: HW2KSCh3)
おそらく【殺人鬼】が【さつじんき】となるので
同じように音読みすると【しょくじんき】でしょう
正直、特に考えずに作ってしまいました。
すいません・・・
———————————————
「———う・・・」
千夏が倉庫の外壁に胃の中身を戻している間、
俺は必死に考えをまとめていた。
「・・・千夏が証拠(胃液とか)残したし、
まあいっか・・・」
そう呟き、それでも一応死体に祈りをささげ、
血だまりに足を踏み入れた。
詳しく描写したいとは思わないので簡単にまとめると、
首、肩、腹の辺りから血を流した死体が
美冬が居るという町はずれの倉庫街にあった。
まるで何かに抉られたように。
傷口に(見たくはないが)顔を近づけ、観察する。
ナイフとは明らかに異なる、引き千切られたような傷口。
「・・・これは・・・」
「・・・兄ちゃんは」
落ち着いたらしい千夏が息も絶え絶えに訊いてきた。
「・・・こういうの、大丈夫なの?」
「ん・・・まあ、な」
これが初めてじゃないってのは言わない方が良かろう。
でも、そういやついこの間の『初めて』の時も
千夏みたいに取り乱しはしなかったな。
我ながら変人だ。
「これ、誰が・・・?」
「【喰人鬼】だ・・・あの野郎、何考えてやがる?」
「何で、分かるんだよ?」
「あ?ああ、傷口が引き千切られてるみたいなんだ」
そう言って、傷を指さす。
「そんなことできるのは、
多分この町じゃあいつだけだろうな」
「・・・そうだな」
「大当たり!」
「え?」
「あれ?」
上から声。
見上げる。
倉庫の屋根に、ぼさぼさの髪をした薄汚れた青年が——
「——【喰人鬼】!!」
- Re: 少年と殺人鬼 ( No.25 )
- 日時: 2010/06/29 22:44
- 名前: カラマワリスト (ID: HW2KSCh3)
「どういうつもりだ!」
「どうもこうも・・・
この殺人はあんちゃんの妹がやったことだよ」
「嘘をつくな!」
「嘘じゃねーよ」
「嘘だ。美冬は最近、刃物収集に凝ってんだよな」
「・・・嘘だろー畜生ー」
額に手をやる【喰人鬼】。
「第一・・・こんな傷、お前以外のだれが出来る?」
「いや?【鬼】のほとんどは
こんな感じで素手を使うぜ?」
そうなのか。いや、どうでもいい。
「しゃーないな・・・
んじゃプラン2。お前らを死に晒してやる」
「・・・殺すってか?」
千夏が視界の端で僅かに震えた。
「そ。本当はコレを見ることでお前らが焦っちゃってさ、
妹ちゃんを急いで見つけてくれたら良かったんだけど」
ニタリ、と【喰人鬼】が笑う。
「この際、お前らの死体で妹ちゃんを釣ってやるよ」
「——お前!!美冬に何する気だ!!」
叫んだのは千夏だった。
「返答次第ではお前を許さねえぞ!!」
「ひゃー!怖い怖い」
それに対して【喰人鬼】はおどけ、
「決まってんだろ?妹ちゃんを、喰ってやるんだ」
滅多に開かないはずの目が、鋭く開いた。
「なんだと・・・?」
「だから、喰うんだよ。端から端まで喰ってやる」
「知らねえのか?俺の生きがいは『人を喰う』事だぞ?」
「あの人殺しの眼・・・喰いたくて堪んねえんだ」
「やっぱし・・・あのカップルはお前が」
あの時。
美冬の服に血は付着していなかったような気がする。
何故それを、早く気付いてやれなかったのだろう?
「俺が見たのは『血だまりの中に立つ妹』だよ。
殺しているシーンなんて、一ミリも見ていない」
「っは・・・そんな事、なんの証拠にも・・・」
「多分、血だまりの中に立つお前を見て、
妹はお前を、殺そうとしたんだろ?」
だからナイフを持っていた。
殺した後だからではない。
殺そうとしたから。
「人殺しなんて死ねばいいなんて思っちゃったんだろうな・・・
ああ、もしくはお前が妹を襲ったか?」
「いんや・・・あんときは見っとも無くさっさと逃げたよ。
あんな怖い目、見た事ねえ・・・
だから惹きつけられた」
「そりゃいいや・・・
で、お前は俺と妹のやり取りを見て、
俺の妹を喰う計画を企てたのか・・・」
「まあね」
事もなげに【喰人鬼】は言うとぴょんと跳んだ。
当たり前のように、地面に着地。
・・・屋根の高さ、10mくらいあると思うんだけど・・・
「ともかくよ。俺は妹ちゃんさえ喰えればいい。
同盟も、単純にお前と会う機会を作るためさ」
警察官の10や20、一瞬で殲滅出来るもんなー、と
あくまでも事もなげに、言う。
「もちろん、お前らを殺すのも、妹ちゃんを喰うためだ」
そういうと、僅かに身体を傾けて——
こっちに向かってきた。
「死ね」
そんな呟きが聞こえた。
- Re: 少年と殺人鬼 ( No.26 )
- 日時: 2010/07/04 11:21
- 名前: カラマワリスト (ID: HW2KSCh3)
【喰人鬼】を吹っ飛ばしたのは
勿論俺の拳では無く、千夏の木刀だった。
「・・・お前の相手は俺だ【喰人鬼】!」
「——へぇ・・・」
空中で器用に回転し、着地する【喰人鬼】。
にやり、と笑った。
「お前も結構いいじゃん——妹ちゃんほどじゃないけど」
そう言い放った途端、【喰人鬼】は動いた。
数mほどの距離を一瞬で詰める。
千夏はその動きに合わせ、
木刀を右から薙ぎ払うように振るった。
屈んで避ける【喰人鬼】。
それと同時に足払いをしかける。
「うお・・・っ!」
こける千夏。
立ち上がりつつ上から、
腕を、凶器を、振り下ろす。
「まず一人——」
「千夏!!」
思わず俺は右腕で【喰人鬼】に殴りかり——
「変更、こっちから殺す」
右腕が、手首から吹き飛んだ。
「う・・・あああああああああぁっ!!!!!」
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
痛い。
「あ、ぐうう・・・・」
「おいおい・・・この程度で叫ぶなよ・・・
まあ、腕がもげたんだ、しゃあねえか」
「っっってめええ!!」
「五月蠅い」
ゴツ、と音がした。
思わず顔をあげると、
地に伏している千夏が視界に入った。
「千夏・・・!!!」
返事は無い。
胸は動いているので、気絶しているだけのようだ。
いや、この際、関係無い。
どの道、殺すつもりなのだ・・・
「やめろ・・・【食人鬼】・・・!!
止めてくれ!!」
叫ぶ。
でも、
「だーかーらあ、五月蠅いっての」
一瞬で俺の目の前に来た【喰人鬼】の手がのびる。
右手首の傷口に、手を、捻じ込まれた。
———痛みで意識を失うのは、初めてのことだった。
視界が暗転する。
- Re: 少年と殺人鬼 ( No.27 )
- 日時: 2010/07/01 22:49
- 名前: カラマワリスト (ID: HW2KSCh3)
「——もう、やめてよ」
その、思わず出たような呟きは、
【食人鬼】にまで届いていた。
その終 少年と殺人鬼
「ありゃ・・・妹ちゃんじゃん」
倉庫の屋根を見上げ、呟く【喰人鬼】。
「——人のお兄ちゃんの腕、勝手に吹き飛ばすなんて酷いよ」
「悪い悪い・・・だけどさ」
「だけどとか、でもとか、言い訳はよしてよ」
そう言い放ち、
美冬は、つい先刻の【喰人鬼】と同様に、
飛び降り、着地した。
場所は倉庫街。
倉庫に挟まれた幅数mほどの路地。
5m程の距離を開けて、二人は相対する。
【喰人鬼】の足元には、倒れた春樹と千夏。
「・・・失血死しちゃう」
美冬はそう言うと、自然な動作で、
【喰人鬼】の目の前まで歩く。
そして、自らが着ていた——
春樹から逃げた時と同じ、パジャマの袖をナイフで切り裂き、
出来た包帯で、春樹の傷口より少し上の辺りをきつく縛る。
「こんなもんかな」
「・・・随分舐めた真似してくれるなぁ!!」
【喰人鬼】は激昂し、
美冬目掛けて蹴りを放つ。
それを美冬は、
斬った。
「え?・・・うそだろおい!!」
美冬のはるか後方に落下した己の足首を見て、
膝をついた【喰人鬼】はたまらず叫ぶ。
「なんだよお前・・・!!あり得なさすぎだろ!」
百戦錬磨とはいかずとも、
かなりの実戦経験を持つ【喰人鬼】にも
——そのナイフの軌道は見えなかった。
「・・・人間の能力ってよ、要は、
モチベーションに左右されると思うんだよな」
【喰人鬼】は、まるで独り言のように喋り出す。
「努力や才能を蔑ろにする気はないけどよ、
それでも、能力の大部分の要素はモチベーションだと思うんだよな」
うわ言のように、それでもしっかり美冬を見据えて、言う。
「良い例が、『やればできるんだから』だろ・・・
つまりは『やる気を出せば出来る』ってことだろ?
それこそモチベーションの問題じゃねえ?」
「で?」
「俺のモチベーションの方向は『お前を喰いたい』だ。
お前、一体どんな方向のモチベーションで俺を斬った?」
【喰人鬼】は、問いかけた。
「・・・へえ、モチベーションって、『やる気』的な意味なんだ・・・
ずっと『動機』的な意味かと思ってた」
「逸らすなよ。答えろ——知りたい」
「決まってるでしょう?
あなたを、許さない。
だけ」
美冬の答えに
【喰人鬼】は、戦慄した。
恐怖した。
視線だけで、殺されかけた。
「あ・・・うわ・・・」
「はは・・・心配しないでよ」
その年齢にふさわしい可愛らしげな笑みで、
美冬は笑う。
心から、愉快そうに。
「あなたに殺された人の分まで、ゆっくり殺してあげる」
- Re: 少年と殺人鬼 ( No.28 )
- 日時: 2010/07/02 18:54
- 名前: 宙甜 (ID: udZFMs3r)
すいませーん
時間なくて途中までしか読んでいませんが
なんか
上手いと思います
文章の書き方とかとか
長っとまた続き見に来るんでよろしくお願いいたしまs〜
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